年齢と性格
先日紹介した、哀れなる数学教師のことを覚えているだろうか。
文化祭が明け、久しぶりに対面した彼の毛髪は明らかに勢いを失っていた。……つまり、髪が薄くなっていたのである。
ごめんなさい、苦労をかけます。
さて本日、担任の先生が誕生日を迎えた。簡素なものだが、「HAPPY BIRTHDAY」と黒板に書いて、お誕生日の歌(正式名称は知らない。はっぴばーすでえー、つーゆー。のやつです)を歌った。
クールを装って、けっこう照れ屋な人だけど、今回は割と素直に喜んでくれた。
「そういえば、先生は何歳なんですか?」
誰かが訊いた。私たちと干支がちょうどふたまわり違うらしい。
「教員室で同年代の先生たちを見ているとね、なんとなくカラーがあるんです。同じような雰囲気というんでしょうか。少し上だったり、下だったりすると性格が変わってくる」
あなたは教員室で一体何をしているんでしょうか? なんてね。
「君たちの学年も同じでね、何年生かによって大分『色』というものが違う。それが面白いことに、だいたい3年周期で元に戻るんです」
それには心当たりがある。
3つ上の世代とわれわれが似ているというのだ。周りからも、ああそうかという声が漏れた。
どうやらみんな思い当たる節があるらしい。
ところで、さっき説明した数学の先生とわれわれの担任は同い年なのだ!
担任のほうはまだまだ若々しくて、小さなお子さんもいる。この差はどこからやってくるのだろうか。きっと数学という科目は苦労が多いのだと、私は推測している。……勉強にも気をつけなければ。
人によって個性が違うのは当然のことだけど、おおまかな性格の偏りがあるというのは面白い。
トレンドもそういう差異から生まれてくるのだろうし、企業でも研究していることだろう。一度見てみたい。
彼の担当は地理なのだが、その中で台風の話題になった。
サイクロン、タイフーン、ハリケーン。
今の私がピンと来るのは最初のひとつだけなのだが、何の事だかわかるだろうか?
仮面ライダーのベルト。
くるくるまわって、変身! ということらしい。昭和のライダーたち。
「一年ごとに新しい番組に変わるというのも、メーカーのうまいところでね。毎年新しいおもちゃが欲しくなるように工夫する。うちではそんな物の存在を教えないようにしていますけど」
いやいや、ぜひともお子さんには見せるべきですよ。
人生の糧になりますから。
子供の性格も、年によって変化することだろう。
そこをうまく見極め、番組を作っていく。それも大切だ。
しかし私はそれ以上に、大きな力の存在を感じるのだ。運命に動かされているというか。
同じ意志をもつものが集まれば、巨大なちからとなる。それはどこかの意思によるものではないだろうか。
それからもうひとつ。
自分という存在が何者なのか。その真実をつかむための手がかりとなる。
周りを見ることによって、その中に見え隠れする自分を捕まえることができる。そのためのヒントを、神様がくれたんじゃなかろうか。
私には、そう思えてならないのだ。
神様がそういう風に存在していると考えたら、少しだけ幸せになりますね。