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色々あった後に帰国した話

波乱が起きましたねー

ヒーロはどう関わるんでしょう

だが謁見の約束は叶わなかった。



日課の伽が終わった頃ぐらいに勢いよく扉が開かれ

「天誅!」

黒い頭巾を被った者達が襲ってきた。

(天はむしろ味方なのになぁ)


俺や龍人達はテキトーに攻撃をいなして全員拘束した。

猿ぐつわを付け舌を噛み切るのを防ぎ

朝までじっくりねっとり拷問した。


彼女達は闇魔(あんま)の里出身の暗殺チームだった。

前の教王が闇魔の里討伐命令を周辺諸国に出し里は滅びた。

とある人物が彼女達や他の里のものを国内に潜入させ教王襲撃をさせたそうだ。


「なぜ俺を襲ったんだ?」

俺は隊長と思われる女性の目を見て聞いた。


「教王を殺しあなた達に声を失う魔法をかけて、教王殺しの下手人にしたてあげて処刑する計画だったそうです。」

その後、彼女達に指示した者の名前を聞いてどう動くか考えていると。


「ヒーロ陛下はおられるでしょうか」

宿屋の1階から俺を呼ぶ声がした。


下に降りると昨日マクレール四世のベッドのまわりで祈りを捧げていた枢機卿の1人がいた。


「私はマリユスと申します。ヒーロ陛下夜分に申し訳ありません。緊急の要件だったもので。」


「問題ない、それでどうかされたのか?」

襲撃のことはあえて言わず要件を聞いた。


マリユスは必死に涙を堪えながら

「猊下が刺客によってお隠れにな、なりました…」


(拷問する前に王城へ行っていれば)

後悔が押し寄せてくる。


「陛下どうか王城に来て頂けますか、コンクラヴェを行うことが決まったので、立会人になって頂きたいのです。」


俺たちは王城にある謁見の間に入った。


謁見の間の玉座の横に1人の男が立ち、

「今日より3日間喪にふくした後コンクラヴェを始める!」


シルヴィエにことの次第を記した手紙を送り、教王送り出しの儀にも参加し、正式にコンクラヴェの立会人の打診も受けた。


今回のコンクラヴェにも有力な候補は3人いた。


前回2番目の票数だったレイアス枢機卿

彼は地方の教会員がその地方の国に仕官しその影響力で布教活動や寄付金の増額を考えていた。


前回3番目の票数だったドドレス枢機卿

彼はヴェルス王国出身で、ヴェスティア王国のために色々動いていて、シュラ国王を皇帝にしようと画策している噂がある。


3人目はマクレール四世の同郷で幼なじみのリグラン枢機卿

マクレール四世の無念を晴らすためと称して、マクレール四世の派閥と無派を取り込んでいるようだ。


他にも候補者はいるが、支持者が少ない。

マリユスも候補者の1人だが、リグラン支持派だそうだ。


コンクラヴェは大陸にとってお祭りのような感じで行われるのだが、今回は事情も事情なので厳粛な感じで行われている。


地方の教会幹部が飛龍船で到着し、王城内にある大聖堂でコンクラヴェの会議が行われていた。

どの枢機卿がどう相応しいか、教王になったら何をするか、何か後暗いことをしていないか等の話を出しきって候補者をさらに絞り投票が行われる。


立会人で俺もその場に参加しなくてはならない。

候補を最後に絞る時に意見を求められるので答える必要もある。


1日目は自慢合戦が起きていた。自分の今までの功績を言い、推薦する枢機卿達がそれを援護する。

俺は丸一日自慢を聞かされてうんざりしていた。


2日目はゼークト教をどうこれから広めるか、信者達に何をしてあげられるかなど、これからのことの話が終わると

候補者達を推薦する枢機卿や地方の幹部が、支持してない候補者のマイナス点を上げ罵りあいが起きていた。

昨日よりは聞いてられるが、いい大人がみっともないとも思った。


3日目ついにに最終的な候補者が決まる日になった。

俺は朝から黒猫隊や龍人達に元闇魔の女達の報告を受けていた。

元闇魔の女の子達は拷問の後に話し合いをし、隠密隊のメンバーにスカウトした。


けっこうなスキャンダルやヤバい話を録音宝珠で録音したものや、書類、手紙なども手に入った。


録音宝珠というのは魔力の濃度が濃い洞窟で見つかる正式には緑王石(りょくおうせき)と呼ばれる透明で緑色の石で

魔力を込めるとある程度の距離までの音を録音できる。

込めるのをやめるとそこで録音が終わり、次に魔力を込めると録音した音声が石から流れる仕組みだ。

(あまりにもヤバい情報だけど、公開しない訳にはいかねぇな)


