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3 ――神話編―始まりの三柱
第三節 ミリュエル ――終わりと始まりの門
最後に、遠い遠い“終焉”から一柱が現れる。
彼女の名は、ミリュエル。
死の概念がまだ生まれていない世界で、
彼女だけが“戻る場所”を知っていた。
「すべては循環。
創られたものは終わり、
終わったものは、新たな扉を開く」
ミリュエルは、静かに微笑みながら語った。
彼女は魂の道を整え、次元の狭間を紡いだ。
過去と未来、光と闇、誕生と消滅の橋渡し。
彼女の瞳は、ひとつの宇宙だけではなく、
無数の可能性世界を見通していた。
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第四節 三柱の誓い
そして、三柱は、ついに出会った。
フェルナが創り、
エルアが整え、
ミリュエルが終点を与える。
三柱は、宇宙そのものだった。
そして彼女たちは、ひとつの誓いを結ぶ。
「いつか、この宇宙の何処かに、問いかけを発する者が現れる。
その者に、私たちは応えよう。
その者こそが、次の“創造”の鍵となるから」
星は生まれ、銀河は揺れ、命が芽吹く。
永遠とも思えた時間の果てに――
少女「ノア」は、その“問い”に導かれる者として、
静かに目覚めようとしていた。