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不思議な大木  作者: 52
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1. 天よりの種

空から何かが舞い降りてきた。青白く光るその物体は、ふわりふわりと風に揺れ、ゆっくりと川へと落ちた。やがて、羽のようなものが剥がれ、水面に小さく波紋を広げる。


川辺で釣り糸を垂れる老人が、それを目にしたのは、ちょうど魚がかかった瞬間だった。


「ん? なんじゃあれは……」


魚を引き寄せる手を止め、彼は目を凝らす。川底に沈む青い石。その輝きはまるで空を閉じ込めたかのようだった。


老人は何気なくその石を拾い、家へと持ち帰った。


そして三日後——


石の表面に、ひび割れが走る。そこから伸びる、淡い光を帯びた芽。


「ほう、種だったのか」


驚きもせず、老人はそれを庭へと植えた。


驚くべきことに、その芽はわずか一ヶ月で大樹となり、三ヶ月後には雲を突き抜けるほどの高さにまで育った。


人々はその異様な成長を目の当たりにし、噂は瞬く間に広がった。見物人が後を絶たず、やがて一年が経つころ——大木は色とりどりの光る花を咲かせた。


美しく、神々しいまでの光景に人々は息をのんだ。花は散ることなく、ずっと咲き続けた。そして半年後——ついに、花びらはゆっくりと舞い散り、その中にあの青い石に似た「種」が残されていた。


人々はそれを拾い、各地へ持ち帰り、新たな大樹が生まれた。


それは、世界を変える奇跡の始まりだった。




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