3日目の会議は落ち着いたもので、最後のアピールが終わり、立会人である俺に発言を求めてきた。

俺は一呼吸してまず一言

「立会人として発言させて頂きます。」


「マクレール四世が襲撃された時を同じく我らも襲撃されておりました。」

大聖堂の中がザワついた。


「襲撃者達を捕縛し彼らの依頼人を聞き出すことにも成功しました。」

その者の名前を聞く声があちこちから聞こえた。


「みなさん一旦落ち着いてください。マクレール四世がお亡くなりになる前日にも襲撃があったのはご存知ですね?」

一同頷いた。


「その時に私は自分の部下にあやしいと思われる人達に密偵を送って色々調べさせていました。まずはこの録音宝珠に録音された音声をお聞きください」

後ろに控えていたカエデが魔力を込めて音声を流し出した。


[レイアス様?ついに直接襲撃の指示をだされたのですか?]

男の声がする

[いや、今回はワシではない。前回の毒入りスープを飲ませるのを失敗してから、次の手をまだ考えている途中だ]

レイアスと思われる男の声がする。

[そもそもあんな凡人が教王とか間違っておるわ]

レイアスは怒っているようだ。

[凡人のくせに勘だけはいい、やつが就任して色々罠をしかけたが全部失敗に終わっている]


「これはワシではない!誰かが罠にはめようとしておるんじゃ!」

レイアスは立ち上がって抗議している

「これは録音宝珠で録音しているので手を加えることは神以外には不可能です。」

カエデがそう言うとレイアスは悔しそうに席についた。


「恥を知れ恥を!落選した恨みと教王になりたいがために暗殺を企てよってからに!」

ドドレス枢機卿が怒号が飛ぶ。

さらに言葉をドドレス枢機卿が続けようとしたが


「ドドレス枢機卿、お黙り下さい。」

メープルがドドレス枢機卿の発言を止める。


「お前!誰に意見しているんだ!メイドは黙っとけ!」

ドドレス枢機卿は怒り心頭のようである。


「私の愛する者にそういう発言はやめて頂こう。」

俺は怒気を込めた目でドドレス枢機卿を睨みつけた。

「メープルその録音宝珠を流してくれ。」

メープルは録音宝珠の音声を流した。


[ドドレス様!教王は体調が回復したようです!]

ドドレス枢機卿の側近の声が聞こえる。

[体調が回復だと?暗殺が失敗した時の保険も無為に潰えたのか!]

ドドレスの声は明らかに怒気をはらんでいた。

[暗殺が失敗しても、ケガでもさせられることができたら、そこから呪いがかかり結局死ぬ、その呪いを俺が回復させて名声を高め次回の選挙をリードする保険も無駄になったのか!!]

ドドレス枢機卿は口をパクパクさせている。


「この2人の枢機卿は真っ黒だ!彼らは最終候補者から外すべきだ!マクレールと親友だった私こそ相応しい。」

リグラン枢機卿が立ち上がって言った。


「1つ不思議なことがあります。」


「なんですかなヒーロ陛下」

リグランが聞いてきた。


「私の発言の初めに、マクレール猊下が刺客に襲われた時間に私達の方にも刺客が襲ってきたという話をしましたね。」


「そうおっしゃられてましたね、しかも刺客に指示をした者の名前を彼女達が吐いたとか」

リグランが核心部分を聞いてくれた。


「そうなんです。彼らはドドレスという貴人が雇い主で、マクレール猊下と私を同時に殺し、私達を刺客ということにして罪を被せて、マクレール猊下の敵を討ったと触れ回って、次の教王になるという計画だったと教えてくれたのです。」

そう彼女達に聞かされた名前はドドレスだったのである。


「そんなのうそだ!!」

ドドレス枢機卿が叫ぶ。


「静かにしていただこう、あなたはなんて酷い男だ関係のないヒーロ陛下に罪を擦り付けようなどと」

リグランがドドレスを非難した。


「ここに1つの録音宝珠があります。少し不思議なことが聞けます」

持っていた録音宝珠をカエデに渡し音声を流させた。


[マクレールの方は成功したようだ!ヒーロの方はどうなっておる?]

