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涙を流す

私は素直に感情を表現できる人がうらやましい。

面白くもないのに笑ったり、悲しがって見せるのは嫌いだけど、うれしい時は喜んで感動した時は涙を流せる。そんな人がうらやましいのだ。


具体的に言うと、私は涙が流せない。

かなり意識的に泣こうと思って、それでいて感動するような話を聞いてようやく一粒のしずくが頬を伝うくらい。目がウルッとなることはあるけど、涙があふれてくるほどではない。

欠伸をしたときのほうがよほど量が多い。


生きていれば、泣きたくなるようなことだってたくさんある。

むやみに泣いてばかりいるのもいいとは思わないけど、せめて自分が泣きたいと思ったときくらいは、気がいくまで泣かせてくれればいいのに。どんなに悲しくても、自分の心の中に抑え込んで、蓋をして、それでときどきそっと覗きこんではため息をつくなんて。

涙の粒と一緒に思いが流れていくはずはないけど、自分がどう感じていたのかくらいはわかるはず。

どうしてこんな風になってしまったのだろうか。

泣けない、ということがこんなにもつらいだなんて思ってもみなかった。


……なんて書いているけど、別につらいことを経験したわけでない。テストは確かにきついけど、私の今は希望に満ちているはずだ。

過去には泣きたくて、それでも泣けなくて自分に嫌気がさしたこともあった。

自分は本当に悲しいのだろうか、偽善者なのではないだろうか? と悩んだこともある。

まあ、それは昔の話で。

感動する話、というのを検索すればいくらでも湧いて出てくる。

世界にはこんなにも良作が転がっているものかとも思ったけど、そんなことはないみたいだ。半分くらいはフィクションか、それとも作者の技量がなさ過ぎるかで、色あせてしまっている。

つまんないもんだ。


感動、というものにはどこかしら悲しみが含まれている。

たとえば病気の彼女が「ありがとう」と言って死んでしまうとか、そういうことが多い。


そんな私に比べて女の子はよく泣く。

私が泣かしているわけでは決してないが、目を真っ赤にしているシーンなどは学校でもたまに見かける。声をかけるわけにもいかず、「どうしたんだろうな」と思いながら横を静かに通り過ぎることクラしかできないのだが、目の前でそれをされたりすると非常に困る。


その女の子は私のクラブメイトのことが好きで、なんちゃって恋愛相談みたいなものを私がしていた。とはいっても経験値0な私だから効果的なアドバイスなんてできるはずもなくて、ただ頷いて、「頑張って」とくらいしか言葉をかけてあげられなかったのだ。

想われているほうはというと、全然脈なしで。

つらい気持ちはよくわかるんだけど、ついに彼女は泣いてしまった。

しかもHR中に。

担任にばれなかったのは幸いだったが、私はどうしたらいいのかわからなかった。

他人の力になるといっても、難しいものだ。

誰かを守るなんて、できそうにもない。やってはみたいけど。


こんな、ちょっと前の話。

テスト中は話題が少なくて困る。

やっと半分終了。


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