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12.

 フィオネはフロウのことをよく、「偏愛シスコン野郎」と言っているのを聞いていたが、まさかネモまでもがその言葉が出てきそうになる。それを喉の奥に押し込んだ。



「こ、子ども?兄さんと、私の?」


「そうだよ?」



 ネモもさすがにいつもの無表情が崩れて目眩を起こしそうな単語である。そもそもがふたりは血を分けた兄妹だ。倫理観的にもおかしな話である。



「子ども、え?私たち兄妹だよ?」


「あれ、ネモは知らないのかな。にしてはあのピンク髪したキミの相方ちゃんはしっかりと理解していたようだけど」



 地下でフロウに「偏愛シスコン野郎」と叫んでたフィオネを未だに根に持っているらしい。笑顔なのにどこか寒々しく感じるその笑顔。少しやめて頂きたい。



「僕はネモのことを妹であると思ったことは無いよ。……いや、嘘だ。思ってた、かな。ある日を境に君をしっかりと女と認識するまでは、ね。君も知ってるだろ。吸血鬼同士であれば子どもができる。それは、実の兄弟でも可能なんだ。血を分けた兄弟で愛し合ってでも子供はできる。人間と違って、奇形児にはならないが、力が強すぎて、あまり子だくさんになることは無いけどね。だから、吸血鬼は増えないんだ。ああ、もちろん、トルーマン兄上と、姉さん……フェブリアナ姉さんは夫婦だけど、実の兄妹だよ」



 さらりと告げられた事実に、ネモは脳内が追いつかないままショートした。表情筋はいつも通りに変わらずだが、シャンパングラスを持っている手に力が入らなくなっている。


 兄妹で結婚ができる。その事実は、人間的な価値観を持って育った人から見ると脅威でしかない。大昔は兄妹間はなくとも、近い親戚同士で結婚はしていたし、今も貴族ではその風習がまだ残っているところはある。吸血鬼のそれもそういうことなのだろうかと思っていたほどだ。それでも、科学がある程度進歩した結果か、その行いは愚かなことであると告げられている。だから、今この時代にそのようなことを行う者はあまりいない。王族だって、結婚相手はそれなりに家柄は注視しても近すぎる血筋は忌避しているほどだ。


 だからこそ、ネモは想像し得なかったのだ。



「僕は、吸血鬼を覚醒させるかさせないかを迫られた時、この話を聞いた。僕とネモがいるから、人間と吸血鬼間で子供ができないという話は消えたが、まだどれくらいの確率で出来るのか分からない。ただ、吸血鬼同士であれば確実に子どもはできる。迷うことはないよね、だって僕たちは列記とした吸血鬼になれる。下位吸血鬼になるようなことはない。


 僕たちの村を襲ったヘルマン兄上から、後日、教会側にキミが連れ去られていくのを目撃したと報告を受けた時、一縷の希望を持てたよ。それまで、吸血鬼になるくらいなら死ぬと思っていた感情が、吸血鬼になればキミと一緒になれると思った。人間だった時には出来なかったことを吸血鬼になれば出来るのだと、だから、僕は人間の血を飲んで吸血鬼になった」


「そんな……そんなことで……」


「そんなことじゃないよ。僕にとっては死活問題だ。吸血鬼は愛が重い。1度好きになれば一直線で、手放したがらないのが種の特性でもある。さらに短命だからこそ、熱くなれるんだ。僕とキミが、意識を持って過ごせるのはあとどれ位か、考えて決めてよ。変わらず半吸血鬼のまま、ただでさえ短いというのにさらに短い余生を過ごすか、吸血鬼となって僕と短い余生を過ごすか。半吸血鬼のキミが、人間と交わった時に、キミは子どもはできるのかい?


 もう僕たちは人間には戻れない、けれど吸血鬼にはなれる。その選択の意味をよく考えたらいいよ」



 話しは終わり。最後に、ネモの簪を引き抜いて、彼女の手を取ると口付ける。そしてそのまま、口付けたその掌に簪を乗せながら――



「僕は嫉妬深いんだ。よく、考えてね、僕の(ネモ)



 囁くように告げられると、フロウは席を外した。人混みに入っていくその背中をじっと見つめながら、ネモはソファに深く脱力する。


 さすがに情報過多であった。


 少なくとも、祖父の話は想定内ではあったが、まさかの人間と吸血鬼との間にできた子どもの更にその子ども。血は人間寄りではあるが能力はそのまま吸血鬼の力を受け継いでおり、それはしっかりとアルトピウス家のものであると宣言された。


 そんなの信じられないと思いたいが、全ての話に辻褄が合い、頭の悪いネモですらその話は納得出来る。むしろ、パズルのピースがひとつひとつはめ込まれて行く感覚に近いだろう。パズルをしても完成させられないので、手を出すことは滅多にないが。


