⭕ 助けた少女は 3
丹◯さんの話だと、天◯劍は放置していても良いらしい。
何でも、剣の台座は封印が施されているから、天◯劍を祠の外には持ち出せない仕組みらしい。
天◯劍は強固な結果で封印されていて、蔑◯骸と言えども封印されている天◯劍を持ち出す事は不可能なんだとか。
天◯劍の封印を解く為の鍵は柄と鍔で──、剣身だけの状態で《 鍛◯祠 》に封じられている天◯劍に柄と鍔を取り付ける必要が有るらしい。
本来の形に戻った時に初めて、天◯劍を台座から引き抜く事が出来て、《 鍛◯祠 》から持ち出せるって事らしい。
マオ
「 盗まれない状態が維持されてるなら、そのまま放置してても問題は無さそう
だな 」
セロが鍔を持ってる以上、天◯劍の封印を解いて《 鍛◯祠 》から持ち出す事は一生出来ないって事になるもんな!
丹◯さんの持ってる鍔と蔑◯骸の手に落ちた柄を剣身に取り付けたとしても何も起きないんだから、安全じゃんな。
セロフィート
「 そうとも言えません。
世の中には “ 絶対 ” は無いのです。
持ち去られる事も視野に入れ、何等かの対策をする必要は有ります 」
マオ
「 対策って言ってもさ、丹◯さんの故郷は、玄◯宗に襲撃されて占領されてる状態なんだろ?
故郷から遠く離れた地に居る丹◯さんに何が出来るってんだよ? 」
セロフィート
「 マオ、丹◯さんは “ 誰と ” 出逢えました?
マオとワタシに出逢えたのですよ。
玄◯宗に占領されている丹◯さんの故郷を奪還する事は容易に出来ます 」
マオ
「 どうやってだ? 」
セロフィート
「 何の為のキノコンです?
キノコンに向かわせるに決まっているでしょうに 」
マオ
「 そっか!
キノコンに任せたら安全パイだもんな!
キノコンなら確実に丹◯さんの故郷を取り返してくれるよ!
玄◯宗には可哀想な事になるけど──、悪い奴等だもんな。
同情する余地も無いか 」
セロフィート
「 丹◯さん、どうでしょう。
丹◯さんの故郷を玄◯宗から取り返します? 」
丹◯
「 そんな事が可能なのですか?
出来る事なら、御願いしたいです!
でも…………其処迄して頂く義理が有りません……。
今の私には……何の御返しも出来ません…… 」
丹◯さんは表情を曇らせる。
セロフィート
「 丹◯さん、旅の醍醐味は幾つも有ります。
観光名所を巡るのも旅の楽しみの1つです。
丹◯さんの故郷は観光名所では無さそうですから、仮に訪れたとしても簡単には入れない場所では無いですか? 」
丹◯
「 は、はい……確かに……その通りです…… 」
セロフィート
「 丹◯さんからの御返しとして、マオとワタシに丹◯さんの故郷を観光させてください。
どうでしょう? 」
丹◯
「 観光……ですか??
でも……玄◯宗に襲撃されて、蹂躙された《 鍛◯祠 》は見るも無惨な有り様で……とても観光の出来る状態では── 」
セロフィート
「 その心配は無用です。
玄◯宗から《 鍛◯祠 》を取り返した後は、キノコンには瓦礫の撤去や復興作業も任せます。
元通りには出来なくても新たな建物を建築し易い様に更地にするくらいは出来ます 」
マオ
「 そうだな。
キノコンは力持ちだし、手際が良いから任せて大丈夫だよ 」
セロフィート
「 亡くなった護◯師の亡骸も集め、手厚く弔う必要も有ります。
何時迄も亡骸を野晒しにしておく訳にはいきませんし 」
丹◯
「 ──そ…そんな事までして頂けるのですか?!
出逢って間もない私の為に──、其処迄…… 」
マオ
「 セロ──、丹◯さんを逃がす為に蔑◯骸の相手をした兄上さんの亡骸も探してあげれないかな?
出来る事なら、亡くなった仲間達と一緒に故郷の土地で弔ってあげてほしいよ……。
どうかなセロ、難しいかな? 」
セロフィート
「 キノコンなら出来ます。
丹◯さんの兄上さんの亡骸も捜索させるとしましょう。
死体を復元する技術もキノコンはマスターしてますし。
出来る限り、復元させるとしましょう。
丹◯さん、弔う前に身内の御遺体と御別れしたいです? 」
丹◯
「 で…出来るのですか??
