自習
テストか近づいてくると、自習の時間も多くなる。試験の前日に範囲を終わらせて「はい、明日から頑張ってね」という鬼畜な教師はほとんどいないだろう。(過去に一人いたが)
家で勉強するときよりも効率は良い。わからないところがあれば優秀な友人たちに教えてもらうことができるし、ひょっとすると教える立場になるかもしれない。他人に教えるためには意外と理解が深くなければいけないから、自分の学習にもなる。
……集中できればいいのだけれど、ついつい遊んでしまうことがある。
もともとが勉強嫌いだから精神力が弱いとさぼってしまう。後で泣きを見るのは自分だとわかっていても、どうしても目の前のニンジンに飛びついてしまうのだ。私は馬か? 馬鹿だけれど。
学習しては忘れる。人生も勉強もその繰り返しだ。
さあどうする? という問題が浮かび上がってくる。
隣のEちゃんはどういうわけか12時に就寝したらしい。彼女はいつも10に寝るから、とんでもない夜更かしだ。そのかわり自習の時間はずっと寝ていたけれど。
ほかの女の子は2時寝が続いているという。どうして生きていられるのか、私には不思議でならない。私もEちゃんと同じように10時には寝る人だから(その割に身長が伸びないのだけど)、11時までプロフェッショナルを見ていると翌日はつらい。
一度だけ徹夜をしたことがあるが、その時は冗談抜きで死ぬかと思った。気がつくと瞼が落ちて深い眠りに誘おうとする。雪山はあんな感じなのだろう。
そういや私は見た目よりも背が低く見えるらしい。
「最近身長伸びないんだよね」
「え? いくつ?」
「1XX(恥ずかしいんで伏せさせてもらいます)だけど」
「へえーそんなにあったんだ」
という会話をした。
どうでもいいことだけど。
どうしてだろうか。
授業を受けている時よりも自習をしている時間のほうが、ずっと勉強しているように感じる。というより、授業中は勉強しているという自覚がない。もはや生活の一部に溶け込んでいるから、息を吸うのと同じように、特に意識せず緩慢と過ごしている。
それとは違って、普段は問題集を開こうとも思わないから、自習で勉強していると錯覚するのだ。
いいのか悪いのかわからないんだけど、少なくとも自己満足では終わっていないはずだ。
答案が返ってくるたびにこれからは毎日勉強しようと決意するのだけど、成功したためしがない。
毎日ちょっとだけでもいいから、自習の時間を設けたら、もうちょっと成績が上がると思う。それは自宅でやれ、って言われればそれまでなのだけれど。
少しは頭の格差も埋まるんではなかろうか?
私は毎日勉強するのなんてお断りだけど。
やだな……テスト。
早く終わってほしい。まだ始まってもいないけど。