みんなそれぞれ
みんな違って、みんないい。
そんな詩を読んだことがある。
私はそれに同意する。
外面と内面は関係していることが多い。猿っぽい顔をしているなと思ったら、たいていは頭がよろしくないし、どうみてもヤンキーだったら素行がよろしくない。
あくまでそういうことが多いという目安なので、違うという意見も勿論あるだろう。間違ってはいない。私の主観のみで構成された経験則なのだから。
ギャップ萌え、という言葉がある。
外面と内面が違うからこその魅力、とでも説明しようか。どう見ても優等生で何でもできるのに、実はすごい音痴だったり、ヤクザさんが子犬を飼っていたり。そういうことがあるだろう。
……いや、端的な例だから私のセンスがないのが露呈してしまうけど。
すべてが外見のみで判断されてしまったらつまらない。
能天気そうな奴が緊張していたりすると、からかえない。試合の前だったり発表会の前だったり。
落ち着きがなかったり顔が青ざめていたり。
意外だなあ、と思うことが多々ある。
お隣さんのEちゃん、今日は歌の発表があるとのこと。
アカペラをみんなの前で披露するのです。しかしまだ歌詞を覚えていないとのこと。頑張って掌にカンニング歌詞を書き込んでいました。
緊張なんて無関係そうな明るい子なのですけど、その日ばかりはずっと貧乏ゆすりをしていてしきりに人の字を飲み込んでいます。
「どうしよう……緊張する……」
「Eちゃんでも緊張することがあるんだね」と私が言うと、
「ギャップ萌えした?」
「いや別に」
ちょこっと悲しそうな顔をして見せます。
気軽に「愛してる」とか言える人なので、彼女の言動はあてになりません。
愛してるゲームというものをやってみました。
真顔で向かい合って「愛してる」と言い合うのです。男同士でやっても気持ち悪いだけなので、Eちゃんとやってみますけど、かなり難しいです。
どうにも心を割りきれなくて、照れくさくなってしまいます。
で、吹き出す!
困ったもんだ。
「♪愛してるの響きだけで強くなれる気がしたよ♪」という歌がありますが、それを思い出しました。
確かに強くなれそうです(笑)
本当にいいもんですよ。
悪口だらけのいやらしい世界で、温かい言葉は効果を発揮します。
誰かをさげずんでいるよりも、だれかを思いましょう。
たとえそれが張りぼての言葉だったとしても、きっと何かが心の奥で変わるはずです。
「おはよう」
たとえばそんな、他愛のない挨拶だけでも。
ま、ノリのいい女の子を探してやってみてくださいな。
ただし、男の子は純情ですので気軽に声をかけないように。