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強くてニューゲーム(仮)  作者: しゅがぞう
第一章 聖剣・魔剣・伝承・呪い編
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第13話 爆裂:(エクスプロージョン)

夜は結局ユウリと交代で休むことにし、依頼二日目を迎えた。


「「ルメリオさん、おはようございます」」


俺とユウリが揃って挨拶をすると、目の下のクマを作ったルメリオさんが挨拶を返してくれた。


聞くまでもなく寝付けなかったのであろう。大きなあくびをしている。


原因は恐らく俺だ。いや...俺のせいではない。あくまでゲートのせいだろう。


ルメリオさんも腕利きの商人だ。あれから色々とその可能性について考えて

しまったのであろう。俺でもそうなるかもしれない...。


ルメリオさんに声をかける前までに、予めゲートから取り出していたスープで

朝食を済ませ、 早々にルミナーゼに向けて出発したのだった。


...


お昼に差し掛かる頃だっただろうか、俺たちは事件を迎える...。


「カノンさん!ユウリさん!魔物がっ!」


ルメリオさんが俺たちに声をかけると同時に、ユウリはすでに立ち上がっていた。


遅れて俺も幌のかかった荷車から降り、前方を確認すると、

狼型の魔物が少数の群れをなして前方から近づいて来るのがわかった。


「カノン様!ここは事前のお打ち合わせどおり!お任せください!」


ユウリが呪文の詠唱に入る。


急いで俺はルメリオさんを馬車の荷車へ押し込み様子を伺う。


ユウリが詠唱を終え、魔法を唱える。


岩操鉄槌:(アース・マニュアル・ハンマー)!


発動と同時に少し前方の土壌を巻き込み、レンガサイズの岩礫が狼型の魔物を上空から襲う!


... 岩操鉄槌:(アース・マニュアル・ハンマー)は土壌の土を加工し硬質化させ、

出来た複数の岩礫を操作し、打撃を行うことができる土属性の中位魔法だ。


硬質化された礫は、砲丸程度の重さになっているので、

当然当たれば中型の魔物でも致命傷となりえる打撃力を持つそうだ。


遠距離攻撃であり、かつ複数の礫を操作することができるので、発動すれば基本的

に対象に命中させることができるのだが、礫自体の重量も相当なもので、

更に操作が繊細であることから魔力消費量も多く、土属性の中位魔法に

位置するのだそう。


ユウリが得意とする魔法である。発動した時点ですでに決着するであろう魔法だ。


しかしこの魔法はこれだけで終わらない...。


通常、岩操鉄槌:(アース・マニュアル・ハンマー)は、複数の敵を

巻き込むことのできる魔法ではあるが、敵が多数かつ小さい場合に限り、

打ち漏らしがでてしまうものだ。


こればっかりは仕方ない。礫のひとつひとつまで操作するのには魔力消費が

激しく、効率的でないからだ。


...だから俺は事前にユウリと相談し、この魔法をよく理解したうえで、

そこを補うマジックリングをユウリに手渡しておいたのだ...。


マジックリング

★5 爆裂:(エクスプロージョン)


礫のひとつひとつが着弾と同時に爆発し、炸裂する。


礫の打撃力に加えて周囲を巻き込む爆発だ。もちろん結果は明らかである...。


文字通りの完全殲滅...。


「フウっ」

とユウリが落ち着いた様子を見せる。


礫が爆裂した煙と、衝撃で舞った砂煙とが混じり、狼型の魔物がいた辺りは、

視界が開けない状態であるが、打ち漏らしの可能性を否定する威力であったため、

ユウリは早々に戦闘態勢を解く。


少し静かになったことに気づいたルメリオさんが幌から飛び出してくる。


「こ...これは」


...


砂煙が多少の落ち着きをみせる頃、唖然とした表情のルメリオさんにユウリが伝える。


「ルメリオさん、終わりましたわ」


ルメリオさんは直接その魔法を目にすることはなかったが、

その残骸をみるだけで魔法の出力を想像するのは難しくない。


「ユ...ユウリさんありがとう...


ルメリオさんがそう言い終える前に、気づいた俺がルメリオさんの言葉を遮って言う


「ユウリ!まだだっ!」


まだ完全に収まっていなかった砂煙のせいで気づくのが遅れてしまった。


狼の群れの後方から、ひと際大きな影が近づいてきたのだ。


「あっ...あれはっ!」「ジレット...

ユウリから声が発せられる。


...出発前、スクエイトさんに聞いていた魔物の一種だ。


個体名:ジレットバイコーン

モンスターランク:B-C級

普段は比較的温厚で群れは成さず生息するらしい。普通の馬よりもふたまわり程

大きく、額より側頭部に近い部分から生える大きな二本の角が特徴的。

直接人間を襲うことはないがひとたび怒り出すと、

その巨体も相まって人間では手が付けられないくらい暴れるらしい。

個体によりサイズが異なり、上位種ではA級となる個体も発見されている。


基本的にこちらから手を出さない限りは安全と聞いていたが、

先の狼の魔物の群れがちょっかいを出したのであろう、狼の魔物を追うかたちで

現れたのだった。


先に気づいた俺は、身体強化のスキルのお陰か、

ユウリが魔物の名前を言い終える前に、ユウリよりも前方に出た。

召喚した「魔剣エクスキューション」を右手にして...。

ご覧いただきありがとうございました!モチベに繋がりますので、よろしければブクマと評価頂ければ幸いです!

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