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パワーアップ

「日向さん。機体をパワーアップしておきましたよ。」

と、副部長さん。

「パワーアップですか!?」

「そそ。」

「ありがとうございます。」

 溶ける様なニヤケ顔になった私。

「こっちへ。」

 先に進む副部長さん。

「はい。」

 直に追いかける。


 着いたのは、当然格納庫。

「見て。」

 振り返りハンガーデッキを背にして両手を広げる副部長。

「おーっ。」

 見て驚いた。【リョウサン】がハンガーアップされているが、逆光でよく見えない。でも、解った。

「赤色になってる。」

「それだけじゃ無いわよ。」

 言われて、よく見る。

「あ! 頭に角が付いてる!」

「正解。」

「これで、私も…。」

 嬉しかった。私も手に入れたと思ったから。

「ふふふ。喜ぶのはまだ早い。」

「えっ?」

 まだ、何か見落としてる?

「専用装備が用意してあるのよ。」

「専用装備!」

 心が踊った。それは、薔薇を加え『オーレ!』と何故かフラメンコだった。『オーレ!』。


「右手に装備した《アイアン・メイス》は、敵を粉砕する破壊力。」

 そこには、ドゲトゲがいっぱい付いた【リョウサン】の身長よりも長い武器が装備してあった。

「当たると痛そうです。」

「そして、もう一つ!」

「まだ、あるんですか?」

「ふふふ、こっちが本命です。」

 何だろう、ドキドキが止まらない。

「その名も《フニクリ・フニクラ》!」

 ん? 何処かで聞いた事がある名前だけど…。と、【リョウサン】を見上げる。


 徐々に逆光が消え、機体全体が見渡せた。

「こ、これはぁぁぁぁぁ!」

 副部長さんが行った《フニクリ・フニクラ》の正体が見えた。

 それは、腰に装備された黄色に黒い横縞…。もう、解ったよね。《フニクリ・フニクラ》は、[鬼のパンツ]。


 も、もしかしてぇぇぇぇぇ! 頭を見ると黄色に黒い横縞の角が二本…。角は角でも[鬼の角]だった。


 あーっ! 専用武器のアイアン・メイスは[金棒]だぁぁぁぁぁ!


 パワーアップ…。それは[赤鬼]。赤くて角がついてるけどぉ!


「はっ。」

 これも、お約束だよね。

「起きよう。」

 めざまし時計のアラーム鳴る前に止めた。




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