紅い糸
ボロボロの服からのぞく手
手の中にあったのは銀色に光る刃
刃から流れていく赤い滴
滴の下にある仰向けの女
女の腹からにじみ出る紅の液体
液体の先にあるのは誰かがうつった鏡
鏡にうつったのは……
あぁ、わかってたのに。知ってたのに。
それをその事実を確認するのが怖かった。
女を殺したのは、大切な彼女を殺したのは
まぎれもなくこの俺だ―――
鏡を割ってみてもナイフを折ってみても
自らの真っ赤な掌が全てを語っていた。
君を抱きしめたこの腕は今は醜い赤色にうめられている。
それは絵具などではなく、鉄の匂いがしていた。
大声で泣いた泣いた泣いた
けれど彼女の目は俺を見ていない
瞼は閉じられたまま開かれることはないだろう。
知っているからこそつらかった。
死ぬのは、本当は俺だったのに――――
以前ブログに載せたもの。
内容は自殺しようとしていた男を彼女が止めに行く
そして誤って彼女を刺殺してしまうような。