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強くてニューゲーム(仮)  作者: しゅがぞう
第一章 聖剣・魔剣・伝承・呪い編
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第41話 ハインケルさんからの依頼

今日は真面目にハインケルさんの依頼を消化しようと、ラヴィに咥えられ目的の

コカトリスとバジリスクのいる高台を目指す。途中、上空から見たところ、

確かに傾斜がきつそうな高台であることがわかった。


コカトリスもバジリスクも飛行しないとはいえ、攻撃の射程がラヴィの飛行範囲と

重なってしまう可能性もあるため、高台のちょっと手前、傾斜が左程でもない

ところでラヴィに降ろしてもらう。


上空からは対象を目視することができなかったが、すでに聖剣オベリクスを召喚し

臨戦態勢のまま高台の頂上を目指す。


頂上の窪地に足をかけたところで突然側面から近づいて来た影に攻撃される。


「ピギャオー!!」


口から射出された恐らく石化液と思われる液体が俺を襲うが、探査:(サーチ)を

唱えていた俺にかわせない理由がない。余裕をもってかわしつつ、

つがいのもう一匹を警戒する。


石化液をかわしたその瞬間、戦闘において始めての焦りを体験する。


「え!まじかよっ!やられた!」


時間差のある、五方向からの同時射出。


探査:(サーチ)で複数の影が近づいてきたことはわかっていたが、まさか他に

五体の対象がいるとは思わなかった。この高台は比較的大きな窪地になっており、

探査:(サーチ)にはたくさんの影が映っている。

コカトリスとバジリスクは鶏の突然変異であるため、この窪地には鶏もたくさんいるのだ。


たくさんいる鶏と対象は探査:(サーチ)では判別できない。このため攻撃的な動きで

近づいてくる個体に注意を払っていたつもりだが、茂みに隠れていた対象が同時に

攻撃してきたというわけだ。


バシャア!


「チッ。」


五つの射出物のうち三発はかわせたが、左手と右足に僅かに受けてしまった。石化が始まる。


...


...


いや...始まらない。始まらないよ良かったぁー。


対象は石化液が俺に命中したことで、半分ほど仕留めたと思っていたのだろう、

茂みから攻撃してきた対象も今は隠れる様子はない。


流石に時間差の五方向同時攻撃をしてくる個体だ、動きは鈍くても頭が回るらしい。

恐らく縄張りに踏み込んでいた瞬間から警戒されていたのだろう。

その回る頭で石化液の命中から有利とみるに、隠れることをやめ、次の攻撃態勢に

入っていたのだ。


だが、相手が悪い。俺はスキルに状態異常無効がついているのだから。


いや、もしかして石化は状態異常判定でない可能性もあったので、できればくらい

たくなかった。汚いし。念のためハインケルさんからもらった

石化解除ポーションも懐に忍ばせている。


石化は状態異常無効で防げることが理解できると、今度はやっぱり「汚い」ことに

腹がたってくる。


コカトリスとバジリスクは俺を怒らせてしまったのだ。


(あぁもう汚いなぁ。吐しゃ物ってのがすんごいヤダ!)


戦況が有利とみて油断していた奴らが悪い、射出物が発射された地点の確認、

探査:(サーチ)の状況、そして目視で全六体の位置を確認し、

身体強化大のスキルの恩恵を受けた俺の剣技。


手早く六体の首をはねる。


キチチチチチ...キキン!


瞬殺である。念のため、他の個体がいないか警戒は解かないが、仕事は完了だろう。


(あぁもうばっちぃ。)


(いや待てよ?石化が効かないってことがわかったのだから仕方ないくらいに考えられるか)


一瞬そう思ったがやっぱり無理だった。誰かに聞くとしても

「状態異常無効のスキルって石化も無効なんですか?」とか聞けない。

聞けないから試すしかないことは頭で理解しているが、

この場合「ばっちぃ」が勝ってしまったのである。後で村で汚れをすすごう。


ところで...今回魔法を使わずに剣で仕留めたのは理由があるのだ。


「はいよーラヴィ追い込んでー」


「ぴえ!」


「はーい、そっちからもー」


「ぴえー!」


「はいはいもいっちょいきますよー」


「ぴえぴえぴえー!」


鶏の引越しだ。ゲートを村と繋ぎごっそりと村に引越しさせる。

セットしたゲートに広い範囲から鶏を追い込み、根こそぎいただく。

ラヴィも楽しそうで何よりだ!


ゲートの出口は、昨日の内に岩操鉄槌:(アース・マニュアル・ハンマー)で

作ったかなり大きい穴。最後の鶏がゲートに入ったところでゲートを閉じて完了!

もう探査:(サーチ)に生態反応はない!

鶏のエサは、コーディさんのとこでいただく籾殻の予定だ。


これからは卵料理も楽しめるかも知れない。

ご覧いただきありがとうございました!モチベに繋がりますので、よろしければブクマと評価頂ければ幸いです!

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