可愛いだけじゃ愛せない
今日は安心安全?な黒楓です!(^^;)
乾いた鉢に水を上げる様に私はヨシくんを享受したけれど……それは突き詰めて考えるとカレの若さを欲したのだろう。
けれどカレの若さは私の身に余る。
注がれた若さは勢い余って私の鉢の土を零してしまった。
それは……カラダの事だけじゃなく、ココロの事についても。
所詮、ヨシくんと私は見える景色が違う。
優しいカレは私に寄り添ってくれるけど……
私の現実はカレにとってはまだ未来の事で……
カレがそれを実感する頃には……私は老境の足音を聞いている。
その時はきっと……私達はお互いの気持ちを隠し合っている。
今、こんなにも好き合っている二人だからこそ
残酷な未来は受け入れるべきではない。
ヨシくんの寝顔は世界一可愛い。
そしてヨシくんの真心は世界一尊い。
だから昨日サプライズで贈ってくれた
このエンゲージリングは
私の薬指から外して
ケースに戻すね。
いつも
あなたの前では年甲斐もなく甘えてしまう私だけど……
最後くらいちゃんとしなきゃね!
こうして私は
涙の一粒も零さずに
そっとベッドを抜け出して
そのまま服を着て
大き目のサングラスに
紅だけ引いた。
そして日曜の朝の
少しだけ澄んだ空気を感じながら
早足で駅へと向かった。
おしまい
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