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教師と生徒

私は陸上競技以外のスポーツが嫌いではない。

マラソンや駅伝だけは何が楽しいか理解できないのだが、サッカーをはじめとする球技全般やその他の競技は楽しいと思う。

スポーツという堅苦しい雰囲気で囲わずに、体を動かして遊ぶと表現することも大事だ。どうにもスポーツという言葉には、頂点を目指さなければいけないような響きがあるような気がする。やはり原点は、楽しむこと。それがなければつまらない。


今は体育で柔道とソフトボールをやっている。

柔道は準備運動として前転や後転をさせられるので、あんまり好きではないのだけど(私は三半規管が弱いので、すぐに酔ってしまうのだ)、試合は面白いと思う。

まだ受け身をとれないから、膝立ちのまま寝技を掛け合うのだ。ちなみに私の得意技は袈裟固め。レパートリーは3つくらい。


今日、朝方は雨が降っていた。けれど私たちは校庭に出て、水溜りの残るバッドコンディションの中でソフトボールの試験をおこなった。ピッチングの際に踏み込む足はぬかるみに沈んでいくし、バウンドしたボールは水に濡れてよく滑る。

なぜこのような半ば無謀ともいえる行動に出たのかというと、もちろん先生が指示したからだ。

いやそんなこと聞いていない、と言わずにちょっと怒りを鎮めてほしい。

私たちだってびっくりしていたのだ。体育館でバスケをやるものだとばかり思っていたから。

彼のいうところには、「来週は試合をやるから」とのこと。

私は大賛成なのだが、周りの反応は芳しくない。

小学校の頃は試合だというと大騒ぎして喜んだものだが、最近はそうもいかないのだ。やる気を出すまでに時間がかかるというか、乗り気でないというか。積極的に楽しもうという雰囲気が減ってきている。

だるい、が一番似合うだろうか。


先生と生徒の意識の違い。

それはあって当然だ。むしろなくては困る。

私たちと同じ視点で立つことも大事だけど、もっと大人な目線で指導してもらわなければ。


技術も上がってより本格的 (もどき) になってきたのだから、もちろんより面白いものになるはずだ。プレイヤーの意識までは成長しないようだけど。


部活には熱心なくせに、授業だけやる気を出さないとはどういうことだろうか。

高校生にもなって無邪気に試合に打ち込むのは照れ臭いかもしれない。

寝不足でだるいのかもしれない。気になるあの子のことで頭がいっぱいなのかもしれない。

けどさ。

つまんないじゃん、みんながやろうと思わないと。


文句ばかりを言うのは好きじゃない。

せいぜい来週を楽しみにしよう。雨が降らないように、テルテル坊主をつりさげた。

どうしてなんでしょうね?

私が子供なのでしょうか?

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