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トラブル

 テックセッター○○○(マールズ)に到着したのは、約束した時間よりも三十分以上早かった。


 桃河さん来るまで、対戦を見ていればいいやとパンツァー・イェーガーのフロアへ。


 あっ、前から来る白い服の女性は…。

 向こうも気が付いたみたい…。


 お互いに歩み寄り、

「こんにちは、桃河さん。」

と、会釈し挨拶。

「ごきげんよう、葵さん。」

 スカートの裾を両手で少し上げ膝を曲げる挨拶。

「早いですね。」

 ニッコリ。

「あなたも。」

 ニッコリ。

 少し見つめ、どちらからとういわけではなく

「ははは…。」

「ふふふ…。」

と、声が出る。そして、暫く二人で笑った。

「二人共、早く来るなんて奇遇きぐうですわね。」

「そうですね。」

 二人は、笑いから笑顔に変わっていた。


 そう言えばと、朝気になったのを引きずっていたのか無意識に桃河さんの服装を観察していた。

「どうかされましたか?」

 それに気が付いたみたい。

「あっ、ごめんなさい。今朝ちょっと…。」

「今朝何かありましたか?」

「今日着る服を選んでたらですね。ひらひらの付いた可愛い服って、操縦する時に邪魔になるなって…。で、桃河さんの服装が気になっちゃって。」

「なるほど、そういう事でしたか。わたくしの服は操縦の邪魔にならないギリギリで仕立てましたから。」

「やっぱり、そうじゃないかと思ってました。ぱっと見で、この前と同じ服に見えたんですけど、細かいところのデザインが違いますよね。」

「鋭いですわね。いつも同じ服なんてアニメとか、漫画のキャラじゃないんですから。」

「ぷ、ぷっ。」

「ふ、ふっ。」

 また、二人で笑った。


「では、やりましょうか。」

「はい。」

 返事してから、「あっ。」って思った。この前みたいに列んでいる人にどいてもらうのは…。


「葵さん。こっちですよ。」

 声の方を見ると、順番待ちしている最後尾で手を振っている。

 良かったと安心して、早足で桃河さんの横に並んで、

「あの…。」

「はぃ? 何んでしょう?」

 桃河さんが、ちょっと悪戯っ子ぽい目をした。

「この前みたいに、割り込むと思った?」

 見透かされている…。慌てて

「あの、あの…。」

としか言えなかった。

「この前は、わたくしも大人気無かったですわ。」

「あ…。」

 なんて言っていいのか分からなかった。

「今日はね。列んで順番待ちしている間は、ゆっくりとお話できるでしょ。」

 ニッコリ微笑んだ。卑怯なぐらい可愛い仕草だ。

「ですね。」

と、元気に返事。

「やっぱり、桃河さんって良い人なんですね。」


 それを聞き、ぽっと頬が紅く染まり、

「べ、別にそんなんじゃぁ…。」

 語尾が小声になり、そっぽ向いた。


 少しして、こっち向いた時には頬の色は戻っていた。で、また二人で笑った。



「お嬢様、ご友人との楽しいひと時に申し訳ございません。」

 声のした方を見ると、この前の三つ子(たぶん?)の茶色いメイド服着ている人がいた。いつの間に…。

「どうかしましたか? るささん。」

 この茶色いメイドさんは、るささんて言うんだ…。

「ちょっと問題が起きまして…。」

「あら、なにかしら?」

「お耳を拝借はいしゃく。」

 左耳を差し出す様に重心を移動させたところへ、るささんって呼ばれたメイド服の人が顔を近付け

「ゴニョゴニョ。ゴニョゴニョ。」

と、耳打ちした。


 聞き終えた桃河さんが、腕組みして首を傾げ目を瞑った。

「それは、困りましたわね。今から中止と言うわけにもいきませんし。」

「その通りでございますね。」

 ちょっと硬い感じの人なのかな? るささんて…。

「う〜ん。」

と、考え始めた桃河さん。


「桃河さん。何か大変な事なら、私の方は中止でも…。」

 ゆっくりと目を開き、

「いえ、そんなこ…。」

 言いかけた言葉が止まり、今度は私を見つめた。

「そうですわ!」

 『ピコーン!』って電球が出て、左の手の平を右の小指側で『ポン!』って叩くよく見るポーズ。

「葵さん。今日は、この後何か予定はありまして?」

「いえ、今日の予定は桃河さんとだけです。」

「でしたらわたくしを助けてくださいませんか?」

「私でできる事なら…。」

 『キュピーーーン!』額から稲妻が走り、嫌な予感がした。けど、困っている桃河さんを放ってはおけないよね。

「なるほど。このご友人なら適任ですね。」

 るささんの口角が上がって笑顔に見えたけど…、本当に笑顔なの?

「では、一緒に来てください。」

「は、はい。」


 桃河さんが列を抜け、私達より後ろに列んでいる人達に

「申し訳ございません。急用で抜けますので、詰めてください。」

 スカートの裾を持ち上げる挨拶をした。

「は~い。桃河お嬢様分かりました。」

 結構な人数が同時に返事したよ。また、ファンクラブの人達なのかな?

「では、参りましょう。」

 歩き出す桃河さん。

「あっ、はい。」

 後ろを追う私。その後ろを、るささんが付くて来る。


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