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「始まりますわよ!」

 はっと我に返る。


 残りカウントは2。


 やってる事は解った気がするけど…、対策が直ぐに出来るわけもないし。

 はっとして、バシッと両手で頬を張る。駄目だ、駄目だ! ジーッと考えても、ドーにもならない!

 今は、集中、集中!


 カウント0


 同時に『白い奴』は私の左に回り込みながら、ライフルを撃ってくる。


 シールドを構えながら、私は右へ回避。


 ん? こっちの機体は左側にシールドあるから、ダメージはそんなには見込めないのが、解っていて左側に回り込むのは何故?

 一瞬の思考の後に…。死角に入っているんだと…。

 私の機体が右に回避したから思う壺? それとも、誘い?


 そだ、あれ、やってみよう!

 えっと…。操縦桿を左右微調整しながら、ペダルの踏み角度もと…。

 やらなきゃよかったよ。グリグリで狙いなんて付ける間がもっと無くなった。


「あの娘の動きが変わった…。」

 ボソリと大尉が漏らした。

「そうね…。さっきとは変わったわね。ちょっとぎこちないけど…。」

「ぎこちないのは初めてやるからじゃないかな? たぶん、前の戦いで見てやっているんだと思うよ。」

「えっ…。」

 波門が驚いた声を上げ、

「見たからって出来るものなのですか?」

「普通は見ても動かし方は解らないと思うけど。」

「やっぱり大尉が見込んだ娘ね。」

 大尉は答えなかった。


「あのストーカー。さっきと動きが違う?」

 無意識に自問していた事に気が付く。

 ぎこちない動きだが、先程の闘いでは一度も見せた事の無い動きをしているのがはっきりと解った。

「そんな付け焼き刃。このわたくしには通用しませんわ!」


 あの人が、何か言ってたみたいだけど…。聞き取れる余裕なんて全く無かった。

 操縦桿をガチャガチャやりながら微調整、ターゲットマーカーをグリグリやってトリガーを引き、ダッシュペダルをグイッて踏んで、上半身の旋回ペダルをグググとも踏み調整。

 走〜〜召(超)忙しい!


 何とか私の機体は移動方向はそのままでバック走行になった。で、右に大きく弧を描く。

 でも、本番はここから…。グリグリで狙って撃つ!

「当たれぇぇぇぇぇ!」

 ズバババッ!

と、明後日の方向に弾がばら撒かれる。

 どこ行くのよぉ! そっちじゃないってば。


「な、何ですの? あんな所を撃つなんてフェイント?」

 困惑し、

「ま、まさか。『戦闘とは、常に二手、三手先を考えながらやるものだ。』を実践している?」

 考え、

「だとすると…。あのストーカー只者では無い?」

 答えを出す、

「ですが、勝つのはわたくしですわ!」

 その宣言の力強さのまま、トリガーを引く。



 『白い奴』が放った、ミサイルがいっぱい飛んで来た。しかも、広範囲にばら撒いてる。


 回避行動をとり、避けられない奴はシールドで受ける。予定。

「一つ、二つ…。三つぅ!?」

 目の前に着弾した!

「なんのぉ!」

 構えたシールドで何とか防げた。爆炎と爆煙がモニターを埋める。

「危なかった…。」

と、気を抜いた時!

 爆煙が人の形に前に出た!

「『白い奴』!」

 そいつが、剣を振り上げている。

「シ、シールド!」

「ガイィィィィィン!」

 スピーカーが鈍い音を吐き出す。


 間に合った…。あっ、居ない! 目の前に居た『白い奴』が居ない!


 何処? 離れてた? 

「近くにいる。」

 だって、スピーカーから「キュルキュル」と『白い奴』のタイヤの軋む音が聞こえてるもん。


 死角と、頭に浮かぶ。

「ならば!」

 左に急速ターン!

「居た!」

 からのぉ、前ダッシュ! シールドから体当たりした。

「グオォォォォォン!」

と、鈍い音。そして、お互いによろけ少し離れた。


ふう、何とか剣を防げた。


 反撃とばかりにライフル。


 あっ、気が付いた。ライフルじゃ間に合わない。近過ぎてライフルの取り回しが追い付かない。


 『白い奴』はダッシュで接近しながら剣を構える。

「ど、どうする?」

 そう言えば、部長さんが何か言ってた様な…。「射程が短いけど、いっぱい撃てる。」って。


 そ、そうか! 頭に付いているバルカンだ。接近戦は百地先輩ぐらいとしかやらなかったし、その上チーム戦だと長々とやると狙われる。今までの戦いでは、全く選択肢に入って無かった武器だった。


 確か使う時には、

「バァァァァァルカン!」

 専用の呪文を唱えながら撃つって部長さんから教わった。何でも威力が上がるとか。使い方合っているよね、だぶん…。

 頭の射出口から連射され『白い奴』の頭部付近に小さい火花が大量に上がる。


「やりますわね。」

 少し多目に間合いをとる。

「まだまだ!」

 今度は右に回り込みながらダッシュ!


 その動きを見て確信した。また、接近戦を仕掛けて来る!

 だったらと、ライフルを剣に持ち換えて構えた。



 『白い奴』は一気に間合いを詰めながら、剣を振り上げる。

 またシールドで受けたら、後手に回る!


 機体を左に移動させながら、

「バァァァァァルカン!」

 頭部の発射口が、

「チュチュチュチュン!」

と放つ。


 その弾は、また『白い奴』の上半身に幾つもの火花が上げる。


「やりますわね。なら、こちらも!」

 左の少し小さ目の丸いシールドを前に出す様に構える。


 バルカンの弾がシールドで火花を上げる。そして、ダッシュで踏み込みながら剣で突く。『やぁ!』と言わんばかりの気合を入れ入れながら。


「狙いは、頭!」

 右の操縦桿を目一杯引き、機体の左を前にしてシールドの効果範囲内を広げた。が、予想と違って剣がシールドに当たる音はしない。


 回り込まれた! えっと、えっとどっち?


 無意識だったのか、咄嗟の判断だったのかは、よく判らないけど…。

 操縦桿の左を前、右を後にしてダッシュペダルを踏み込む。俗に言う時計回り。

 合わせて剣を振る、

「ガイ〜〜〜ン」

と、金属を打ち合わせる様な音!

 お互いの剣がぶつかり合い、鍔迫り合いになっていた。成程、お互いの剣がぶつかるとこうなるんだ。呑気にそんな事に感心していた。


 お互いの力の均衡…。ギリギリと機体と剣が鳴く。

 やがて限界を超え、よく見るアレが起きる。押し合う力を利用して、お互いに飛び退くってシーン!

 まさか、当事者になるなんて…。ちょっと感動!


 間合いを取っての仕切り直し。

 で、どうする私! って考えてる余裕はあるの? そんな隙きを『白い奴』が見逃すわけ無いじゃん…。


 兎に戦…。じゃない! 兎に角、後手に回るとヤバい。でも、何の作もなく突っ込んでも駄目だし…。


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