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強くてニューゲーム(仮)  作者: しゅがぞう
第一章 聖剣・魔剣・伝承・呪い編
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第43話 魔法書と魔導書

「...うん。それは多分「魔導書」のことだと思う...」


「はぁ...。なるほどね...。そういうことかー」

「じゃぁ、恐らくその書店に置いてあったのは魔導書で、

俺がイメージしていた「魔法を学ぶ書」が魔法書かぁ」


「...だから店の人は「高価」だって言ったんだと思う...」


「なるほどねぇ...。じゃぁあの人の態度もわからなくもないよなぁ...。」


村でデザイアに魔法を習っていた時に、何気なくルミナーゼにあった書店の話を

したところ、 俺の勘違いがあったことがわかったのだ。


この世界では魔法を学ぶ方法のひとつとして「魔法書」と「魔導書」があるらしい。


「魔法書」は魔法の勉強をする教材だ。比較的安価だが、「読んで覚える」

必要があるため、 時間もかかる。解読しなければならないものや、

習得・魔法発動のための「理解をすること」が大変なのだそう。


一方で「魔導書」は半ば強制的に「魔法を習得」させるものらしい。

魔法書と同じく魔法の習得のため、詠唱のために必要な知識や詠唱の文言などは

記されているのだが、本自体に魔法陣による魔法が組み込まれており、

手をかざし、魔力を込めることで「習得」させるのだそうだ。


勿論誰でも魔法を習得できるわけでなく、その魔法に足る才能、適正、練度など

様々な要素により、習得できない場合があるようで、買ったからと言って習得

できるものではないのだが、 その魔法が習得できるまで、本の効果は無くならないらしい。


習得できた場合に限り、「魔導書」に組み込まれていた魔法陣が、

記された内容とともに消失するようだ。


それでも時間をかけず習得できるというメリットは大きく、「魔導書」の価格は

非常に高価になるとのことだった。通常は貴族や王家の人間や名のある冒険者が

買い求めるらしく、場合によっては魔物からドロップすることもあるらしい。


それを知ることで、今俺が体験しているチートスキルの恩恵が、

非常に便利、かつ「チート」であることを思い知ることになる...。


「...むしろ、それを知らないカノンが、魔法を使えることが異常...。」


「ハハハ。それはスキルのお陰かな...。」


そろそろ話題を切り替えた方がよさそうだ。


「それよりデザイアさぁ、子供達の魔法の習得はどうなの?」


「...凄い...」


「凄いかぁ」


「...うん。...潜在的に魔法への適正があるとか、親和性があるとか...凄いと思った...」


「でもデザイアだってそうでしょ??」


「...デザイアは特別...」


「...特別って...?」


「...ん...少し面倒くさいからやめる...」


面倒である理由が非常に気になったものの、あまり深入りしないほうがいいかなと

思って、それ以上は聞かないようにした。


...


少し話が変わるが、マジックリングについて話をしよう。


これまでウィル、シーア、デザイアとクオーツさんに秘密であった、

マジックリング自体の存在だが、四人にはすでにバレてしまっている。

バレてしまったというよりバラしたというのが正しい。


これまでの村での共同生活で、この世界の常識で考えられない様々な出来事を、

四人も目の当たりにしてきた。


無言を貫くには無理がある...。この先どうせ知ることにもなるだろう。


四人はこの村の活性化に尽力し、すでに俺の能力の一端は知っている。

だから俺から話してしまったのだ。話したといっても

★3レベルまでのマジックリングの効果程度にしておいた。


四人のことは心から信頼している。信頼しているからこそ、全ての内容は

伝えられない。そう判断したのだ。


マジックリングの効果は恩恵が大きく、この世界に劇的な変化を

もたらしてしまう。それは魔法が使えるようになったとか、

何か便利になったとかそういう代物ではない。 世界を根本から覆し、

それなしでは成り立たない世界になってしまう可能性がある内容だ。


...なので、「知る」ことが四人を危険に晒してしまう可能性が高いと思ったからなのだ。


だから俺はあえてマジックリングを四人に渡すことで、

膨らんでしまった四人の疑念を払拭しにいったというわけだ。


ウィルとシーアに★3 睡眠:(スリープ)、

デザイアに   ★3 効果:(エフェクト)、

クオーツさんに ★3 威力:(パワー)。


幸いにも四人はそれで納得してくれたし、むしろ便利なマジックリングの効果に

驚嘆し、自分達も新たな能力を手に入れた!ってことで喜んでくれている。


無論、それが俺の全てではないと知りながら、そうしてくれていることに感謝すべきだろう。


この出来事に一番喜んだのはタイレンやシュウレンなどの村人だ...。

これまでマジックリングの秘密を四人に隠すという、非常にデリケートな課題が、

彼らに相当の緊張を与えてしまっていたようである。

むしろよくバレないようにしていたなという感想だ...。

この点については俺も猛省する必要がありそうだ...。村人の皆...すまん!

ご覧いただきありがとうございました!モチベに繋がりますので、よろしければブクマと評価頂ければ幸いです!

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