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仇討ち桃太郎  作者: うきみ
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第四話 隠れろ!!

母親のキヨは桃の器の中に赤ん坊の正太郎を入れ小太郎の手を取り家を飛び出した。

川が流れる近くを二人は必死で走った。


「あ!」


小太郎はつまづいて転んでしまった。

「小太郎!大丈夫かい!」


「うん。」


「さあ逃げるよ!」


「あ、母ちゃん!見て!」

二人の前方に赤鬼が二人、村人の男を殺していた。

それは赤い着物を着た山賊だった。


キヨと小太郎は後ずさりをした。

「か、母ちゃん・・・」

「小太郎・・・音を立てないようにそーっと逃げるよ。」キヨは小声で言った。

「う・・・うん・・・」


「おぎゃー!おぎゃー!」

「あ・・・坊や・・・お願いだよ気づかれちまうよ・・・頼むから静かにしておくれ」

そう言って母親は桃を揺さぶった。


「なあおい!何処かで赤ん坊の泣き声がしないか?」鬼の一人が言った。

キヨと小太郎はその場に隠れて息を飲んだ。



「ん?川の音だろ。」

「そうか。」


キヨと小太郎はほっとした。


「おぎゃー!おぎゃー!」

「母ちゃん・・・」

「あーーもう・・・この子は・・・泣き止んでおくれよ・・・」


「おい!やっぱり聞こえるぞ!赤ん坊の泣き声。川の方から聞こえる・・・」

「ああ。俺が行く。」


赤鬼の一人がキヨと小太郎の方へと近づいてきた。

「やばいよ母ちゃんこっちに来る・・・」

「しぃー!黙って・・・」

キヨは隠れているすぐそばの川に正太郎の入った桃をゆっくりと流した。


ごめんよ・・・後で必ず迎えに行くからね。


キヨと小太郎は流れる桃を見ていた。


「母ちゃん!桃の取っ手が・・・」

見ると桃の取っ手の部分が川に落ちている枝に引っかかり止まっていた。


「あ・・・どうしよう・・・あいつらに桃が見つかったら坊やが・・・」

「おいらが行ってくる。」

「でも・・・」

「母ちゃんはここで隠れてて。すぐに戻ってくるから。」

「わ・・・わかった・・・気を付けなよ!」

「うん!」


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