本家と分家
砂賀晃志郎は、手野一族の本家筋に当たる砂賀一族の当主だ。
岡山に本拠がある砂賀家は、元々は名主と呼ばれていた一族であり、後には庄屋、大庄屋として、周囲の数十の村を束ねていたらしい。
そこから、綿工業をはじめることとなり、手野家の初代となる者と一緒に行うこととなる。
そして現在、砂賀家が手野家の本家であるということには変わりなく、今であってもその関係は続いている。
特に手野繊維の岡山旗艦店の店長は、代々砂賀家の人が就く事になっているし、手野グループの頂点に位置する持ち株会社、手野産業株式会社の大株主には、砂賀家の当主が必ずいる。
そして、手野産業には、現時点でも黄金株と呼ばれる株が2株発行されており、1株は手野家当主が、もう1株を砂賀家当主が持っている決まりになっている。
但し、通常は拒否権を行使することは無く、敵対的買収に対してのみ、自らの意思によって行使するということになっている。
また、この黄金株は、現在では株主総会によっていつでも無効にすることができるという条件が付けられている。
これによって、今では東証1部に上場を果たしている。
こうやって、分家である手野家は、砂賀家に対して貢献をしていると言えるだろう。
としても、今や手野家の方が砂賀家を上回る金持ちであるため、その地位は、逆転している可能背もあるが、当面は、手野家は砂賀家の分家と言う形をとるだろう。
きっと、これからも。