⭕ 助けた少女は 2
丹◯さんが聞かせてくれた難しい話をセロに説明してもらう。
大体の内容は以下だ──と思う。
“ 天◯劍 ” って呼ばれる物凄い聖剣が在って、丹◯さんの一族が先祖代々に渡り、番人として “ 天◯劍 ” の監視と守護をしていたらしい。
聖剣の “ 天◯劍 ” は、“ 神◯魔械 ” って呼ばれる兵器の1つで、一際強力な力を持っている物騒極まりないけしからん剣らしい。
取り外す事の出来る “ 天◯劍 ” をバラバラにする事で、ヤバい力を封じているんだとか。
ある日、丹◯さんの一族が暮らしていた “ 鍛◯祠 ” って所が、玄◯宗に襲撃されたらしい。
その時、丹◯さんは鍔,兄上さんは柄を持って故郷の《 鍛◯祠 》から逃げ出したそうだ。
柄と鍔を狙って、玄◯宗から追われる途中で、蔑◯骸って奴が現れて襲われたんだとか。
兄上さんは丹◯さんを逃がす為、蔑◯骸と戦うも敗北し、柄も奪われてしまったんだとか。
因みに蔑◯骸は玄◯宗の頭目──ボスで半端無く強いらしい。
因み序でに玄◯宗の居城は、“ 七◯搭 ” って呼ばれていて、“ 魔◯山 ” って呼ばれる土地に在るらしい。
≪ 魔◯山 ≫って土地は、“ 魔界 ” って呼ばれる場所と等しい瘴気が立ち込めていて、踏み入れるのが憚られるヤバい場所らしい。
そんなヤバい場所に在る《 七◯搭 》は3つの関門に守られているらしい。
で──、その≪ 魔◯山 ≫の前には “ 鬼◯之地 ” って呼ばれている荒野が広がっているらしい。
≪ 鬼◯之地 ≫って荒野は、呪われているらしい。
足を踏み入れたが最後、「 生きては帰れない 」と言われているおっかない場所なんだとか。
玄◯宗のアジトって、面倒な場所に在るんだな~~。
兄上さんが命懸けで、玄◯宗と蔑◯骸の足止めをして、妹の丹◯さんを逃がしたんだけど──、丹◯さんは断崖から飛び降りて、濁流に飛び込んだらしい。
無茶するなぁ~~。
溺れ死んだらどうする気だったんだか……。
聞き慣れない単語が山程出て来たけど、その中でもセロに聞かせたら駄目な単語が有った!
『 兵器 』って単語だ。
常に新しい玩具を探しているセロの耳に入れたら絶対に駄目な単語ぉ!!
物凄い聖剣の “ 天◯劍 ” とか “ 神◯魔械 ” なんて単語にセロが興味を示さない訳が無い。
丹◯さんが持っていた鍔ですら、悪びれもなく当然の様に堂々と拝借しちゃうんだから、蔑◯骸に奪われてしまった柄も欲しがるかも知れない。
素直に柄をセロに譲渡してくれたら良いけど……もし拒否なんかした暁きには、蔑◯骸もセロの犠牲者になるかも知れないな~~。
マオ
「 ………………とてつもない経緯だったな。
何にせよ、濁流に呑まれなくて良かったよな 」
セロフィート
「 大雨で川は増水し、流れも速かったでしょうに、良くぞ御無事で──。
丹◯さんの日頃の行いの良さが回向し、身を助けたのかも知れませんね 」
マオ
「 ははは~~。
運の引きが強かったんじゃないかな?
“ 運も実力 ” って言葉も有るぐらいだしな~~ 」
セロフィート
「 丹◯さんの持つ鍔を狙い、玄◯宗が丹◯さんを追っていた際に、マオとワタシが出会した訳ですか── 」
マオ
「 玄◯宗の追手、しつこかったよな。
今回は成敗したけど、丹◯さんが鍔を持ってる限り、また襲って来るかも知れないな 」
鍔の原物はセロが持ってるから、仮に丹◯さんの持ってる鍔が、玄◯宗に奪われたとしても何の問題も無いんだけど──。
黙っといた方が良いもんな……。
セロフィート
「 丹◯さんの事情と現状が繋がりましたね、マオ 」
マオ
「 そだな…… 」
セロフィート
「 丹◯さん、今後はどうされる予定です? 」
丹◯
「 …………私は……未々未熟な護◯師の端くれです……。
それでも、《 鍛◯祠 》の番人を先祖代々務めて来た誇り高き丹家の末裔の生き残りとして──、蔑◯骸を討ちます!
