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不味い

 隊列を組み。とりあえず列びを説明しとくね、先頭にチャーリー(百地先輩)、続いてブラボー(小南先輩)、アルファ(副部長さん)、最後にデルタ(私)で、進んで行く。


 171部隊の痕跡…。足跡、タイヤは乱れ無く、この森の奥へと進んでいる。


 注意しながら進む。対戦には無い感覚で、ドキドキする。


 ふと、左の方で目に入った、凄い気になるもの。グリグリでマーカーを合わせてトリガーを引く。

 モニターに注釈線と文字が出た! って事はイベント?

 文字を読むと、これヤバい奴じゃん!と慌てて、

「デ、デルタ発見!」

「アルファよりデルタ。痕跡ですか? 敵ですか?」

「えっと、痕跡です! 左前方の目の高さの木の枝が折れています!」

 皆の機体が頭を向けたのが見えた。暫しの沈黙…。


 『ドガーーン!』と聞こえたと思ったらモニターに映る風景が回転した。直後、[ALERT]を知らせる文字と音声。

「な、何?」

 状況が解らず慌てる。


 モニターに丸太の様な物が映り、右に左にゆらゆらとしている。

 『なんじゃこりゃー。』と思っていたら

「ゲゲー!」

と、小南先輩。

「こいつは…。」

 百地先輩も驚いてる。

「まさか…。」

 副部長さんもだ。


 操縦桿を操作して機体を起こす。

あれれ? 起きない???

「アンギャー!」

 今のは通信じゃない!?


 ペダルを踏み上半身を回した。それでも足りないので頭も回す!

 やっと見えた皆を驚かせたものの正体。

 それは、でっかい二足歩行の恐竜。【リョウサン】と同じ位あるよ!

 モニターに映った丸太はこいつの尻尾だった。大きく開いた口には鋭い歯…牙がびっしり。

 手に鋭い爪は当然で、私の機体を押さえている足にもあるよね…鋭い爪が。ちょっと食い込んでる!? ヤバいぃぃぃぃぃ!

「この機体を食べても美味しくないから!」

は、月並みな台詞って解ってるけど、言わせて。



 マーカーを合わせてトリガーが引くとデータが出た。


 名前は【ダイナ−レックス】。

 成体でパンツァー・イェーガーと同等の大きさに成長する。性格は凶暴。群れを作り集団で生活する。縄張り意識が強く、侵入者を攻撃する。


 だとすると、縄張りに入った?

牙と爪は鋭く頑丈で、パンツァー・イェーガーの装甲を貫通する。


 ヤバい…。


 『ダダダダダー!』と副部長さんが、攻撃した。


 恐竜さんは、巨体に似合わぬ素早さで交わした。早い!

「今のうちに!」

 副部長さんの声に、はっとしてぐっと機体を起こす。今度は起きられた。

「大丈夫?」

と、小南先輩。

「[ALERT]は出ましたけど軽微なので問題無いです。」

「了解。こいつらは、一匹いたら三十匹はいるから注意して。」

「えぇぇぇぇぇ!ゴキちゃん並ですか!」

 驚いているところへ

「小南さん。三十匹は言い過ぎですよ。と、言っても十匹ぐらいはいるでしょうが…。」

 副部長さんが突っ込んだ。


 そして思った…。設定って忘れ易いと…。いつの間にかコードネームで呼んでない。


 副部長さんが、恐竜さんと少し距離をとって対峙している。奴は『グルグル。』と威嚇。その口元から垂れる涎が生々しい。


 他は辺りに気を配る。


 『カサカサ!』って近くの茂みが揺れ音を出した。

 反射的にマーカーを合わせてトリガーを引く。『ダダダー!』と葉っぱを散らした。


「カサカサ!」

と、こっちで。


「カサカサ!」

と、あっちで。


 マーカーを合わせてぇ…。はたとトリガーを躊躇ためらう。誘ってる? とか思ってたら、

「この恐竜さんって頭良いんじゃあ?」

 ボソリと言っていた。

「えっ。」

 副部長さん。

「えっ。」

 小南先輩。

「えっ…。」

 百地先輩。

「何だか、こっちの武器の事、知ってるみたいなんですけど…。」

「どういうことですか? 日向さん。」


 ちょっと考えてから、副部長さんに答える。

「あの動き、明らかにこっちの弾切れを誘っていますよね。あっちで『カサカサ。』こっちで『カサカサ。』して、無駄弾撃たせようとしてるとしか…。」

「言われてみれば、確かに…。」


 副部長さんが少し黙ってから

「こっちの武器の事を知っているとしたら戦った事がある…。とすると、行方不明の部隊としか…。」

「なるほど。部隊が行方不明になったのは、こいつ等のせいか!」

 小南先輩が声を荒らげる。

「戦いで通信機等が使用不能になったと考えれば、納得はいきますね。」

 百地先輩も賛同した。


「原因は判りましたが、私達も恐竜さん達を何とかしないとヤバい状況です。」

 副部長さんが、威嚇してくる恐竜さんに威嚇し返しながら。

「警戒しながら戦いやすい場所まで移動しましょう。ここは障害物が多くて、恐竜さん達の方が有利ですから。降下した時に、見た広い場所は、このまま第171部隊の痕跡の先のはずです。」

 適確な副部長さんの判断。

「了解です。」


 警戒しながらゆっくりと移動を始める。


 姿を出し威嚇している恐竜さんは一定の距離を保ちながら。当然「カサカサ!」も付いて来る。


 ん? 気が付いた「カサカサ!」の数がジョジョに増えている?やっぱり、一匹見たら三十匹はいるんじゃないかな…。


 少し先の木々の合間から光が差して明るくなっているのが見えてきた。

 もう少しだ…。って思った時に、見えた…。

 木の幹に穿たれた銃痕。なぎ倒された木々。踏み荒らされた地面。あちこちで焦げた痕。

 これって…。戦闘の痕?

「ここの先で戦闘したみたいですね。」

 副部長さんも気が付いたみたいだ。


 この戦闘で使われた銃の流れ弾が、さっきの木の枝を折ったに違いない。折れた枝に出た注釈線の文字に銃弾による破損って出てたし。


 ようやく開けた場所へと出た私達。

 『ガサガサ』がかなり増えてる。変わらないのは最初の一匹が距離を摂りながら威嚇しているって事。隙きを狙っているのかな?


「どすん!」

と、大きな音。

 何か大きなものが落ちた? と、気を取られた瞬間!

「ブオーン!」

「バコッォォォ!」

「ドンガラガッシャン!」

の三連コンボの音と共に、モニターが回る景色を映した!

「な、何ぃ!?」

 何か起きているのか全く分からない状況! でも、これがヤバい状況だとは分かる…。



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