少女の始まり
少女がいつ意思を持ったのかはわからない。
ただ覚えていることは皆が家を持っており、家は持ち主を護るということ。そして、過去に誰かの家の中で温もりを与えられていたということ。
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気づけば少女は藁造りの家の中で目を覚ました。
辺りを見渡せば少し不安定そうな木製の机と椅子、何も入っていない木製の2段入れられる本棚。
そして、自分が横になっていた藁の寝床。
少女は突然の意識に不安にならなりながらも立ち上がる。家は狭く屋根は低かったが少女が幼い為立ち上がるくらいのスペースはあった。
少女が立ち上がった時、突然頭の中に語りかけてきた声があった。
『おはよう、初めまして!!』
少女はビクッと肩を震わせるもその声が少ない記憶に残ってる”家”の声だとすぐわかった。
「えと、はじめまして…?」
“家”は彼女が何をすべきか全てを教えてくれた。
少女は1人だった中で少女を助けてくれる”家”にすぐ懐き、”家”の前では笑顔を見せるようになった。
それからは、”家”に教えられた通りに生きる為に森から木の実をとったり、川から水を汲んできたり、”家”とお喋りして充実して過ごしていた。
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それから約1年経った頃、”家”は少女に言った。
『君も6歳になったからそろそろ町に行って学校に通う必要があるんだよ』
「……」
『でも!!町にはたくさんの人がいて温かさで溢れてるんだ!』
少女がすぐ不安そうな顔になったのを見て”家”は急いで説明した。
「たくさんの人?…温かい?」
少女は記憶にある温もりを忘れられずにいたので
”家”の言う町と言うのと、自分以外の”人”から温もりを見つけられる期待をした。
しかし、それは過ぎた期待だったと気づくことになる…
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『みんな時が来たら家を離れる時間が長くなるから慣れておいで』
と”家”に背中を押されて少女は町に来た。
町には”家”が言っていた通り活気に溢れていてたくさんの人が誰かと仲良さそうに話していた。
少女は想像していた町の姿に心躍らせると同時に自身の孤独な現実を突きつけられた気がした。
この温もりを感じているであろう住民たちの中に疎外感を感じで町の前で立ち尽くすしかなかった。
「…どこにも温もりなんてないよ」
「なぁ、あんた初めて町に来たのか?」
少女が町の入り口から動かないでいると、とある少年が少女に話しかけてきた。
少年は少女と同じくらいの歳に見えて、少年の後ろにはさっきまで話していたと思われる別の少年達がこちらの様子を伺っているようだった。
少年はおそらく親切心で話しかけてくれたのは少女も理解していた。
「あと、えと…」
しかし、少女は人との関わり方がわからなかったので酷く動揺し、怯えて思ってる言葉を出すことができませんでした。
それを少年は自身が嫌われていると不快に思ったのか嘲笑いながら少女に言い放ちます。
「町に来たことがないなんて田舎もんだな!どうせ家も大したことがないんだろ!しょーもな!」
後ろの少年たちもそれに同調するように笑っていて少女には笑い声で頭がいっぱいになりました。
その笑い声を耳にしてこちらを伺う町の住民たち。
酷い悲しみと次に来た感情は酷い怒り。
自身の家族とも言える”家”を馬鹿にされ、少女はこの怒りを証明しなければならないと強く感じ、その方法を知らない少女は気づいた時には少年に道端の石で殴りかかろうとしていました。
周りの伺ってただけの住民が止めに来ていて、少年は恐怖で涙し逃げ出して、世界が無音に聞こえて、ただ”家”からの教えである
’人を傷つけてはいけない’
それだけが反響して少女は石を振りかぶったまま怒りと怒りを抑えようとする冷静さに呑まれて気づいた時には自分の”家”の前に立っていました。
夕暮れ時のオレンジ色の光の中で家の前に少女はただ立ち尽くして町での出来事を思い出し、誰かに悲しみを主張するように涙したのです。
これが少女の”初めて悲しみと怒りを訴えた日”でした。




