外出
今日は、日曜日!
久しぶりに実宏と市内へお出かけ〜♫部活やっているとお互いにすれ違う事が増えた…。
それで、偶には二人で出ようって事にった。
「今日は何処へ行く実宏?」
「そうだね。服でも見に行くかね?」
「新しい洋服見たい〜♫ 後は、甘い物だね。」
「では、そうしよう。」
二人連れ添って歩きだす。
他愛もない会話をしながら歩いていると、実宏が居ない?
どこ行った? キョロキョロ。
振り向くと少し手前で立ち止まっていた。
「どうしたの実宏?」
近付くと、壁に貼られたポスターを凝視していた。
くるりと、振り向くと
「葵、重大発表があるの!」
「えっ…何!」
いきなり言われて驚いているところへ
「私、尾久実宏は……。」
溜めた!
「中学を卒業と共に、大好きだったオカルトも卒業しました!」
「言ってたね。」
実宏は左右の腕を大きく開き、その後右腕で胸を軽く数回叩いた。
「ですが! 飽くなき探究心が燃え上がり! 高校で、オカルトに再入学する運びとなりました!」
「えっとね。知ってたよ。」
「な、なんだってえぇぇぇぇぇ!」
驚き方がオーバーだよ。
「最初は何も無かったのに、日を追う毎にオカルトグッズが学生鞄とか、ノートとか、シャープペンとかに付いていってたし。」
「あ、あれは…。捨てるのも勿体無いなって思って…。」
「今だって、ポケットから覗いてるキーホルダーって、何とかのロケットのオーパーツのレプリカでしょ。」
「ち、違う! こ、これは、飛行機のオーパーツ!」
そ、そこなんだ…。
「ま、バレていたなら仕方ない…。良く判ったね名探偵くん!」
「流石に私でも気が付くよ。」
少し間を置くと、
「でだ! これを見てくれたまえ名探偵くん!」
右手で指したのは、さっき見ていたポスターだ。
えっと、何々…。
『緊急来店・樹冬サイン会』
日付は、今日じゃん!
「樹冬って確か、実宏が大好きなオカルトの本を書いた人だよね。」
「そう、その通り! 代表作『侵略宇宙人は居候』は、あまりにもリアルと高評価! 更に更に『イースター島のモアイは夜歩く』は、まるで当時を見て来たのではと思える程の描写!」
ヤバい、この話を始めると止まらない。マシンガンの様なトークが、弾の補給無しで来る。どうしよう、変なスイッチ入っちゃった…。
チラリと見えた街頭の時計。それは、天の助け!
「ね、実宏!」
「何かね、名探偵くん。」
先程の時計を指差し、
「サイン会、始まるよ。」
「はっ!」
ポケットからスマホ出して時間を確認し、
「ごめん、サイン貰ったら電話するから…。」
「私、携帯もスマホも持ってないよ。」
「あちゃー。一緒に列ぶのは流石に気が引けるし…。」
キョロキョロ…。あっ、あれはぁぁぁぁぁ!
「じゃあ、私はあそこで時間潰してるから、ゆっくり行ってきて良いよ。」
指さしたのは、テックセッター○○○(マールズ)! そこは、話に出ていたゲーセン。
「か、かたじけない! お昼は奢るでござるよ。」
な、何故武士言葉?
「いいよ、いいよ。そんな事しなくても。それより、早く行かないと。」
「解ったでござる! では、行ってくるでござる!」
だから、何で武士言葉? 私の疑問に答えるものはいない。
実宏は相当嬉しかったのか、小走りで向った。その足取りは軽く、時々スキップが入っていた。
実宏の背中を見送った私はゲーセンに向かった。