 1番驚いたのは、フロウがネモのことを好きだということだ。元々、甲斐甲斐しい人ではあった。シスコンで、大切にされていた自覚もあった。それが鬱陶しく感じることも多かったが、今では唯一の血縁はフロウだけなのだ。ネモがフロウに拘ったのもそれがある。


 手に持った簪をじっと見つめた。何を持って嫉妬してるとはわからないが、最後の言葉はネモに深く刺さる。


 人間には戻れないが、吸血鬼にはなれる。


 恐らくフロウの言う通りネモはあまり長く生きられないのだろう。吸血鬼になることで、少しは寿命を伸ばすことはできても、本当の吸血鬼の長さとは違う。種を残すことが生存本能のひとつではあるが、必ずもそれが必要だとも思っていない。確かに、好きになった人と愛し合った結果に出来る子どもというのは、憧れてはあるが特別欲しいとも思わないのだ。



(それが、もし相手としてアドビーを想像しても変わらない)



 フィオネに朝方習った方法で再び簪を頭につけると、結局はネモは今後の生き方をまだ決められないでいた。


 フロウとの会話が終われば、任務に戻らなくてはならない。こんな所でぼんやりとしてても意味が無いとわかっているのに、ネモはソファに根っこが生えたように立てなかった。ただ、ぼんやりと天井のシャンデリアを眺めていた時だ――



「ちょっと、そこのあなた」



 鈴を転がすような可愛らしい声で呼ばれる。視線を怠惰に向けると、招待客にあるカークランド公爵家のご息女、ヘンリエッタ・カークランドが腰に手を当ててネモに睨みを利かせている。


 白に近い銀色の長い髪は、腰まで伸びて綺麗に巻いいているが、高い頭の高い位置でツインテールにしている。くりくりっとした目許は猫目のせいで勝気に見え、カールのよく効いたまつ毛は上向きで、その縁どった目許をさらに大きくしてくれていた。小さな顎に収まる小さな唇はぷっくりとして形も良く、彩も鮮やか。頬も健康的で色白だというのに、ほんのりと赤みがさしており、可愛いを体現している同じ歳の少女だった。



「なんでしょうか」



 そんな少女に声をかけられたネモは、面倒事の予感を感じながらも、今回の任務的にも立場はあちらが上である。そのため、素直に返事をするとその少女は不躾にネモの顔をじろじろと見つめる。



「あなた……、アルトピウス家の者だったのね」


「いえ、違います」



 きっばりとノーと言いきると、ヘンリエッタは目を丸くする。



「え、でも。ああ、なるほど。あなた、中途半端なのね」



 それなら納得ね、と何かひとりで納得して頷いている。



「アルトピウス家のフロウ様も最初は中途半端だとは聞いてたわ。今は立派なお方だけれど。でも、あなたのその見た目も含めてしまうと分かるわ。フロウ様の血縁者なのでしょ?」



 あの犯罪予備軍でシスコンの妹だと言うことは正解ではあるが、今になってはあまり「YES」を元気よく答えられないのも事実。先月まではそんなこと無かったと言うのに、未来は大きくネモの思考を変更させた。



 ネモは、微かな表情筋を動かして嫌そうにする。



「なによ、あのフロウ様の血縁というのが嫌なの?」


「シスコンなので」


「はあ?なにそれ、私愛されてますアピール?」



 気がつけば、ヘンリエッタはネモの隣にどっかりと座り込む。手に持っていたシャンパングラスを一気に煽れば、どんとテーブルに置いた。



「あのねぇ!フロウ様は、今、連合国内吸血鬼の子女に1番支持されている方なのよ。あの儚げな美貌、常に浮かばせる笑みはどこか寂しそうにされてて、見ているこちらが慰めたくなるの。そんなお方から、妹と言うだけで溺愛され、かつ、結婚も仄めかされて何が嫌だって言うの」


「いや、嫌なものは嫌ですよ」



 ネモはヘンリエッタの言葉に食い気味に言い返す。



「そもそも、私も兄さんも人間として育ちました。人間の倫理観的には兄妹は恋愛感情になりません。それは、生物の本能的なものなんです。それなのに、兄は私を好きだと言った。私は……まだ、吸血鬼になっていないのでその考えは持ってないのです」



 勢いよく否定はしても、それに続く言葉は勢いはない。それは彼女の思考回路を整理しながら、今ネモが思っている感情を、目の前の少女に零す。それを聞きながら、納得していないような、それでも不思議そうな顔をしていた。



「私には分からないわ。吸血鬼はこういう恋愛感情は大切にするもの。短いスパンでの繁殖活動に関わるものだとは思うけれど、1度好きになってしまえば手放せないものだもの。初恋は最初の恋で、最後の恋となる事がほとんどよ。……だから、兄様もフィオネを諦められないのよ」



