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強くてニューゲーム(仮)  作者: しゅがぞう
第一章 聖剣・魔剣・伝承・呪い編
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第14話 魔剣:エクスキューション

振りかぶったその剣が振り下ろされる瞬間、

同じく右手に装着されたマジックリングが輝きを放つ...


マジックリング

★5 伸縮:(フレキシビリティー)


ザンッ!!!


まさに一閃...。


剣が振り下ろされた時、ジレットバイコーンはまだ数十メートルは先の対象であった。


狼の魔物を追っていたからであろう、相当な加速をした状態、

かなりのスピードでこちらに向かってきたが、

その勢いを完全に止めたまま、ジレットバイコーンの首が両断された。


恐らくは魔剣エクスキューションの固有武器効果も発動したのであろう。


★5 停止:(ザ・ストップ)


...


「す...凄いっ!!!」


最初に口を開いたのはルメリオさんだ。


ユウリでさえまだ固まっている。


「カノンさん...いやカノン殿!」

「どうやったものかはわかりませんが...と...とにかく凄過ぎるっ」


「カノン様、お見事でございますわ」


ユウリであっても俺が装備しているマジックリングの効果はわからないであろう。

もちろん危険過ぎるので誰にも効果を明かすつもりはない。


「いやぁ、びっくりしましたね」

「さすがにルメリオさんもユウリも驚きましたよね!」

「狼を殲滅して終わったと思ってましたから...」


...「「そこじゃなくて!!!」」

ユウリとルメリオさんが口を揃えて言った。


(え?)


と思ったが、とりあえずジレットバイコーンを回収しよう。

ギルドで買い取って貰えるかもしれない。


「あかん...。足がまだ震えて歩かれへん...」

目の前で起きたことの反動でルメリオさんが壊れたみたいだ。


あかんて関西弁かっ!?逆に俺のほうが驚くわっ!


...


...



ルメリオさんが動けないこともあったのでそのまま休憩とし、

暫くの後、ルミナーゼに向けて改めて出発したのだ。


(今度は終点まで何事もなく着くといいなぁ)


...


その日の夜を迎え、野営のため準備を進めていると

ルメリオさんが改めてお礼を述べてきた。


「カノン殿、ユウリさん、今日は本当にありがとうございました」


「いえ、ルメリオさん、私たちは仕事をしたまでです」


「いや本当に助かりました。この地域は比較的安全とされていましたから、

本来であればブロンズ級の冒険者を雇うまでもなかったのですが、

積荷がそれなりの商品でしたので、念には念を入れて依頼して正解でした」


「いやいや、そのお陰でルメリオさんともこうして知り合えましたので、

俺達にとっても本当に良かったですよ」


「そうですよルメリオさん。まだ依頼は達成されておりませんし、

わたしたちもまだ油断せぬよう心掛けますわ」


「いや、ここまで来ればもう到着したも同然です。

それよりカノン殿とユウリさんには謝らなくてはなりません」


「「え?」」


「いや実は昨日お会いした当初は、本当にお二人で大丈夫か不安に思ったところが

あったんですよ。ご挨拶も丁寧で紳士的でしたから好印象であったことは

間違いありませんが、冒険者としてはやや心配に感じた次第でして...」


「あぁ、そんなことですか!」


「こちらとしてはそんなことは全く気にしておりませんわ」


(俺も多分同じことを考えたと思うし、ルメリオさんはとても正直な方だなぁ)


「いや本当に申し訳ありませんでした!...私も商人としての目利きがまだまだ

ですなぁ」


「いえいえ、本当に謝らないでください!...それよりルメリオさんこちらを

どうぞ!」


フィリンググリズリーの肉をミンチにし、成形して焼き上げたものを、

ラクレットで買ったパンで挟んだハンバーガーをルメリオさんに渡す。


「ああ、ありがとうございます。いやはや本当にカノン殿は不思議なお方ですね。

途轍もなくお強いのに驕る様子が一切ない、ユウリ殿もお強いのに大変な美人だし」


ユウリへのコメントがちょっとおかしい気がするが、まぁ多分本音であろう。


「カノン殿、今回の依頼を終えても、是非頼りにさせてください!」


「ルメリオさん、それは本当にこちらからもお願いします!

こちらもルメリオさんに頼りたいと思います!」


...こうして依頼二日目も無事に終えたのだった。

ご覧いただきありがとうございました!モチベに繋がりますので、よろしければブクマと評価頂ければ幸いです!

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