ガールズ・ハアト
女心はよくわからない――それは大部分の男性にとって永遠の試練であり、謎であることだろう。
そんな宇宙のように深遠な感情の一端を垣間見ることができるのが、ガールズトークである。
「ねえ、男の子って女の子に何をされたら嬉しい?」
別にフラグとかではありません。ほんの興味程度で数人の女の子が尋ねてきました。
周りにいたのは私とほかの男子数名。
草食男子で有名な一人は、顔を赤面させて話を濁すばかりでこたえようとしません。いったい何を考えたのでしょうか。
「ねえねえ、しんどうは?」
「そうだなあ……」
と私が思案していますと、他の男子が
「逆に、女子はどんなことされたいの?」
と訊きました。ふむ、うまい切り返しだな。
えー? とかなんとか言いながら、一人が声を上げます。
「お菓子が欲しい!」
この子――Eちゃんとしましょう――はいつも糖分が足りないと叫んでいるような人ですから、なんかお菓子を食べることを人生の目的の半分くらいにしているのではないかと思っています。
ま、そうはいっても太っているというわけではなく。
スタイルもよくて、かわいい子なんですけどね。ちなみに隣の席です。授業中はもっぱら彼女としゃべっています。
「手作り?」
「そのほうがいいよね!」
一人が答えます。しかし、他の女子は
「えー!? ドン引きでしょ!」
と笑っていました。なるほど、これは参考になりますな。
「俺はバレンタインデーのチョコを希望します」
お調子者が言いました。実は彼、ものすごく水泳が速いんです。全国レベルです。
「やだー」
「だったら年賀状ちょうだーい」
私が参加して、それからなんやかやとなりまして。どうやら年賀状はもらえることになりました。
うれしい限りです。
「おれは……そうだな。会った時とかに手を振ってくれると嬉しいかな」
という結論に私は達しました。その瞬間、二人ほどが手を振ってくれます。
ノリのいい人たちです。面白いです。
それからもうひとつだけ。
「女の子はね、99の優しさを見せられても1の冷たさを見ると冷めちゃうんだよ。けどね、99が冷たくても1の優しさがあったら惹かれちゃうものなの」
とのことです。Eちゃん、わかりました。
私はハードボイルドな探偵を目指します。仮面ライダーになります。
以上、最近本気で仮面ライダーになりたいと思っている私でした。
とはいっても、女の子よくわかんないですけどね。