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斬る

 うーん。今の爆発はグレネードにしては、規模が大きい。私の気が確かなら。たぶん、リアクティブアーマーの爆発が加わっているから爆発の規模が大きいんだ。って事は、ダメージは相殺されているはず。


 直後、爆発は爆煙を生んだ。そして、その爆煙を引っ張りながらライフル弾が飛び出してくる。どうやら、私の気は確かだ。

 続いて、ロケット弾も飛び出してきた。

 回避と、操縦桿を動かす手が止まる。今を逃したら、こんなチャンスはもう無いんじゃあ…。まあ、チャンスと言える程チャンスの場面じゃ無いかもだけど。

 私は回避行動を止めシールドを半身に構える。右の武器が使える構えだけど、防御している面積も半分。


「いけー!」

 自分を奮い立たせ、ペダルを踏込む。


 最低限度の回避をしながら、ライフルとミサイルを撃ち込み前へ前へ。それは俗に、突進と言う。


 『赤い奴』は、回避しながらきっちりと反撃してくる。流石、部長さんだ。


 何とか、ヤバい箇所への直撃は避けているけどダメージはかなりあるし、ロケット弾はシールドで受けるとよろける。

 さっきより、シールドの耐久力が下がってるから持つ? と自問自答する。


 『どーん』と、ロケット弾でシールドが跳ね上がり、機体がよろけバランスが崩れる。

「これならぁぁぁぁぁ!」

 バランスが崩れたままの体制から、グレネード弾を発射する。


「ミスファイヤー?」

 射出されたグレネードの弾道が明らかに、こちらへ向いていない事に一瞬気がいく部長。が、次に放たれたライフルを回避するために、その事に注意が行かなくなった。


 ライフルを回避し、反撃の体制に入る正にその時。グレネード弾が手前に着弾して『ちゅどーん』と爆発。そして、土煙を派手に巻き上げる。


 その土煙に向かって突進しながら、ギリギリまでライフルとミサイルを撃つ。

 何のギリギリかって?

 それは…、ライフルとシールドを捨て、剣を両手で持ち斬りかかれるギリギリ。


 この前は、上手く使えなかったけど…。今なら使える気がする! だって練習したもん。


 『ポイ』っと、ライフルとシールドを捨て、剣を抜き両手持ちにした。そして、腰溜めに剣を相手に向ける。


 『ジャキーーーン』と共に、切っ先に輝く十字の光が回転した。

 そう、それは最強の『勇者の構え』。


「うおぉぉぉぉぉ!」

 そのままペダルを目一杯踏み込み、タイアの高速スピンから、『勇者ダッシュ』に移行する。


「うおぉーりゃぁぁぁぁぁ!」

 振り下ろされる剣は、必殺の『勇者斬り』!


 斬撃は、土煙を真っ二つにした。


 『ガイィィィィィン』と、手応えはあった。

「ゃ…。」

 危なかったフラグ立てるところだった。

「お見事!」

 部長が今の攻撃を褒めた。


 土煙が晴れ私が見たのは…。


 私の『勇者斬り』を右の鉈で受け止める『赤い奴』。で、左手もいつの間にか鉈を装備して私の機体を首元から思いっきり斬り裂いていた。

「えっ。二刀流!?」

 [ALERT]の音と共にモニターが赤くなり、[LOST]と表示され[GAME OVER]と続いた。


 機体は動かなくなった。



 そう簡単には、届かないか…。

「終わりましょうか。」

と、部長さん。

「はい。」

 終了させて、コックピットを出る。


 部長さんは、一足先にモニタールームへ移動していた。


 少し遅れてモニタールームへ入ると、あの『ビリビリ』した空気は無くなっていた。代りにちょっとだけ『ピリッ』ってしていた。けど、私はその出処に気が付かなかった。

「お疲れ様。」

と、部長さん。

「お疲れ様でした。」

 副部長さんが続き、

「日向ん。おつー。」

 小南先輩。

「日向さん。お疲れ様。」

 美星先輩に、

「お疲れ様でした。」

 最後は、百地先輩。

「はい…。」

 答えた時に凄い精神的に疲れている事に気が付いた。


 その後、最低限の会話だけで、各々が黙々と部活をした。沈黙の部活なんて初めてだった。


「帰りましょう。」

 時計を見た部長さんが長かった沈黙を破った。

「はい。」

 皆が続き帰り支度をして、挨拶を交わし帰宅した。


 帰宅中は、当然部長さんの速さの秘密を考えていたのは言うまでもないよね。


 本当に、赤くて角が付いてると通常の三倍の速度が出るのかな?

 う~ん。私、何か見落としてないかな?


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