奪われてしまった天◯劍の柄も取り戻します! 」
マオ
「 鍔を守りながら?
兄上さんを倒した蔑◯骸って奴を丹◯さんが直々に倒すって?
それは幾らなんでも難しいんじゃないかな。
無謀って言葉、知ってる? 」
セロフィート
「 マオ──、丹◯さんの腰を折る様な事を言わないでください 」
マオ
「 ご…御免……。
でもさ、丹◯さんの兄上さんは一流の剣士だったんだよね?
そんなに強い兄上さんを負かすぐらい蔑◯骸って強いんだろ?
セロなら兎も角、今の丹◯さんには無理だと思うな。
勝ち目の無い奴に挑んで、兄上さんに助けられた命を粗末にしたら駄目だろ 」
丹◯
「 ……………………それは…… 」
セロフィート
「 丹◯さんの代わりにマオが蔑◯骸を倒せば良いでしょうに 」
マオ
「 はぁ?
オレがぁ?? 」
セロフィート
「 そうです。
ワタシ以外の強者と剣を交えるのも偶には良いでしょう。
悪者ですから手加減をする必要も無いですし。
心置き無く蔑◯骸を叩きのめしてください 」
マオ
「 酷ぇ~~ 」
セロフィート
「 丹◯さん、蔑◯骸を討つのはマオに任せてください。
丹◯さんは大事な柄を取り戻す事に集中しましょう 」
丹◯
「 えっ……あの…… 」
マオ
「 あぁ~~~~あ!
セロの発作ぁ~~ 」
丹◯
「 えっ……え…?? 」
マオ
「 呪われたヤバい荒野の≪ 鬼◯之地 ≫を越えて、≪ 魔◯山 ≫に在る《 七◯搭 》に行くって事かよ?
玄◯宗が溜め込んでる金銀財宝でも頂戴する気か? 」
セロフィート
「 そうしましょう。
快適な長旅を続けるには莫大な資金が必要です。
玄◯宗にはマオとワタシの路銀調達に強力してもらうとしましょう 」
丹◯
「 あのぉ…… 」
セロフィート
「 丹◯さんは柄を奪った蔑◯骸が根城にしている《 七◯搭 》を目指して旅を始めるのでしょう? 」
丹◯
「 はい……そうなります…… 」
セロフィート
「 盗賊の多い土地の様ですし、お嬢さんの1人旅は何かと物騒です。
丹◯さんの護衛も兼ねて、剣士のマオと吟遊大詩人のワタシと共に《 七◯搭 》を目指すとしましょう 」
丹◯
「 然し……関係が無いのに巻き込むなんて── 」
セロフィート
「 丹◯さん、それは違います。
マオとワタシは路銀の調達をする為に《 七◯搭 》を目指します。
丹◯さんは奪われた柄を取り戻す為に《 七◯搭 》を目指します。
目的は違えど、目的地は同じです。
同じ目的地を目指すなら、1人より複数で行動した方が生存率も上がります。
目的は違えど、長旅には話し相手も必要ですよ 」
上手い事言って、明らかに天◯劍って危険極まりない兵器に興味が湧いたんだろうな。
詳しい事は分からないけど、物凄い聖剣らしいし。
セロにとっては暇潰しの玩具だろうけど──。
マオ
「 そう言えば、肝心の天◯劍は奪われてないのか? 」
丹◯
「 天◯劍は未だ無事です 」
マオ
「 無事?
奪われてないって事?? 」
丹◯
「 天◯劍は── 」
丹◯さんは、天◯劍の現状を聞かせてくれた。
◎ 訂正しました。
出会した ─→ 出会した
経緯だったな。─→ 経緯だったな。