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転
ダッシュペダルを目一杯踏み込み、鈍重な機体を加速させる!
「逃がすかぁぁぁぁぁ!」
右腕のガトリング砲の吐き出す弾が、ばら撒かれ空中に弧を描く。
「そこぉぉぉぉぉ!」
両肩のミサイルが、煙の尾を引きながら向かって行く。
直後に、着弾し炎と煙を上げる。
「やった!?」
上がった煙を引っ張る様に飛び出して来る。
それに釣られる様に、左の上半身旋回を踏み込む。
『ALERT』の文字がモニターをいっぱいにする。
あれよあれよと言う間に、文字の後ろの風景が回転。
コックピットも回転。
私も回転。
私の体制がよく分からないけど苦しい!
「う~ん、う~ん。」
唸り声しか出せない程に苦しい! 息が出来ない!
はっ!?
目を開くと、目の前にあったのは…。
気持ちよさそうに寝ているアカ助の顔!
私の胸の上で寝ている。リアルに苦しかったのは、アカ助のせいかぁ!
「どいてね。」
胸の上から降ろし、時計に目をやる。少し早いけど起きてもいい時間だ。
最近は、『パンツァー・イェーガー』にどっぷりのハマっていると実感する。
部活でワクワクした日は、必ず夢に見る様になった。
アカ助に問いかけてみる…。
私は、あと何回パンツァー・イェーガーの夢を見るんだろう。
アカ助は、何も答えてくれない…。




