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スカートめくり feat. ピンクのしましまパンツ  作者: 齊藤パンティ
決行 捲る収束と巡る終演
14/19

ピンクのしましまパンツ


「…あの構えは…っ!」


 柏久保は思わず声を出した。


「まさか、彼は…っ!」


 柏久保はその時、彼のその沈みように驚愕すると共に、その姿に記憶が呼び覚まされていた。柏久保は、今まで不捲(メクラズ)を通してきたが、ある時期だけ、それに反するある捲士に憧れを抱き、加えて少なからずの対抗心を抱いていたのだ。その捲士は神童とも修繕とも沈みとも呼ばれ、当時の捲道界を賑わせていた。彼はそんな捲士の技を実際に見たのはたった数回だけであったが、彼の実力と才能を感じるには十分すぎるほどだった。

 しかしそんな神童の噂もいつしかパタリと消え、その捲士の存在さえ怪しむ者も現れ始めていた。そして自分もその存在をいつのまにか忘れて、自分の捲道を極めていた。

 そんな忘れていた天才を、その彼の構えを見て思い出す。

 それと同時に彼に対してとっていた言動が酷く恥ずかしく思った。

 しかし、また彼の捲道が間近で見られることに、興奮にも似た感情も湧く。

 思わず、拳を固く握り、夕日に照るその沈みように見入る。



「…え、嘘だろっ…!?」


 加殿鮎見もまた驚愕の声を上げていた。


「…彼だというの?」


 三津流と加殿流はそれなりに親交のあった道場同士で、互いに生徒が出向いたり、出迎えたりと合同練習などをよくやっていた。加殿鮎見もまたよく三津の道場へと勉強しに行っていた。そしてその三津の道場で一番目を惹いたのは、自分と同い年にして大人と混じって練習をしているある捲士のその姿だった。同時にその捲士の捲道に見惚れていた。その捲士の沈みようはとても美しく、それでいて力強く、いつか自分もあのような捲道をやってみたいと、その姿を見てより練習に励んだ。彼女にとってその捲士は憧れで、目標で、励みだった。そしていつかまた会いたいと切に願っていた。



「なんて、沈み…」


 瓜生野は無意識にそれを口にしていた。


「…きれい…」


 その彼の「沈裏」は自分がやっていたそれとは全く別の技にさえ見えた。彼女が三津の道場に入ったのと入れ替わるように、その捲士は道場を辞めて行ってしまったため、彼を実際に見たことはなく、道場に残った噂しか聞いたことがなかった。その噂によると、彼はとてつもなく努力家であり、彼の繰り出す技は、美しいに尽きると聞かされていた。しかし彼の技はその噂と、それによって巡らせた想像よりも遥かに別次元だった。息を呑み、目を見開く。いつもの阿呆な言葉も忘れて、ただ立ち尽くす。


挿絵(By みてみん)



 ピンクのしましま。


 これが収束の結果だ。


 あらゆる可能性がこのピンクのしましまというたった一つの事実に終演、収斂した。

 目をこれでもかというほどに見開き、食いつくように見入る。

 ぷりっとしたお尻をピンクのしましまが柔らかく包み、同時に程よく密着する。

 その密着により、いつか見たお尻より成長したその丸み、弾力、美しさが強調されている。


 ああ、パンツだ。

 どうしようもなくパンツだ。ピンクだ。

 今まで見たどのパンツよりもパンツらしく、そしてどのパンツよりも魅力的だった。


 素晴らしい。

 最高だ。

 パンツだ。しましまだ。


 しかしそうやってそのピンクのしましまから何か崇高なものを享受している時だった。

 スカートが翻ったことで気が付いたのだろう。


 彼女が動き出す。

 同時にそのスカートも舞い降り始めた。

 しかし、このたった数秒では物足りなかった。


 足りるはずもなかった。

 もっと見ていたかった。


 この感情は抑えきれず、暴走する。


 「沈裏」を決めて頭上に置き去りとなっていた両手を一瞬で引き寄せ、拳を両腰に添える。そして息を吐くのと同時に拳を開きながら突き出した。


 むにゅっと。


「いっひゃん」


 同時に短く可愛らしい声が上がる。

 その声をもっと聴きたかった。

 だから俺は掌で包むその柔らかいお尻を何度か揉みしだく。


「んっ、ぃやっ、んひゃっん」


 彼女の声が一段と高く、そして蕩ける。

 さらにその揉む力を強くしようとした時だった。

 俺のその手を振り解く勢いで彼女が反転する。当然、落ち始めていたスカートが再び舞った。


 やあ、ご対面だね。

 こんにちは。


 お尻もいいが、やはり正面からも。


 いやーマジ最高だぜっ!


 触ってみようかと手を伸ばす。

 いやおこがましい。

 ならば嗅いでみようかと顔を近づける。

 いやそれとも顔を擦りつけようか。


 ぐふふ、ぐふっぐわははっはははっはははははっ!


 しかしそう楽しんでいると降りてきたスカートが隔たった。

 そして俺は非常にしょうがなく、心残りを添えて顔を上げる。


 そうやって俺の両目が次に捉えたのは、彼女のぐしゃぐしゃになった顔だった

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