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2. 終焉の森
十年が経ち——
世界中に無数の巨木がそびえ立った。それらは瞬く間に森となり、都市を覆い尽くした。
だが、その異常な成長の代償はやがて明らかになる。
最初の木を育てた老人が死んだ。彼の村は水が涸れ、草木が枯れ果てた。やがて、彼自身も衰弱し、静かに息を引き取った。
「——あの大木は、生き物じゃ……」
それが最後の言葉だった。
まるでその言葉を証明するかのように、大木は水を貪り始めた。川は干上がり、湖が消え、農作物は育たなくなった。世界の至る所で人々が飢え、乾き、倒れていった。
それでも大木は成長を止めなかった。
人々は恐れ、大木の伐採を試みた。しかし、斧も鋸も役に立たず、火ですら表面を焦がすだけだった。ミサイルや火炎放射器さえも、大木の繁殖速度には到底及ばなかった。
生存競争は——すでに人類の敗北が決していた。