リグランのような声がしゃべった。

[残念ながらあの女達は失敗したようです、ですがリグラン枢機卿?失敗した時用のプランはもう実行されているのですよね?]

側近の女と思われる声がリグランに尋ねる。

[あの女達には私はドドレスと名乗っておる、連中はプロだが女だからな吐いても大丈夫なようにドドレスと名乗っておいた]


「俺はそんなことはしていない!俺の声色を真似て録音させたんだ!」

リグランは叫んだ。


「ここに私を襲撃した者達を呼んで、顔を見てもらい誰に指示されたか聞いてみましょう。」


「あの女共はまだ生きていたのか!」

リグランがまた叫んだ。


「ええ私は女性を殺すなんてことはほぼありません、なんせ好色王ですから」

俺はにこやかな笑みを浮かべて俺を襲った刺客達を大聖堂に入れた。


「君達に私を殺すように命令を出した者がここにいるかな?」

俺を襲った刺客達に問うた。


「陛下、私達に指示を出した者はあの男です。ドドレスとか名乗っていました。」

刺客たちはそう言いながらリグラン枢機卿を指した。


「お、俺じゃない!ドドレスと言っておるではないか!」

リグランは必死に否定する


「さきほどの録音が示す通りあなたはドドレスと名乗って指示を出したのはこれで明白です。」


「あれは俺を罠にはめるための物だ!こいつらもその罠の1つとして用意されたものだ!」

リグランも必死である。


「そんな言い訳通じませんよ、あなたは発言し始めから失言が多すぎました、自身が犯人であると言っているような失言です」

俺はとどめを刺すことにした。


「失言なんてしない!罠にはめるつもりか!」

リグランがまたまた叫んだ。


「私は刺客である彼女達が大聖堂に入って来るまで、1度たりとも襲撃者を女性だとは言ってないのに、あなたは私を襲った刺客達のことを彼女達と呼んでいます、何度も」

会議中のリグランの発言を録音した音声をそこで流した。


「あっ」

リグランの顔が青ざめていく。


「これでわかるとおり、リグランがマクレール猊下と私を襲撃させた張本人であり、マクレール猊下の暗殺には成功しているのです。」

俺は淡々と言葉を並べる

「今回コンクラヴェの有力と言われた、レイアス枢機卿、ドドレス枢機卿、リグラン枢機卿この3人は候補者から外すべきだと思います。私の意見はこれで終了とさせて頂きます。」


会議の進行をしていた無派の枢機卿が

「ありがとうございますヒーロ陛下、彼らは当然候補から外しますし、罪を償って頂きます。」

「3人を拘束せよ!加担した者の名前を聞くのじゃ!」

3人は連行されていった。


候補者が絞られ投票が行われる。最終的に3人になるまで投票によって絞られ3人での決戦投票が行われた。

マリユス枢機卿が次の枢機卿となり名前も聖ヒロユス一世と改め即位した。


(感謝の意味も込めて名前にヒロを入れるってww)

俺は恥ずかしかったが、龍人達や隠密隊の面々が喜んでいるので良しとした。


コンクラヴェもあったので長居してしまったので、即位式が終わるとすぐに帰国することにした。


「もう帰られてしまうのですか、お礼もまだできず申し訳ない。」

ヒロユス猊下が直々に見送りにきた。


「妻や私を愛してくれる女性をが待っているので。私も彼女達の顔を早く見たいので今回はこれで帰らせて頂きます、次は夫婦で来たいと思います。」

俺は龍人達と飛龍船に闇魔の里の女性達を乗せ帰国した。


帰るやいなやシルヴィエに遅過ぎると愚痴を言われつつ抱きつかれてなかなか離してもらえなかったのは言うまでもない。


一旦落ち着くのか、波乱がすぐに起こるのか

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