⭕ 助けた少女は 1
──*──*──*── 3日後
──*──*──*── 廃寺
仮面を被った怪しい盗賊達に追われていた見知らぬ少女を助けて、廃寺で雨宿りをした日から3日が経過したけど、雨は未だに止んでいない。
3日前よりも中降りになったり小降りになったりを繰り返している。
少女も未だに意識が戻らない。
少女は時々魘されている。
譫言で「 兄上…… 」と言っているから兄が居るのかな?
もしかしたら、この子は迷子なのかも知れない。
この子の兄が、はぐれてしまった妹を必死で探し回っている可能性だって無きにしも非ずかも知れないな。
この子のお兄さんに “ 誘拐魔 ” って勘違いされなきゃ良いけど……。
回復魔法を掛けてやると落ち着いた寝顔に変わって、譫言を言わなくなる。
全く……何時迄こんな事を繰り返せば良いんだか──。
マオ
「 早く目を覚ましてくれると良いんだけどな…… 」
セロフィート
「 マオ、その子の装いからして、裕福な家で育った御嬢さんかも知れません 」
マオ
「 金持ちって事か?
金持ちの娘さんだったから、盗賊達に襲われて、追われていた──って事かな?
………………有り得そうだな。
何処の世界でも金持ちってのは、盗賊のテンションを爆上がりさせるカモだもんな 」
セロフィート
「 玄◯宗でしたか。
お嬢さんが持っている鍔とやらを狙っていた様です 」
マオ
「 鍔か──。
鍔ってあの鍔の事だよな?
抑、鍔って売れるもんなのか??
鍔を手に入れる為に追い回してた──。
良く良く考えてみたら、金目の物を強奪する盗賊が鍔目当てで動くかな?
実は黄金で出来てる鍔とか?
………………今更だけど、玄◯宗は “ 盗賊じゃなかった ” とか?? 」
セロフィート
「 どうでも良いですし。
この鍔は唯の鍔では無いのかも知れません 」
マオ
「 ちゃっかり拝借してるんだもんなぁ~~。
どうするつもりだよ 」
セロフィート
「 助けた謝礼品として頂いておきましょう。
お嬢さんには〈 テフ 〉で構成した鍔
マオ
「 ひっどぉ!!
でも、セロならそ
何
〈 テ
誰にも区別なんて出来ないもんな 」
セロフィート
「 何
マオ
「 うん?
その鍔
セロフィート
「 鍔
旅の余興に探してみるのも良
そう言いながら、セロは少女が持っていた鍔
代わりに〈 テ
やってる事は完全に犯罪で──、恩人だからってや
だけど、それを当然の様
オレは止
無駄だって分かってるからな。
──*──*──*── 夕刻
???
「 ………………此
マオ
「 あっ、気が付いた!
セロ──、女の子が目を覚ましたぞ! 」
セロの方
マオ
「 何
セロフィート
「 囲碁ですけど? 」
マオ
「 見れば分かる!
中断して此方
セロフィート
「 はいはい。
キノ
囲碁雑誌に掲載しなさい。
どう使うかは監修役に一任します 」
キノコン:本体
「 畏
キノ
囲碁を切り上
名前も知らない可憐な少女は、こめかみに手を当てている。
マオ
「 身体
一応、此方
目覚めた少女
「 ………………あ……貴方
マオ
「 あっ、そうだよな。
初めましてで自己紹介してないもんな。
オレはマオ・ユーグナル。
守護衛士で剣士だよ。
隣
セロフィート
「 初めまして、名
ワタシはセロフィート・シンミン。
放浪旅をしている吟遊大詩人です 」
マオ
「 土
覚えてるかな? 」
セロフィート
「 確
彼
安心して休んでください 」
目覚めた少女
「 玄
……………………兄
女の子は急に表情を曇らせた。
女の子の様子からして、どうやら玄
セロフィート
「 お嬢さんは玄
マオとワタシは旅人の為、この土地の事情には疎
迷惑で無ければ、マオとワタシに玄
目覚めた少女
「 …………………………た……助けて頂いた事には感謝を──。
ですが──、恩人である貴方
セロフィート
「 お嬢さん、“ 袖
お嬢さんを助けた謝礼金
事情も知らぬまま物騒な輩
目覚めた少女
「 …………しゃ……謝礼金
ははは……。
めっちゃ戸
「 謝礼品
セロフィート
「 マオとワタシは旅人です。
旅には路銀が必要となります。
お嬢さんも旅をしているならば、路銀の重要性は分かるでしょう? 」
目覚めた少女
「 ………………今の私に恩人である貴方
可憐な少女は身体
もしかして、セロとオレ……この子を追い詰める様
マオ
「 何
セロフィート
「 ワタシは吟遊大詩人です。
お嬢さんの身の上
目覚めた少女
「 …………………… 」
マオ
「 玄
彼奴
目覚めた少女
「 えっ?
強くない??
彼
強くない筈が有りません!!
彼
マオ
「 そうなの?
でもなぁ~~、朝飯前
セロフィート
「 マオ──。
お嬢さん、マオはワタシが認める剣士です。
剣術の腕は玄
マオが居
目覚めた少女
「 …………………… 」
少女は言葉を失っているみたいだ。
玄
嘘は言ってないぞ!
目覚めた少女
「 …………私は丹
護
私達一族は斎
丹
だけど、聞き慣れない単語が多くて、オレにはさ
マオ
「{ セロ──、丹
セロフィート
「{ マオ……。
君
マオ
「{ お…おぅ…… }」
オレの右