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強くてニューゲーム(仮)  作者: しゅがぞう
第二章 聖槍・勇者・加護・王編
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第51話 素性判明

さて残りは雑魚の殲滅だ。ゴブリンキングが倒れたことで調査団の士気が

あがったのだろうか、その後の掃討は俺が何をしないでも進んでいった。

まだゴブリンジェネラルは数体いたと思うのだが、キングがいなくなった

影響が大きいのだろう、ゴブリンの隊は乱れ、先ほどまでと同じ魔物とは

思えない手ごたえのようだ。


最後と見られる一体のゴブリンを調査団員が倒し、

「やっと終わった」という雰囲気で、少しの静寂が流れる。


(よし...これで俺の任務は完了だな)


そう思い、周囲の状況を眺めていると、背後から誰かが近づいてくる。


振り向いてみると、先ほど助けた男性が握手を求めてきた。


握手を求められたので、反射的に手を出し握手を交わす。


(あれ?この男性は...?)


「カノン殿。二度までも助けていただくことになったのだな」


そうだ。ミンステイルの道すがら助けた騎士風の雰囲気を纏った男性だ。


(あの時と恰好が違うので、一瞬分からなかった...)


そう言うと、後ろに控えていた調査団員とともに片膝をつき、礼をされた。


「「「助太刀、誠にありがとうございました」」」


「あぁ!いや、やめてくださいそんな...」

「普通で...普通でお願いします!」


敬意を払ってくれていることは理解するのだが、どうも慣れない。


「ここでは皆が落ち着くまい。カノン殿、陣のなかへ...」


魔物が掃討されたとはいえ、戦闘直後だ。術師と見られる人影や、

裏方にあたるであろう人影はまだバタついている。それに気遣ったのか、

男性は俺を陣の幕へ案内したのだった。


...


...




「カノン殿、二度に渡っての助太刀。誠に感謝する」

「まさかまたここで相まみえようとは思いもしなかったがな」


「えぇ。私もですよ」


「俺は、王立騎士団の副団長でアイオロスと言う」

「これからは俺のことをアイオロスと呼んでくれて構わない」


「えぇ。では失礼かもわかりませんが...アイオロス...さん」

「やはり騎士の方だったのですね」


「ハハハ、まぁ隠すつもりはなかったのだが、許されよ」

「これが、あの時一緒にいた三人で、シュバイツ、パリゼ、ヒューストだ」


「シュバイツです。この度はありがとうございました」


「パリゼだ。カノン殿には二度も命を救われてしまった」


「ヒューストと言います。先日のお礼もこちらで改めてお伝えさせてください。」

「先日に続き今日までも...本当にありがとうございます」


「カノン殿に救われた俺だが、一応この調査団で監督をしている」

「調査団の代表としてお礼を申し上げる。本当に助かった。ありがとう」


「いえ、私も仕事ですので」


「ふむ。そうか。冒険者ギルドの依頼...ということだな」


「えぇ。時機に後発隊も救援で来ると思います。」


「おぉ。それは助かる。何せ魔物にあてられて、精神的に不安定になっている者もいる」

「怪我の治療は手前共で済んではいるが、体力も失ってしまった」

「その者どもは一度、街で休ませてやりたい」


「それに...相当な数の魔物の死体も処理せねばならんしな」

「人手が増えてくれるのなら大変助かる」


「後発隊の中でも早いパーティは半日くらいで到着といったところしょうか、

数日あれば更にギルドパーティ複数人が来るかもしれません」


「ふむ。いずれにしても。ここに残らねばならない事情もあるでな」

「弱った者だけでも、休ませることができれば助かるのだ」


「ギルドに助けを求めに来られた方によれば、別動隊は機能してないようなお話でしたが?」


「うむ。そうであろうな...。再度編成を整える意味で、相応の時間をかけてでも、

メンバーの確認や 編隊を組み直す必要がある...。非常に頭が痛い内容だ。

一旦仕切り直し...というところではあるな」

「それでも...任務を続けられることには感謝している。カノン殿のお陰だ。」


「いえ、本当に皆さんが助かったことが何よりです。やらなければならないことは

多いのでしょうが、 皆さんお疲れでしょう。私に構わず今日はお休みになってください」


「ふむ。とは言え立場上そうも言ってられない...のだが、流石に私も今日は

無理できそうもないな」


「えぇ、そうでしょうね。それにアイオロスさんが無理されると、他の皆様も

休めなくなってしまうでしょうから」


「副団長。我々からも今日はこのままお休みされることを進言させてください」


「そうです副団長。俺も今日は限界です...」


「「「「...ククク、フワッハッハッハッ」」」」


パリゼさんの限界発言に場の空気は一気に和やかなものとなり、笑いが起こる。


「ハハハ...カノン殿、そう言ってくれて助かるよ。外の者にも声はかけるが、

今日はこのまま休むこととして、軽く食事だけすませてしまうとしよう。

何せ食事が喉を通らない状況だったからな。そうさせてもらおう。」


「副団長、では外の者には私から指示を行っておきましょう。」


「うむ。すまないな。カノン殿、ろくなものは用意できそうもないが、

一緒に軽く食事しよう。おもてなしとはいきそうもないが、命の恩人に礼を

言いたいのは我々だけではないのでな。お付き合い願いたいのだが」


「えぇ。是非。でも、外の方にもあくまで身体を休めることを優先させてあげてくださいね」


「フフ、カノン殿には敵わないな。あぁ。そのように約束しよう」

第36話と幕間で出てくる四人の正体が判明しました。この四人はこの先もちょいちょい出てくる予定です。


★ご覧いただきありがとうございます★


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