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第8話 サキサキ?

あ〜、久しぶりにお天道様を見た気がするな?

気のせいだけど。


何処からどう見てもヤの付く職業にしか見えないオッサンに、迎えが来たら帰っていいぞと言われたんだけど。

厄介払いかな?

他の理由でも、あるのかな?


某警察署の裏玄関。

遠くから救急車のサイレン音。

消防ではなく、県外の総合病院に配備されてる車両。


後からついてきた黒塗り車の助手席から降りてきた黒スーツの小柄な女性が駆け寄ってきて抱きつかれて、


「陽向!無事だったか?」


「ああ、俺はな。陽菜がどうなったか知ってますか?」


「あ〜、知らないのか?」


「そんなに酷いんですか?戻って暴れてきてもいいですか!」


後ろに止まった救急車を指差しながら、


「暴れるのは私がやるから、陽菜と一緒にこれに乗って行け。」


「佐木姉さん、その、陽菜は?」


「今、連れてくる。待ってろ。」


黒塗り車に戻り、トランクからボストンバッグを取り出して署内へ入っていく佐木姉さん。

まさか、陽菜は着替えもさせてもらえずに『閉じ込められて』いたのか?


しばらく待つと、白ワンピースに着替えた陽菜が佐木姉さんと並んで出てきて、俺に駆け寄り、


「陽向、会いたかったよ!ありがとうね?」


「ああ、俺も会いたかったぞ。怪我はどうだ?」


「ん、取調べ中に殴られた所がチョット痛いかな?」


「………………………………録音か録画、出来たか?」


「ん、バッチリ、これっ!」


伊達メガネタイプのウェブカメラか。

俺もソッチにすれば良かったな?


「同時配信したから、殴られた直後の接続数は炎上レベルだったよ。今月の収益が、楽しみだわね!」


返してもらえたのだろうか、スマホ片手に笑顔で画面を見せてきた。

俺の配信よりも、『効果』があったかもな?


「後でゆっくりと見せてもらうからな。佐木姉さん、後はお願いしますね!」


「ああ、任せろ。徹底的にやるぞ。『前回』逃した奴らも追い込めそうだからな。搬送先の病院に裕君が向かってるから、詳しく説明して『元データ』渡してくれ。」


「……………………なんで、県外の病院の救急車なんですか?」


「管内の病院に搬送すると、暗殺されかねないからな?用心の為さ。」


冗談に、なってないんですけど?


悪い笑顔で、去っていく佐木姉さん。結婚して『佐木早紀』に変わった時に、改名しようとして旦那さんの『裕君』に全力で止められてから、佐木姉さんと呼ばないと怒るんだよな。本人以外には、どうでもいいことなんだろうけどな?

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