 最後の言葉は、上手く聞き取れなかった。最後に何を言ったのか聞き取りたくて、ネモはもう一度と口を開きかけた時だ。会場の方が盛り上がる。わぁっと歓声が上がり、拍手が大きくなった。


 どうやら、本日の主役の登場らしい。



「あ、開会の時間になったようね、私も行かなくちゃ。変な絡み方してごめんなさいね」



 ヘンリエッタは、可愛らしくネモへウィンクを投げると、颯爽とその場から離れていった。それはもう、風のごとく速い。突然現れたと思えば、颯爽と退場していく。遠目では凛とした美しい少女だと思ったが、彼女は元来こういう賑やかな性格なのだろう。


 ネモも、残った炭酸ジュースを一気に煽って飲み干し、グラスを空にすれば任務のためにメンバーと合流する。その為には、盛り上がって賑やかな会場の中へと、ゆっくりと紛れ込んでいった。





――――時は少し戻って会場より離れた廊下。


 北国のためか、暖房が弱い廊下はドレスだけのフィオネには少しだけ肌寒い。



「アルトピウス家の末子のフロウが人間と吸血鬼との間に生まれた子供の子孫……となると、ネモも……」



 フィオネは、クラウドの言葉を飲み込めないでいる。だから、言葉を反芻して理解しようとしていた。



「フィオネが言う、ネモという名前の人がどの人かは存じないが、フロウ殿には双子の妹がいると聞いている。もし、そのネモという子がその双子の妹を指すのであるならば、その子も吸血鬼と人間の間に産まれた子どもの子孫だと言い切れる」



 フィオネはクラウドの言葉を受け止めるように、深く吸って吐いた。色々と謎は解けたと思うと同時に、なんで今になってという感情もある。これがもっと早く知っていれば、希望を持てたのだろかうか。いや、それでもフィオネは希望は持てなかっただろう。


 ネモとフロウは所謂奇跡だ。本当はそんなこと、存在しえないような者で、その奇跡が自分に降りかかるなどありえないのだ。過去の自分が可愛そうで、諦めるために、泣き暮らしたあの日々を思い出せば、縋りそうかと思うが、冷静に考えても、己はその奇跡に縋る自分は想像できなかった。



「だからと言っても、私は貴方と共に歩めません。ネモとフロウ様は所謂奇跡です。それを私がもたらせるとも思えない。カークランド家は貴方を主として繁栄をしたがっている。私にはその重責に耐えられるほど、それに応えられる奇跡を起こせる自信もありません」


「フィオネッ!!!」



 流石にクラウドも焦りを見せた。説得を試みるも、説得などで来ておらず、更にかたくなに殻に篭ろうとしている。


 また、フィオネがクラウドの手から逃げてしまう。


 咄嗟に、距離を詰め、フィオネに手を伸ばした時だ。



「そこまでだ」



 その手を掴む手が見えた。今までフィオネしか見えていなかったのか、そこでやっとクラウドはカルマを見た。赤い瞳に、男を写すと途端に不機嫌な顔になる。どうやら、フィオネの近くに男がいるのが許せないらしい。



「先程から黙って聞いていれば随分と自分勝手なのだな。フィオネはずっと君といられないと言っているだろう」


「貴様は一体誰だ。私とフィオネとのそれに関係ないはずだが」



 掴まれた腕を振り払えば、掴まれた箇所を擦りながらカルマを睨む。しかし、その鋭い視線も気にもとめないカルマは涼しい顔で鼻を鳴らすだけ。フィオネはその2人にはらはらとしていた。そもそもが、カルマがこんなに挑発をするキャラではなかったはずなのに、彼はどうしてかやたらめったらクラウドにつっかかっている。



「そうでもない」



 そして、どんと胸を張っては体を大きく見せた。同時に、フィオネを完全にカルマの後ろへと移動させる。クラウドの視界からフィオネを逃がす形となるため、逆にフィオネはクラウドを視界から排除したからか少しだけ落ち着いた。その優しさに、少しだけ胸が騒がしくなる。



「俺は、フィオネの同僚兼同チーム、かつ現恋人だからな」


「は?」


「……は?」



 当の本人であるフィオネですら間抜けな声が口から通り抜けていった。クラウドも、不機嫌を全面に出したようなドスの効いた声で返ってきている。威圧感がすごい。脇からひょっこりと覗いてみたが、こんなに激怒しているクラウドをフィオネが見たのも初めてだ。



「普段、フィオネからは猛烈にアピールされていた。カルマが良いとよく言ってくれていたのもあってな。先日見事にお付き合を果たした。まだ付き合いたてほやほやの熱々カップルだ」


(真顔でそれを言うーーッ??!!!しかも、滅茶苦茶棒読みだし!!)