そんな事が── 」
マオ
「 キノコンが死体を復元出来るなんて初めて知ったよ。
どんどん特技が増えてくな~~ 」
セロフィート
「 キノコンは器用ですし。
遺体衛生保全師が出来る事だけでなく、復元納棺師が出来る事も可能です。
死体の保管もキノコンに任せられます 」
マオ
「 弔うなら埋葬する為の墓も作らないとな。
どんな墓を作るんだ? 」
セロフィート
「 合葬墓で良いでしょう。
御遺体との御別れが済んだ後は、全て火葬します。
遺骨は骨壺の中へ入れ、合葬墓へ納骨します。
遺骨は粗末にならぬよう、全骨にしましょう 」
マオ
「{ セロ、≪ 日本国 ≫風にしちゃって良いのかよ? }」
セロフィート
「{ 弔った後も御先祖が粗末にならなければ良いですし }」
マオ
「{ 人間を替えの利く使い捨ての玩具としか思わないセロの言葉とは思えないよな~~。
何か矛盾してないか? }」
セロフィート
「{ マオ、矛盾も楽しんでこその人生ですよ }」
マオ
「{ セロの得意技だな! }
えぇと──、先ずはオレが蔑◯骸を倒すだろ?
痛め付けて弱った蔑◯骸をセロの実験台にするとしてだ── 」
丹◯
「 …………もるもっと……?? 」
マオ
「 玩具だよ 」
丹◯
「 おもちゃ……??
蔑◯骸を…おもちゃ……にするのですか?? 」
セロフィート
「 言葉の綾です。
聞かなかった事にしましょう 」
丹◯
「 は…はい……?? 」
マオ
「 蔑◯骸から柄を取り戻した後は、故郷に帰るんだよな? 」
丹◯
「 はい、そのつもりです。
《 鍛◯祠 》に帰った後は、立て直しをしたいと考えています 」
マオ
「 その目的を叶える為にも先ずは、故郷を復興させる必要が有るよな? 」
丹◯
「 あ……はい、その通り……です 」
マオ
「 キノコンに任せとけば、瓦礫とかの撤去して更地にする手間が省けるんだ。
材料,道具,人材が揃えば、直ぐにでも更地の上で建設作業を始めれる。
丹◯さんの負担を大幅に減らせるよ 」
丹◯
「 …………有り難い申し出では有りますけど…… 」
セロフィート
「 丹◯さん、材料と道具は此方で用意は出来ます。
人材もキノコンが居ます。
人材不足で作業が滞る事は無いです。
安心して任せてください 」
丹◯
「 …………良いのでしょうか?
其処迄……甘えてしまっても………… 」
セロフィート
「 勿論です。
乙女は男に甘えて良いのです。
困った時には男に助けを求め、頼れば良いのです。
乙女にだけ許された特権を最大限に活用する事です 」
丹◯
「 乙女にだけ許された特権……ですか?? 」
マオ
「 オレ、初めて聞いたんだけど? 」
セロフィート
「 マオ、余計な事を言わないでください。
丹◯さんが困惑してしまいます 」
マオ
「 ご…御免…… 」
セロフィート
「 親愛なる兄上さんを亡くし、お辛いでしょう。
丹◯さんの兄上さんには遠く及ばなくとも、マオとワタシの事を義兄だと思い、頼ってください。
頼れる相手が傍に居る時には、無理をせず甘えて良いのです 」
丹◯
「 セロフィートさま……。
……………………何から何まで有り難う御座います…… 」
マオ
「 義妹か──。
兄弟妹で放浪旅をしてる──って設定は良い案かも知れないな。
よし──、“ 兄弟妹旅 ” って事にしよう!
別に本当に兄弟妹を演じる必要は無いけどさ 」
セロフィート
「 年齢も近いですし、怪しまれる事も無いでしょう 」
マオ
「 出発は雨が止んだ日だな!
それ迄、丹◯さんは体調を万全にす戻す事を1番に考えて過ごしてほしいかな 」
丹◯
「 は…はい!
長旅に備え、その様に努めます 」
セロフィート
「 丹◯さんの状態を見て、薬膳料理を作ります。
先ずは全回復を目指しましょう 」
丹◯
「 分かりました(////)」
丹◯さんは、ピンッと張っていた糸を緩めた様に安堵した表情を見せてくれた。
セロによる怒濤の “ 親切の押し売り攻撃 ” は凄かったな。
セロは絶っ対に善意や親切心で動いたりしない。
人間助けを嫌うセロが、此処まで親切をゴリ押しする理由を丹◯さんが知る日は来ないかも知れない。
一生涯、来ない方が良いと思う。
どうせ、陸でもない事を企んでるに決まってるからな!!
◎ 訂正しました。
天◯劍をの外
玩具
始めれるんだ。─→ 始めれる。