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大地に


 呼び鈴も鳴らさずに、ずかずかと入って来た。

「ほら、葵。用意しないと駄目でしょ。」

「そうなんだ。」

 心ここにあらずの返答。組み立てしている手は止めない。


 勝手知った実宏がバックを出して荷物を詰め始めた。

「とりあえず、最低限いるものだけ持って行くようにだってさ。」

 意見も聞かずに、どんどんバックに詰めていくのは、如何にも実宏らしい。


 暫くして、

「こんなもんでしょ。」

 バックの上のチャックを閉める。

「さあ、行くわよ。」

と、腕を引っ張って外へ連れ出された。

「私は、家に寄って様子見てくるから、先に行ってて。」

と、バックを渡された。

 返事をしようとを、口を開きかけた時、実宏は素早く振り返り駆け出して行った。出しかかった返事を飲み込み、振り返って実宏と反対方向へ歩き出す。


 広場に大型のトレーラーの荷台にほろを掛けた状態で停めてあるのが見えた。

 それを見た時に無意識に、そっちに向っていた。


 近付くと、トレーラーの周りで作業している人達がいる。


 『ヒュルヒュル』と空から音が聞こえてきた。

 音の方を見ると、長い筒が煙を吐きながら、こっちに飛んで来ていた。


 それは、トレーラーの近くのジープに直撃して大爆発した。

 咄嗟に顔を庇ったが、爆風に体ごと吹き飛ばされた。


「痛たたた。」

 吹き飛ばされ、ひっくり返っていた。体のあちこちが痛い。


 起き上がろとした右足にコツンと当たり、蹴った物を視線が追う。

「本? 違う…。ファイルだ。」

 手に取ると、青い縁取り、真ん中は白、そして大きな赤い[V]の文字…。

 じゃない、上下逆だ。[V]の反対だから[Λ(ラムダ)]って書いてある。


 表紙をめくり、目に飛び込んで来た文字を口に出して読んだ。

「新型のマニュアル!?」


 顔が自然とトレーラーの荷台の方を向く。

「これは、つまり…。」

 心拍数が上がっていくのが解る。

「その…。」

 更に上がり、ドキドキが止まらない。

「アレだぁぁぁぁぁ!」

 最高潮に達した。


 直様、荷台に上がりほろがす。


 現れたのは、見慣れたコックピット!

「いつも、部活で使ってる奴と同じだ。これなら…。」

と、入り込み座る。

 パネルは、あちこちが明るくなり、起動状態を示していた。

「確か、『こいつ、動くぞ!』って言うはず。」


 よしと言わんばかりに、操縦桿に手をかける。

「ん?」

 いつもとは感触が違う? 新型だから?

 疑問に思いながら、両手の親指でグリグリの具合をチェック!

《ぷにぷに》!?


 もう一度やっても、《ぷにぷに》。


 その時、右の頬が『ざらり!』

「な、何?」

 また、『ざらり!』


 目が合ったのはアカ助。胸に乗って右の頬を舐めてる。

 私の両手は、アカ助の両手…。違った、両前足を下から握り、肉球を親指で《ぷにぷに》ってやってた。

「道理で…。」


 借りて帰ったファイルを読みながら寝ちゃたのが原因だな…。

「新型か、惜しかったな。ちょっと気になる…。」

「にゃあ~。」

 アカ助も気になるみたいだ。



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