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帰路

 こちらの片付けが粗方あらかた終わる頃に、エロ部長さんを先頭にして向こうの部員さん達がやって来た。


「お疲れ様。」

 エロ部長さん。続いて、

「お疲れ様でした。」

と、あちらの部員さん達。


「お疲れ様です。」

 うちの部長さんが返す。

「お疲れ様でした。」

と、私達も続く。


「あんたのところの新入生の[転生者]やるね。」

 エロ部長さんに褒められた。

「いえいえ。そちらの『不思議ちゃん』も…。」

 ぶつかり合う目線の交差地点で線香花火ぐらいの小さな火花が散る。

「ほら、幸。挨拶。」

 背中を押され前に来る。

「日向さん。」

 部長さんに呼ばれた。

「はい。」

と、幸さんの前に出た。


 幸さんの口元が、もごもご動いた。

「ウサギさん…。」

と、聞き取れた。抱いているウサギのヌイグルミの事かな?

 続けて、

「じゃない……。」

「ん?」

 何の事? と、気が付いた、幸さんの目線がこっち見てない…。

 目線を追うと副部長さん見てた!


 そ、そうか、副部長さん着替えたからウサギじゃないんだ。

「ほら、健闘を讃え合って握手、握手。」

 エロ部長さんが幸さんの背なかを『ポン』と押す。


 幸さんは右手でヌイグルミの右手を持ち差し出した。

 これと握手かな? と思いつつ右手を差し出す。


「駄目でしょ。」

 エロ部長さんに言われ、ヌイグルミを持っていた手を離し、私と握手した。

「転生者の勇者、カッコいい。」

と、聞こえた。私は幸さんの目を見据みすえて、

「[転生者]は、置いといて。次は負けないから。」


 少し間をおいて、

「次も私の勝ちです。」

 小さいが、力のある声だった。


「これで二人はライバルね。」

 えっ、ライバル認定なのエロ部長さん。

「そうね。[ツンデレ]に続いて[不思議ちゃん]、順当な流れね。」

 やっぱり、そうなの部長さん…。

「うちも[転生者]に続くライバル見つけないとね。」

 やっぱり、同じ臭いのする人種だ…。


 握手している手を離すと、幸さんは直ぐにエロ部長さんの後ろへ隠れる。そして顔の右半分だけを出す最初と同じポーズからの、じーっと見てる。

 流石、不思議ちゃんだ。


「次は、予選だね。」

 エロ部長さんが幸さんの頭を撫でながら。

「そうね。お互いに戦うまで勝ち残ればね。」

 二人の部長さんの目線の火花が大きくなり、口元が緩む。


 でぇ、エロ部長さんがちらりと目線を下げた…。ま、まさか…、

「それまで、どれだけ成…。」

 言いかけたところへ、

「とうぅぅぅぅぅ!」

 赤色ジャージさんを先頭に青色ジャージさん、黄色ジャージさん。更に他の部員さんも続きエロ部長さんに飛びかかる! で、口を押さえた!

「もが、もが、もが。」

 苦しむエロ部長さん。


「はっ!」

として、うちの部長さんを見る!


 一瞬、黒い炎が燃え上がったが、直ぐに消えた。危なかった…。


「では、その時に…。」

 美しい黒髪をなびかせて部長さんはお辞儀した。

「もが、もが。」

 エロ部長さんは、まだ口を押さえられていた。


「帰りましょう。」

「はい。(✕6)」

 私達は、女子生徒の歓声のアーチを抜け体育館を出た。


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