第7話 突入
ん、やっと来たか?
何となく外が騒がしくなって、室内にいる全員がインカムに集中した直後。
擬音で例えるなら、『ドッカーン』とでも言うのだろうか?
入口ドアを壊す勢いで入ってくる『集団』。
「全員そこを動くな!」
制服警官だけでなく、いかにもと言う感じのスーツな一団が警告しながら突入してきた。
「誰の指示で動いている!」
威圧しながら、問いかける一番偉そうな、どこからどう見てもヤの付く職業の人。
「誰だお前は!署長の指示で尋問中だ。引っ込んでろ!」
「その声は……………………お前は喋るな!以後一言でも喋ったら叩き出すぞ!」
「ふざけるな!本部長のお孫さんと署長のご子息の強姦致傷の容疑を晴らす…」
叫んだ俺を尋問していたオッサンは、スタンガンの様なもので制圧されてた。
あ〜、面白くなってきたぞ〜?
多分だけど、コイツは音声配信聞いて来たな。
「君が配信していたのか?」
「さあ?何のことですかね。突然拉致されて拷問受けてたのでわかりませ〜ん?」
「……………………拷問、だと!」
「ええ、コレに全部記録してありますよ〜?」
胸ポケットに差したサングラスタイプのボイスレコーダーを『ヤのつ付く職業みたいな人』に差し出して再生を。
『やっと喋ったと思えばナマイキ言うんじゃないぞ!証拠さえ残さなければ良いんだよ。たとえお前がこの場で死んだとしても、すぐに揉み消せるんだからな。お前なんか簡単に有罪に持っていけるんだからなっ?』
「……………………………………………」
「……………………………………………」
「……………………………………………」
さあ、これから、どうしようかな~?
みんな、黙ってないでなんとか言って欲しいなぁ?
「ところで、コレって、『任意の事情聴取』?それとも『令状取った正規の尋問』?どっちですかねぇ〜?」