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強くてニューゲーム(仮)  作者: しゅがぞう
第二章 聖槍・勇者・加護・王編
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第81話 討伐...失敗?

第80話と第81話の同時公開です。

一瞬だけ、互いに相手の出方を伺うような体勢となるが、空に逃げられても厄介なので、手を緩めることはできない。


俺は左手の指を数本弾き、魔法で攻撃する。


氷結爆弾:(アイス・ボム)の連発だ。この魔法は俺のお気に入りであるのだが、それは魔法の美しさ故である。対象に命中するまでに、氷の結晶が糸状に煌めくので、非常に綺麗だと思う。指で弾かれた瞬間、出来上がった小さな塊の氷は少し尖った形状をしていて、対象目掛けて跳んでいく。


小さな氷の塊の先端が、対象に命中した際に爆発するのだが、今回は超大型の魔物だ。このままでは、少し前にこの魔法を使ったゴブリン戦のようには上手く致命傷となることはないだろう。もしかすると防刃効果のある羽に阻まれ、体表で爆発するだけなのかもしれない。どう考えても魔法の威力は足りないのだ。


しかしこれを補うマジックリングがある。


マジックリング

★5 貫通:(ペネトレイト)


氷結爆弾:(アイス・ボム)を弾いたのと同じ、左手に装備したマジックリングが効果を発動する。★5 貫通:(ペネトレイト)の貫通力は絶大だ。具現化された魔法が小さく、鋭いほどに貫通力が増すようなのだ。


もちろん他の魔法、例えば雷光矢:(スパーキング・アロー)や火炎の槍:(ヒート・ジャベリン)でも相性はいいのだが、この二種の魔法は掌から具現化、射出されるタイプなので、連発には向かないのだ。


俺の場合、スキルに連続魔法と並列魔法展開があるだけに、左程、この二種の魔法が連発できないこともないのだが、氷結爆弾:(アイス・ボム)と比べると、魔力が具現化され、形成されて射出されるのに時間がかかる。多分、普通ならそんなに気にはならないのだろうが、★5 貫通:(ペネトレイト)の特性を考えると、氷結爆弾:(アイス・ボム)を選択したくなる。


前述した通り、氷結爆弾:(アイス・ボム)の方が具現化された魔力が小さいため、貫通力が増すからだ。


しかしこの★5 貫通:(ペネトレイト)は絶大な効果とは裏腹に、扱いは難しい。なんでもかんでも貫通力を付与できるわけではないということだ。


例えば防壁系、拘束系、そして具現化された魔力が大きいもの...試していないが、水戦艦の蹂躙:(ポセイドン・オーバーラン)などだろうか。もとより貫通性能を有しない魔法や、剣による攻撃には効果がない。


しかし、水斬撃:(アクア・スラッシュ)には効果が乗るのだ。これはその「力」が細分化されているという証拠にもなる。


剣の攻撃に効果が乗らず、斬撃に効果が乗るということは、剣での攻撃は「斬る」とも書くが、恐らく「切断力」という介錯ということだ。切断力に貫通は乗らない。だから一見似た攻撃である「斬撃」には貫通力を付与できるが、剣の攻撃には効果が乗らないのだ。


... 氷結爆弾:(アイス・ボム)は★5 貫通:(ペネトレイト)の効果で、貫通しながら爆発をする。貫通してから爆発ではなく、着弾し、貫通した拍子に爆発するのだから、威力は絶大である。


先制攻撃の際に仕掛けた魔法もあるが、ロックに飛び立たれないように、羽を標的にして氷結爆弾:(アイス・ボム)での攻撃を続ける。


ギョアアアア!


ロックもこの魔法を嫌がっているようだ。


そこに続けて魔法を打ち込む。


合成魔法

水鳥の雷撃改:(スプラッシュ・ボルテクス)!


ロックほどの大きさではないものの、俺の魔力で具現化された、両翼を広げた美しい鳥の姿の魔法が、ロックを襲う。感電効果もあるので、ロックに接触した瞬間に電撃もほとばしる。


ズガッ!バリバリバリィ...!


体表だけでなく、傷ついた羽と首元の傷からロックの体内を電撃が襲う。絶対にダメージは通ったはず。手応えもあった。普通ならこいつで沈むはず...。


そう思ったのだが...俺の思惑が外れる。


SS級というのは伊達ではない...。そうも感じた。


まだ完全に水鳥の雷撃改:(スプラッシュ・ボルテクス)の感電力は切れていない。そしてダメージがみてとれる状態のロックだが、今度は羽を先ほどよりも更に、大きく広げたのである。


ギョエェェェ!!!


咆哮と共に、身体に残った電撃を、霧散させるかのように広がる羽。


(あれ...ちょっとやばい?)


俺がそう思ったのも不思議ではない。氷結爆弾:(アイス・ボム)で損傷したはずの羽が、更に縦に大きく広がったのだ。羽の二重構造という感じだろうか。


よくよく考えれば、これだけの巨体が空を飛ぶのだから、物理的に考えればそうなのかもしれない。つまり、身体は羽でよく見えないが、質量は実は少ないので「飛ぶ」ことができるパターンと、その巨体をも浮かせることができる程の、羽から生み出されるエネルギー...羽が持つ筋力と風を受ける面積を併せ持つ「浮力」を持つということなのだろうか。


羽が縦に広がった時に、先ほどの仮説が後者であることを予感させた。


(あ...やば...飛び立つかも...)

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