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外遊に行くまでの話

国にはお金も食料も必要なのです。

これからは中央軍を地方に派遣することもあるので、安全のために俺と関係を持った女性と龍人達とシルヴィエに付けてもらうブレスレットを作った。


鉱山から採れる金を元に、装飾としてバラと龍の紋章を刻み蒸れ防止の布を付けたブレスレットを職人にかなりの量を作らせた。


ブレスレットを作らせてる間に、鉱山に出向き宝石の選別をし、宝石の加工職人にきらめくようなカットを施したハート型の宝石を作らせた。


出来上がった宝石に、ケガをしたら自動リヒールと即死耐性、緊急時インビジブル発動の加護を付与した。


完成したブレスレットにその宝石を埋め込み。

魔蓄石を加工して作った指輪と共に贈った。

シルヴィエには宝石を3つ付けたブレスレットを贈ることにした。


「私のだけ特別品とは、わかってるおるではないかヒーロ」

シルヴィエがすごく嬉しそうにしてくれて良かった。


「特別な鎧とか鎧用の飾りみたいなものを作りたいなぁ」


「お主は白銀の鎧を持っているではないか?新調したくなったのか?」

シルヴィエは俺が鎧を欲しがってる思ったようだが

「いや、俺のちゃうねん。黒騎士とか星騎士みたいな、そういう称号を持つ人が装備するやつを考えてたんよ」


黒騎士というのはノワールシュバリエの通称で名のある将を含む中隊長クラス以上の指揮官を6人以上討ったものに与えられる称号である。それが10人を越えるとヴィエルジュシュバリエの称号が与えられる、通称は星騎士(せいきし)である。

一般の兵士でもノワールやヴィエルジュになると騎士になることもできる。


国王軍でいえばユーリやメープルが黒騎士に該当する。


俺は宰相&王弟の反乱の時に星騎士の働きはしているが、それを飛び越えてグランドマスターになっているから星騎士にはなっていない。



フルプレートの鎧をノワールシュバリエは黒

ヴィエルジュシュバリエは黒地に金の乙女座紋章と王家装飾をあしらったものにすることにした。


フルプレートを装備しない者の為に薄い素材で作った篭手をノワールシュバリエ用は黒でヴィエルジュシュバリエ用は黒地の金の乙女座の紋章入りで作らせた。


どちらも魔法障壁を出せるようにしてはあるが、己自身の魔力を使う仕組みだ。


なぜ乙女座かというと、この大陸にゼクト神が自分の子供13神を降ろしその子孫達に国を起こさせたと言われており、カサブランカ王国は13神の中の乙女座の神が作った。


ローゼンランド王国は魚座の神の国である。ヒーロもシルヴィエその血筋なので魚座の紋章を使うことも考えたが

ヒーロの父であるボルグ将軍はカサブランカ王家の傍流で、ヴィエルジュシュバリエの称号も持っていた。

ローゼンビルスが魚座の紋章を旗印にしてたこともあり

乙女座の紋章にすることにした。




鎧が完成するまでに少し日数を要するので、今度伺うレナス王国とその南にあるイーリス王国に友好の使者を遣わせた。


「仕入れた魔蓄石と魔法石が届きました。」

会議室にノアが入ってきた。

ノアは最近見つけた龍人だが、伝達係のようなことをしている。


「よし、設計図通りに組み立てて売り出すよう通達をしてくれ!」


「マスター、商品名はなんといたしましょう?」


(商品名か、なんも考えてなかったな)

「ナイスエアーで売り出せ」


「承知しました。」

ノアは飛龍の姿になって、組み立て工場に飛んで行った。

(飛龍になった時にメイド服はどこに行くんだろう。人型になったらもう服着てるし、謎やな。)


「カエデ?内政の報告は上がってきてるか?」

後ろに控えていたカエデに声をかけた


「先程来ました。賄賂役人は鉱夫にし、農令通りに農税を取ることによって農民達もきちんと納めているようです。他の国民たちの税金も当初の計画通りに取れてますし、開拓の方も進んでいるので、税収は上がります。」



「マスター、ヴェスティアがまた国を滅ぼしたようです。」

さっき伝令に出たノアがもう戻ってきた。


大陸北部にあるヴェスティア王国。

ヴェルス王国のシュラ王子が国を継いだ途端、母親の祖国であるティアリ王国を乗っ取り、2つの国を統合して建国した国である。

シュラ王子は当時18歳で俺が騎士団に入った年だったのでよく覚えている。


「どこの国がやられたんや?」

ノアに報告を促した。


「大陸最北のウェーガル王国です。これで7ヶ国目です。ただ休征期間に入るようです。」


ヴェスティア王国は精強な軍を持つヴェルス王国と、多くの兵と実り豊かな土地を持つティアリ王国を合わせた国だけあって、戦は強いし兵糧もあったのだが、無駄に兵を多く進軍させていた時期があって兵糧の余裕が無い。


短期間で領土を大きくしたため防衛用の兵糧も大量必要なので、内政が追いついていない。

なので進軍すると一気に国を滅ぼせるが、侵攻を休む期間が存在する。


「ロードバルト連合国に使者を出して情報を引き出せ、友好の品を持たせて」


「式典の日時を鎧が出来上がる翌週にして、その後すぐにでもマイルズ王国に行けるように準備を早めろ」


シルヴィエが指示を出していく。

(判断が早くて楽やなぁ)


「ヒーロも外遊の人選は終わっているのか?」

(こっちにも来たか)


「ああ、大丈夫や。龍人全員と俺で行く」


「龍人だけか?」

シルヴィエが少し不思議そうに聞いてきた。


「移動を最速にして動く。リンベルには前の手紙で飛龍船の用意をするようにとは伝えてある。」


「シルヴィエと動く外遊なら旅気分でするつもりやったけど、俺1人なら速さで動くよ」



そして数日が経ちヴィエルジュシュバリエ1人とノワールシュバリエ12人分の鎧と篭手のセットが完成した。


ヴィエルジュシュバリエがいることもあって、王都で全員の式典することにした。


「黒狼騎士団団長ベイオルフ前へ!」


「ハッ!」

俺が名前を読み上げ、シルヴィエの前に行くように促した。


「ベイオルフよ、これからも頼むぞ」

シルヴィエが声をかける。


「勿体なきお言葉です。」

シルヴィエがベイオルフに篭手を渡した。


「次にエースの称号に移る!」

「国王軍ローズブラン軍団将軍ユーリ!」


「はい!」

元気な声と共にユーリが前に出てくる。


「ヒーロの子は私が先に産むからの」

シルヴィエが微笑みながらイジワルそうにユーリに言いながら篭手を渡す。


「負けませんよシルヴィエ様」

ユーリもしっかり返しながら受け取っている。

長年主従をしてる2人のにこやかな空気感がみえる。


「国王軍、白銀の龍隊副隊長メープル!前へ」

「ハイ」

メープルがスっと前に出てくる。


ヒーロが名を呼びシルヴィエが声をかけながら篭手を渡していく

残りのノワールシュバリエへの授与も滞りなく終了した。


「式典が終わって早々だがメープル、龍人達は集まっているか?」


「皆、準備完了しています。」

篭手を右腕に早速装備したメープルが応えた。左手首には俺が送ったブレスレットをしている。


「シルヴィエ!行ってくる!」

俺は玉座の間から戻ってきたシルヴィエに声をかけた。


「道中気をつけてな、無事に帰って来てくれ」

シルヴィエの言葉に腕を上げて応えて龍人達とマイルズ王国へ向かった。


外遊先で何かあったりなかったり

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