✒ 賭け事 1
◎ 【 本編 】【 おまけ 1 】【 おまけ 2 】とは「 別物 」として読んでください。
◎ 【 おまけ 3 】の「 続き 」として読んでください。
◎ 「 朝餉,昼餉,夕餉 」なのですが、敢えて「 朝食,昼食,夕食 」と書いています。
御了承ください。
──*──*──*── 遊戯屋
マオ
「 やった!
また当たった! 」
セロフィート
「 丁か半かを選ぶだけですし、簡単なゲームです 」
マオ
「 セロ、次はどっちにするんだ? 」
セロフィート
「 慌てないでください、マオ。
未だ賽子が振られてません 」
セロとオレは賭け事を楽しめる《 遊戯屋 》に来ている。
旅人や旅行者なんかにも人気のある《 遊戯屋 》で、活気が有って賑わっている。
≪ 日本国 ≫では禁止されている金銭を賭けた勝負を気軽に楽しめる場所だ。
旅人や旅行者の中には少しの小遣いを握りしめて、路銀を増やしに来る輩も多いみたいだ。
セロとオレは路銀を態々稼ぐ必要なんて無いんだけど、繁盛している《 遊戯屋 》みたいだから覗きに来た。
カジノで遊ぶのが好きなセロの事だから、ゲームに参加するだろうと思っていたら案の定だ。
セロが選んだのは、2つの賽子を使うゲームだ。
透明じゃないコップみたいな入れ物の中に入れて、振られた後に上を向いている賽子の目が偶数なのか奇数なのかを当てるんだ。
偶数が丁で奇数が半だったかな??
オレは見てるだけだから、どっちでも良いんだけど──。
今の所、セロは20回も連続で丁,半を当てている。
周囲の人達なんて、丁,半を的中させているセロに釘付けだ。
相手さんも何でセロばっかりが当ててるのか不思議そうな顔をしている。
セロフィート
「 ──また当たりました♪
此処のイカサマ師も大した事ないです。
イカサマの程度が低くてガッカリします 」
なんて事を言うもんだから、相手さんはピクピクと顔を引き吊らせながら笑顔をキープして笑っている。
かなり怒ってるぅ~~~~。
セロフィート
「 イカサマに頼るのも良いですけど、腕を磨く努力を怠るのは良くないです。
もっと確りイカサマ技術を極めてください。
これではイカサマ無しの勝負の方が100倍は楽しめます 」
マオ
「 言いたい放題だな~~。
辛口でディスり過ぎじゃないか?
イカサマは犯罪だけど、イカサマ師が可哀想に思えて来るよ…… 」
セロフィート
「 被害者はイカサマをされているワタシですし。
可哀想なのはイカサマ師ではなく、イカサマをされているワタシです。
間違えないでください、マオ 」
マオ
「 そ…そだな……。
加害者と被害者の立場を間違えたら駄目だよな?
御免な──」
セロフィート
「 間違いに気付いてくれて、ワタシも嬉しいです。
兎も角、ド素人のイカサマ師では相手になりません。
プロのイカサマ師を呼んでください 」
マオ
「 セロ──、健全な《 遊戯屋 》がイカサマ師を雇ってる訳ないだろ?
セロが強運過ぎるんだよ。
この調子でどんどん勝って、じゃんじゃん稼いでさ、ウハウハするしかないよな★ 」
セロフィート
「 はいはい。
全額賭けて、じゃんじゃん稼ぐとしましょう 」
なんてセロが言うもんだから、相手さんは顔を真っ青にしている。
セロの強さの種明かしをすると──、どんなに相手が巧妙なイカサマをして勝とうとしてもだ、セロが古代魔法を発動させて、セロに有利となる結果に変えてしまうから、イカサマをしても無駄になるんだ。
絶対強運を引き寄せるセロなら、古代魔法を使わなくても勝てちゃうんだけど──。
仮に賽子の目が “ 丁 ” だとしても、セロが「 半 」って言えば賽子の目は “ 半 ” になるんだから、セロが勝つに決まってるし、連勝するに決まってるんだ。
これが本当の完全犯罪──じゃなくて、完全イカサマだよな。
どんなに優れた芸術的なイカサマ技術も、セロの前では泡と化してしまうんだから不憫だと思う。
まさに、イカサマクラッシャー。
イカサマを肯定しているくせに、イカサマ師の自信と誇りを粉々に砕いては、廃業に追い込むのを楽しんでいるのがセロなんだ。
良い趣味してるよ、マジで!
嫌味だよ、い・や・みぃ~~!!
セロフィート
「 楽しいですよ、マオ 」
マオ
「 ははは……。
イカサマ師を追い込めて、セロも楽しそうだな★
でもさ、イカサマ師を苛めるのも程々にな? 」
セロフィート
「 おや、ワタシは正々堂々と純粋にゲームを楽しんでいるだけです。
心外な事を言わないでください 」
マオ
「 良く言う~~。
でもさ、入れ物の中に賽子を振るだけだろ。
どうやってイカサマなんかするんだ??
イカサマしようにもイカサマのしようが無いだろ? 」
セロフィート
「 賽子の中に重りを仕込むのです。
上に向けたい目の下に重りを仕込む簡単なイカサマです 」
マオ
「 そんなのイカサマの腕を磨く以前の問題じゃないのか? 」
セロフィート
「 賽子をツボへ入れた後の “ 振り方 ” が大事です 」
マオ
「 振り方って──。
シャカシャカして下に向けるだけだろ? 」
セロフィート
「 振り方には個性が有り、腕の見せ所でも有ります。
振り方を目当てに指名される場合も多いです 」
マオ
「 へぇ~~、唯単にシャカシャカすれば良い訳じゃないんだな 」
セロフィート
「 軽い賽子を入れて振るより、重りを仕込んだ賽子を振る方が難しく、不自然に見えぬ様に如何に怪しまれず自然体に振れるか──、鍛練が必要です。
手首も痛め易いですし── 」
マオ
「 へぇ~~。
イカサマ師も大変なんだな 」
セロフィート
「 そろそろ、お開きにしましょう。
夕食の時間になりますし 」
マオ
「 そだな。
昼食後からずっとだもんな。
夕食は豪華な飲食店で料理が食べれそうだな★ 」