 カルマの動かない表情筋で、「付き合いたてほやほやの熱々カップル」はフィオネの腹筋を鍛えるのにとてもよく、歯を食いしめて堪えていた。しかし、棒読みでも効果は勿論あるのか、クラウドの顔が険しくなっていく。しかし、カルマの勢いは止まらない。更に、その正統派な顔をキリッとさせ、彼渾身のドヤ顔をする。



「ああ、自己紹介が送れたな。俺はカルマだ。教会の対吸血鬼部隊に所属している」


(ここで追い打ちをするのはやめてくれーーー!!!!)



 会話が前後している上に、真顔で淡々と告げるカルマに、フィオネは耐えきれなかった。脇から覗いていたが完全にカルマの背中に隠れると、その背中に顔を押し付けて、静かに笑いを堪えている。その様子にカルマは気がついていた。それと同時に、先程までカルマに触れるのに震えていたと言うのに、今は気にしていないのか顔を背中に押付けている。


 カルマにとっては、その事実が、少し嬉しく思えた。


 だが、その内容に納得していないのは勿論目の前にいるインテリ眼鏡吸血鬼ことクラウドである。芸術品のように整った顔を顰めっ面にさせて、カルマを見る。しかし、出る言葉がないのか、次に背中に隠れたフィオネに視線を向けた。



「フィオネッ!」


「フィオネは顔がいい男はただでさえ苦手なんだ。そんなに声を荒らげると、怯えてしまうだろ」


「貴様が私に顔がいいとか言うな!!」


「吸血鬼の貴方にそう言って貰えるとは。光栄だな」


「ぶはッ……、はははは……、もう、だめ……は、はははは……カルマ……それ、褒めてないよォ?」



 とうとう、堪えきれずに吹き出してしまえば、フィオネは大口を開けて腹を押えながら笑い出す。背中に押し付けていた顔を天井に向けながら、気持ちよく大きな声で笑う。それは、豪快に、清々しいほどに、全ての気持ちを笑いに変えて声にするように。


 すると、追い詰められていたような感情も、何もかもが尽くスッキリとしていく。笑いが収まっていくと段々と鬱々とした感情がなくなった。ふぅっと、深く息を吐いて今度は、カルマの隣に並ぶ。それは、クラウドを真正面から捉えるということ。まだ、少し怖いけれど、沢山笑ってその恐怖は少しだけ取り除けた。


 フィオネは再びカルマの手を握ると、その手に反応したように握り返してくれた。もう、カルマと手を繋ぐことで震えることは無い。先程背中で笑いをこらえていた時、カルマの匂いをいっぱい吸ったからか、なんだかその隣に立つことすら落ち着いていられる。



「クラウド様……いえ、クラウド・カークランド卿、あたしは教会の対吸血鬼部隊に所属する、フィオネ。相方は無表情だけどとても頼りになるネモ。もう、あたしは、あなた達吸血鬼と敵対する教会に所属していて、あなたのそばに戻るつもりも、カークランド公爵領へと戻るつもりもない。貴方から受け取った思いはとても嬉しくて、デモ、貴方から与えられた恐怖は今でも忘れられない。だけれど、あたしは、貴方があたしの目に見えないところで幸せになって欲しいと、心から思っていおります」



 まっすぐにクラウドを見つめる。フィオネのその瞳にクラウドは少しだけ泣きそうだ。



「幸せか」


「はい」


「楽しいか」


「はい」


「辛くはないか」


「…………たまに?すこし?まあ、この間も死にかけたし……でも、その分ネモの隣にいるのは楽しいデスから」


「は……?死にかけた?」



 フィオネはいけないと咄嗟に口を抑えた。いい雰囲気でまとまりかけたところだったというのに、いつもの余計なひとことをついつい漏らしてしまう。カークランド公爵に仕える身だと意識していた時はこういうのは、控えていたが、そこから出てからは敢えて我慢しないと決めたせいで、時折言ってはいけない場面で余計なことを話すことが増えた。


 失言を悟ったフィオネは、そろりそろりとカルマの後ろに隠れる。



「フィオネ!!やはりそんな危険なことはやめなさい!!」


「カルマァ〜」


「身から出た錆だろう」


「彼氏が優しくない」


「そんな優しくない彼氏はやめて私と付き合いましょう」


「それは聞き捨てならないな。負け犬は負け犬らしくフィオネに忠誠を誓ってワンと鳴けばいい」



 なんで、カルマはそんなに辛辣なのか。



「貴様ァ!!!」



 カルマに詰め寄るクラウド。それを鬱陶しくあしらうカルマ。その様子があまりにも平和で、フィオネは再び、ふっと吹き出し、笑いだした。



 (もう、収集つかないけどいいか)



 会場から離れて寒い廊下だというのに、そこだけは随分と賑やかであった。



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