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強くてニューゲーム(仮)  作者: しゅがぞう
第二章 聖槍・勇者・加護・王編
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第58話 領主:サブレス・ウォーレン・ルミナーゼ

ベルステーロへ到着した翌日。ラクレットのギルドに出入りしている新人冒険者の、ルミナとヨウランから報告があった。


ギルド経由の連絡で、ルメリオさんから俺宛への連絡だ。


領主様へチェスを持ち込んだところ、製作者のひとりとして、領主様が面会を希望しているとの内容だった。


醤油のためにマイオスを目指そうかとも考えていたのだが、領主様の申し出を無下にもできないので、まずはルメリオさんのところに向かう。


「あぁ!カノン殿!お待ちしてましたよ!」


「ルメリオさん!ギルド経由で軽く内容は聞いてます」

「領主様...ですか?」


「そうなんですよ!先日完成した献上品をお渡しにあがりまして、もうね、その場でえらい盛り上がりまして!」


「それは良かった!」


「そうしましたら、間違いなく王も喜ぶだろうとおっしゃってくださったので、王への献上の前に、製作者で立案者のカノン殿にお会いしたいと!」


「まぁそうなりますよね...」


「カノン殿と連絡が取れたら、そのまま来てもらって構わないとのことだったので、今日これから向かいましょう!」


「ルメリオさん...やっぱり会わなきゃ駄目ですよね?」


「えぇ!絶対断れません!」


「...わかりました。」


こうしてルメリオさんと領主様の自宅へ向かい、ご挨拶をすることになる。


...


「初めまして、私カノン タイガと申します。この度は大変光栄にございます」


「おぉ。貴殿がカノン殿か、ワシはこの地域の領主で、サブレス・ウォーレン・ルミナーゼという」

「こちらこそ大変感謝している。固くなる必要もあるまいて、まずは掛けられよ」


「えぇ。失礼いたします」


「早速だが...これは素晴らしい品であるな...。ルメリオ殿から説明を受けた時、背中に衝撃が走ったわ!ワハハ」


「気に入って下されば大変嬉しく思います」


「まぁそう固くなるな。しかし本当に見事な品だ...。ワシもついつい見惚れてしまう出来だな」

「ルメリオ殿に聞けば、これの立案から制作、デザインなど、ほぼ全てをカノン殿が行ったと聞いておるぞ?」


「いいぇサブレス様、それはルメリオ殿の言い過ぎというものですよ」


「フフフ、まぁよい。特にこの駒の手触り、重み、そして重心への拘りは本当に素晴らしい」

「ワシも年甲斐もなく、ルメリオ殿とこれを興じながら興奮してしまったわ!ワハハ」


ルメリオさんが言う

「サブレス様、王様もお喜びになられるでしょうか?」


「あぁ。ルメリオ殿、安心召されよ。これ程の品はそうは無い。余程のことがない限り、お目に叶うであろうなぁ」

「ワシも王への献上品として鼻が高い。そして話の種としてはこれ以上ないほどにな」


「お話の種、でございますか」


「あぁ、カノン殿。そうだな、最近では王宮も、周辺諸国への警戒が高まっている状況でな?まぁ何かがすぐにどうこうという話ではないのだが、あまり芳しくない話も多いのだ。」


「王も民を気にかけておるでな?相応の心労はあろうて...。こういった献上品であれば、さぞお喜びになられるだろう。ワシも暗い話は相談しにくい。これであれば王と「良い話」で盛り上がることができるでな」


「なるほどでございますね...。いやしかし私は、この領内に身を置く者として、領主様がお気に召していただいたことに至上の喜びを感じます」


「フフフ、カノン殿は上手いな...。どこぞの貴族家でもそのように上手く喋れまいて?」


「いえいえ、本心にございますよ?」


「ワハハハハハッ!」「いや、本当に素晴らしい!」

「...そうだ、カノン殿は冒険者でもあるとか?なんでも稀少なエルフと行動を共にしていると聞いたのだが?」


この言葉に一瞬ドキッとしたが、表情を伺う限り、変な感じではない。


「えぇ。ご存知でいらっしゃったのですね。」


「うむうむ。変な意味ではないぞ。素晴らしい腕前で大変な活躍をしていると聞いておる」

「連れのエルフも素晴らしい魔法の腕前だとか。...カノン殿のクラスは?」


「ゴールドにございます」


「ふむ。冒険者というと剣の腕ばかりの無骨な者が多いが、カノン殿はそうではなさそうだな...。」

「エルフと行動を共にするということは、何や事情があるやもしれぬが、この国も王もワシも、北部のような特別な目を使うことはないでな。何かあれば相談に乗ろう」


「有難きお言葉にございます」


「いやしかし本当に見事な受け答えをされる。どちらかで勉強でもされたのであろうか?」


「いえ、最近知り合いました騎士殿の振る舞いを参考にさせていただいております」


「ほほぅ。それはどこの騎士であろうか?」


おっと余計だったかな?と思ったが、喋っても問題はないだろう。


「えぇ。ご本人は騎士団の副団長とおっしゃられておりました」


「おぉ!!なんと!!アイオロス殿か!!」


「ご存知でいらっしゃいましたか」


「カノン殿。それは勿論だ。アイオロス殿は王直轄の部隊に属するゆえ、当然にワシとも面識がある」

「ワハハ、これは凄い。優秀な人材は繋がるものだな...。ちなみにアイオロス殿とはどちらで?」


「ほんの少し前に冒険者ギルドへの依頼で」


「ほぅ。これは珍しい。そのような事もあるのだな。わかった、ワシもアイオロス殿と会うことがあれば、この旨伝えよう」

「まぁしかし、それを言わずともアイオロス殿とまみえる可能性は高そうだがな?」


「サブレス様?それは?」


「いやぁ。それはこれだろう。チェスだろうな。お持ちし献上すれば、王への謁見となるであろうな」

「褒美もあるかもしれん。ルメリオ殿もカノン殿も準備はしておくのだぞ?」


...こうして無事に領主様との面会を済ませることができた。立ち振る舞いや言葉使いは前世の知識だけど、そうは言えん。

アイオロスさんのお陰ってことにしちゃったけど、多分そこそこうまく喋れたんじゃないか?問題ないだろう。

しかし領主様のお名前は長いな...とても覚えきれそうもないわ。

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