表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Rain  作者: 咲 美瑠紅
2/2

に! 楓とカエデ

最後の数行は今日、他はいつ書いたかきおくがない…

 「へー、ふーーん」

 せっかく話してやってんのに、この反応ですか…。

 五十センチぐらい離れたところに座っている少年、アキを横目で見ながら溜息をつく。

 はぁ~~~……。

 『誰』と言われたから、答えた。『どっから来たの』と言われたから、答えた。『なんで来たの』と言われたが、答えられなかった。自分でもわからなかったから。

 自分なりに頑張って説明したつもりなのに、アキは暇そうに土いじりをしている。

 「もう、いい。話さない」

 むかついたから言ってやった。すると、予想外の反応。

 言葉を吐いた瞬間、アキがばっ、とこちらをむいた。

 「え、ごめん、ついっ・・・」

 まさかまさかの反応に、こっちがたじろいてしまう。

「ご、ごめん…」

 なんで私が謝らなきゃ……

 「わかったよ。今回は許してあげるからさ」

「ほんと‼?」

 目の色変えてきたよ。調子いー。少し呆れる。

 「ねえ、カエデの木、見た?」

「え?」

 カエデの木?そんな木、なかった気がするんだけど…

「その木、どの(へん)にあるの?」

「ん、少し前の(ひら)けたとこ」

 もしかして、あの木のこと?(一話参照)

 「あのさ、それ、ねじれた感じの?」

「うん」

 それカエデじゃないんじゃ…

 「カエデだよ!!!」

 「ぇ!??読唇術?どうやって心読んだの!?」

 そんなキレなくたっていいじゃん。

 「だって、あれはカエデの木の形じゃないじゃん」

 「ううん、あれ、カエデだよ。(かえで)がいってるもん」

 は?カエデが自分をカエデだって…、ここの植物は言葉もしゃべるの?

 「ごめん、意味不明」

 「え~~」

 「わかるように説明して」

 「は~~~ぃ」


 「ねぇ、あの木、もっと近くで見てみた?」

 言われて思い出すのは、木の空洞にいたあの少女。

 「うん」

 「中に女の子いたでしょ」

 「あぁ、いたね」

 「あの子の名前が楓なの」

 「で、あの木もカエデ」

 「はぁ」

 「だぶんもう少しで目を覚ますと思う」

 「どっちが?」

 「人の方」

 「なんで」

 「もうすぐ春だから」

 「今は冬なのね」

 「たぶん」

 「たぶん‼?」

 たぶんって…どんだけ自分の周囲に無関心なの?

 それ以前に、私そんな遠くの国にきてたの?

 「で?」

 「それだけ」

 あぁ、そうですか。あっそ。


 「これから行かない?そろそろな気がする」

 「別に、良いけど」


                ☆★☆★☆★


 数十分ぶりのカエデ(’’’)の木。先ほどと変わらず、どっしりと立っていた。

 アキと二人で中をのぞく。

      あれ?

 いない(’’’)。さっきまでいたあの女の子、楓ちゃん、だっけ?が、いなくなっていた。

 「あ、今日だったんだ」

 アキが木の上の方を見上げ言う。すると。

    ひょこっ

 枝の隙間から、一人の少女が顔を出した。

 木漏れ日を浴びてキラキラ光るホワイトシルバーの髪、すきとおるコバルトブルーの瞳。

どこか神聖な感じのする彼女は、鋭い瞳でこちらをみていた。

 と、突然木の上から飛び降りてきて、見事な着地。

 「久しいな、アキ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