俺Tueeeハーレムが嫌いなので、ハーレムになった勇者から殺していきます。
「さあ、異世界に行き世界を救うのです……!」
……はい、これで100人目。
チートを与えて送り出すのはいい。
それが私の仕事だし。
でも――どうしてこう、全員同じことをするのかな。
魔王を倒す前に女を侍らせて、気づけばハーレム。
前の勇者なんて、魔王城の目前で宴会してたんだよ?
「ここ景色いいな」とか言いながら。
……魔王を倒せ、魔王を。
最終的には満足して、誰も戦いに行かない。
――そんな勇者、いらねぇだろ?
……ああ、なるほど。
「ハーレムを作った時点で、殺していこう」
◇
まずさっき送った勇者100号。
あいつには“何でも切れる聖剣”を与えたはず……
様子は……っと。
「勇者様素敵♡」むにっ
「勇者様かっこいいです♡」むにっ
”神罰・雷撃”
――あ。
やべ、殺しちゃった。
もうちょっと観察してから判断する予定だったのに……
まあいいか!どうせああいうタイプ、三日でハーレムだし!
……次。
◇
次の99号には、望んだ魔法を作れる魔導書を渡したなー。
女関係まっさら、誠実そうな人を選んだし……今回は大丈夫なはず!
様子は――
「勇者様♡お体洗ってあげますね♡」むにっ
「あーずるい、私が洗ってあげるの!」むにっ
……はい。
”神罰・毒”
――あ。
やべ、また殺しちゃった。
まあいいよね!あれも普通にハーレムだったし!
ていうか胸で体洗わせてるの何、どんな文化よ。気持ち悪。
次。
◇
「じゃあ僕は女の子を好きにできる能力が欲し――」
”神罰・桶”
――ゴンッ。
うん!論外!
……最後まで聞く必要もないわね、これ。
次!
◇
”神罰・トラック”――ドンッ。
はぁ……
これで99人目。
100号から始めて、もう99人だよ?
……ほぼ全滅じゃん。
つぎぃ。
◇
ついに1号か……
最初に送り出した勇者だし
どうせどこかの街で女囲って、いつも通りやってるんでしょ。
様子は――
……あれ?
幹部戦?
しかも魔王城前の、最前線?
他の勇者なら、覗いた瞬間に「キャー♡勇者様♡」って囲まれてるのに……
――え。
普通に戦ってる。
……えー、好きぃ♡
いやいや、気を抜いてる場合じゃない!
こういうやつに限って、どうせ適当に倒してドヤるだけでしょ――
……え?
倒したあと、仲間を労って……解散?
しかも、パーティーに男がいる?
……は?
いつもの勇者たちは、自分以外女で固めて、幹部倒したらそのまま宴会なのに……
しかも……経験値ダンジョンに入ってる?!
え、あんなとこ入ってもキャーキャー要素ほぼ無いのに?!
……こいつちゃんと、勇者してるわ。
……
……え、好き。
しょうがないわね。
ちょっとくらいサポートしてあげてもバレないでしょ。
――剣の刃こぼれ、修復しちゃお。
うわ、今度はお金足りなくて装備買えなくて落ち込んでる……
しょうがないなぁ。これは“進行補助”だから。
女神権限――ドロップ率、ほんのちょっとだけ上昇♡
……
……ちょっと盛りすぎたかも。でも、まあいっか!支援も仕事だしね!
◇
支援魔法あげても、進むの難しくなってきちゃってる……
……そりゃそうよね。
あの子にあげた能力、“超再生”だもん。
……
……いや、でも。
このままじゃ普通に死ぬわよね?
……
――よし。
ちょっとだけ。ほんのちょっとだけなら問題ないでしょ。
私も下界に降りて、お手伝いしちゃお。
……これも支援にカウントされるっしょ!
◇
私が加入した甲斐もありついに1号が魔王を倒した。
「やっぱり、私の目に狂いはなかったわ……。1号、あんたこそが真の――」
魔王が消滅し、平和が訪れた世界。
1号が口を開く。
「……みんな、よく頑張ったな。平和になったし、これからは……」
くるぞ!
「故郷に帰って、静かに暮らそう」とか言うんだよね!?
「……これからは、お前ら全員、俺の妻として、みんなで幸せになろう」
男女問わず抱きしめ、デレデレと鼻の下を伸ばしている。
その顔は、今まで殺してきた100号から2号までと、全く同じ「クズの顔」だった。
そして1号は、私を抱きしめる。
……あ。
……
”神罰・拳”
「異世界部署やめよ!」
完
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