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2――神話編―始まりの三柱
第二節 エルア ――均衡を司るもの
フェルナの創造は美しく、だが同時に、激しかった。
拡がる光、交錯する波、回転する星雲。
その奔流の中に、もう一つの“律”が目覚める。
エルア――調和と秩序の女神。
彼女は静けさの中に現れ、光と影の間を漂った。
「すべてには意味がある。流れには方向があり、命には交わりがある」
エルアはフェルナの創造に枠を与えた。
星と星との距離、引力、重力、そして因果。
彼女は世界に“関係性”をもたらし、法を定めた。
彼女の指先が触れるたび、
ただの爆発は調和に変わり、
混沌の渦は銀河の舞へと昇華された。