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1話 転生って本当にあるんですね(性別を決められる、とは言っていない)

 僕の意識は覚醒した。

 だが、何も見えなかった。


 目はあるだろう。だが何も見えなかった。


 手はあるだろう。だが動いている感覚はするものの、上手く扱えなかった。


 足はあるだろう。だが思うように立てなかった。


 口はあるだろう。だがうめき声のようなものしか出なかった。


 耳はあるだろう。だが、風の音しか聞こえないのである。


 鼻はあるだろう。だが、変な匂いしか感じられない。

 その匂いは嗅いだことのない匂いではない。その匂いはたしか…最後に感じたのは…そうだ、体育祭の時にコケて腕から血が出た時だ。

 そうだ、この匂い……は……………血?


 は?どういうことだ?

 頼む、誰か情報をくれ。

 頼む、誰か視覚をくれ。

 頼む、誰か発声器官をくれ。

 頼む、誰か筋肉をくれ。

 この際、美愛でも誰でもいい。

 頼む…だれか……誰かァ!


 <周囲をスキャン…完了。

 スキャン結果、元生命体を感知。

 元生命体吸収…開始5秒前>


 はっ?どういうことだ?

 急に聞こえた声に驚く。

 中性的な……そう、例えるならS○r○の声だ。


 <開始3秒前>


 ちょい待て!お前は誰だ!


 <開始2秒前>


 カウントダウンが進むにつれ、段々と意識が失われる。


 <開始1秒前。


 吸収、開始>


 その声を聞くと、僕の意識は手放された。



 <吸収完了。結果、21の元生命体を吸収。

 人間適応率、現在22%。

 その他適応種、なし、0%。

 人間適応率10%超過を確認、ボーナスポイント100が入ります。

 人間適応率20%超過を確認、ボーナスポイント100、変化「体」解放。

 人間「体」解放に伴い、状態安定のため人間に変化します。

 性別選択…適応率が50%に届いてないため性別選択肢なし、不能。情報にある両性別から必要器官、必要部位を再現…完了。

 人間変化開始。性別選択、仮想性別「中性」作成…完了。性別「中性」で変化…完了。

 変化完了により、体本来の状態安定化を開始。

 魂と器を固定化を開始…失敗。

 原因は魂のノンレム睡眠による非覚醒によるものと推測。

 魂の一時的なレム睡眠を開始…成功。

 再度魂と器の固定化を開始…成功。

 器の安定確認開始。

 呼吸確認…完了。正常、良好。

 脳の活動を確認…方法なし、保りゅ───>


「えへへ…そんなに食べていいの?いっただっきまーす!」


 <───確認、完了。正常…良好。

 その他内蔵の活動確認…完了。正常、良好。


 変化終了>




☆☆☆




 目が覚めた。

 ちゃんと覚めた。

 目には光が映った。空が映った。

 腕は動かせた。ちゃんと石も持てた。

 足は動かせた。自分の力で歩けた。

 耳は聞こえた。というかさっきも普通に耳は良かった。

 鼻は感じれた。僕の鼻は狂っていなかった。


 そう、僕の周りは血が沢山あった。


 人が倒れていたであろう痕跡もある。が、人はいない。

 この可能性は二つ。


 1、機械質、中性的なあの声の通りだと、元生命体──元々生きていたものを吸収した。つまり僕が死体を吸収した。

 だが、この場合そもそも死んでいなければ吸収できないわけであり、誰が沢山の人を殺したのか、という話である。

 2、殺した人=この沢山の人を連れ去らった人。

 どのように?分からない。だがこれも可能性だということである。


 こんな状況下、こんな冷静に二つの可能性を出しただけでもすごいと思うが、これ以上の可能性は僕には考えられない。

 状況のせいか、それとも今の僕のこのじょう……た…………い?


 …ふむ、それよりももっと考えなければいけないことがあるな。

 というか冷静になり、色々と考えなければならないことがこの一瞬にして増えた。


 まずは自分自身の状態である。

 第1に、僕は今、裸である。ただしこれは報告だけで次に進もう。

 第2、言おう。僕は男…………ではなかった。

 なかった。…というのは、その、なんだ、感覚がないんだ、あの、性器の、感覚。


 チラッ、と胸を見る。

 あの、無いッス。

 男のやつがなければ女かと思った。

 あの、無いッス。

 もう一度言おう。

 あの、無いッス。


 ま、まあ、なくとも女のあれはどんな感覚なんだろう。と思い触る…あそこを。


 うん、なんだ。


 あれ、僕性別なくね?

 てかこれ…肛門しかないっすけど。

 いやまて?どうやって液体を排出しろと。


 …まあ、その時になればわかるか。

 んで、次の問題だ。


 なんだこのカプセルはァ。


 僕の目覚めた後ろには元カプセルがあった。

 といっても、ガラスで出来た縦の筒の様なものである。

 それも今は割れていて、その原型を留めていない。


 中にはなにか入っていたのだろう…まさか僕ではないだろう、と考える。いや、考えない考えない。考えたら霧がない。


 ヌチョッ。


 歩いていると、血ではなく何かを踏んだ音がした。

 それは紙であった。だが、僕の知っている紙とは少し、いやかなり違う紙である。

 僕の踏んだせいもあり、その紙のほとんどが血で滲んで書かれている文字が読めないでいる。

 そんな中、なんとか読める字を読んだ。


『…魔法の応よ……このじ…きけ……』


 なんとかそれだけだった。



 ってちょいまてぇ!

 なんだよ!魔法って!

 てかなんの文字だよこれ!初めて見る文字なのによく読めたなぁ!


 あれか!あれなのか!?中性的な機械質声に魔法にってラノベの異世界ってか!?


「異世界なら鑑定の一つでもくれよ!」


 <スキル:鑑定取得には150ポイント必要になります。

 現在所持ポイント200ポイント>


 おうあるのかよぉ!まじで異世界かよぉ!


「まあいい!取得だあああ!」


<スキル:《鑑定Lv.1》取得…完了。使用方法、対象の一部を観測中に鑑定と頭の中で唱える>


 よっしゃよくわからんが鑑定スキル取得!

 とりあえずどの作品でも万能チートといえば鑑定!

 早速鑑定じゃああああああ!

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