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idea note 5

作者: 戸倉谷一活

 先日、「idea note 3」を読み直していたらなんとなく思い付いたので書いてみました。

 それだけです。

 どこかの街にある、何十年と続く商店街、アーケードがあるので雨でも人通りは絶えませんが、それでも何年か前に近くの大通りへショッピングセンターが出店しますと人通りも少々減りましたし、儲からないからと営業を諦めてしまった店舗も目立つようになりました。

 そういう商店街の片隅に小さな古本屋がありました。その店舗では青年が一人、店番を勤めていました。

 多分、大学を卒業した物の就職活動が上手く行かなかったのでしょう、気が付いたら古本屋の雇われ店長となっていました。しかし、本人はこの仕事が気に入っているようです。開店から閉店まで番台で古本を読んで過ごしています。

 その古本屋の本棚に一冊、洋書がありました。とても分厚い本でページも合計で何枚あるのか、さっぱりわかりません。しかし、後半の三分の一か四分の一は白紙のままです。実は書籍では無く、誰かの日記かもしれません。

 洋書自体は珍しくも無く、他にもあるのですが、多くは英語で書かれた物です。しかし、その一冊だけは大学で学んだ英語やフランス語、ドイツ語では無く、スペイン語、ポルトガル語なども該当しません。それでもアルファベットが使われているからヨーロッパの言葉だろうと調べていくとラテン語のようでした。しかし、ラテン語以外の言語も使われているようで一行翻訳するだけでも大変な時間を必要としました。しかし、青年には時間だけはたっぷりあります。

 毎日こつこつと一行また一行と翻訳しています。するとその古本が実は魔導書の類だと言うことがわかりました。さらに一行また一行と翻訳していってどうやらどうやらこの魔導書の中には悪事を働いた魔女が閉じ込めてあるとか、その様な内容でした。

 当然、青年は半信半疑、否、ほとんど信じていません。面白半分、興味本位、謎解き、暗号解読、要するに暇、時間だけはたっぷりあるのでその魔導書らしい一冊と毎日向き合っていました。一行を解くのに十日かかることもありましたが、それをも楽しんでいました。

 こうして何か月もかけて翻訳していったある日、青年は本に書かれていたとおりに魔法陣を描き、呪文を唱えてみます。当然、成功する確率は万に一つもないでしょう。それでも万に一つでも成功することを祈って青年は試みます。

 そして当然、上手く行きました。

 本の中から魔法使いの女の子が一人、飛び出してきます。その女の子曰く「ヨーロッパのある国で、魔法使いとして修行中に魔女狩にあった挙げ句、この本に閉じ込められてしまった。本の中にはあと四人閉じ込められているから、本から出すのを手伝って欲しい」とのことだった。

 青年は最初に飛び出してきた魔法使いの女の子と一緒に魔導書を読み解いていき、二人目を本から救出、今度は三人で三人目を救出、こういった感じで五人全員が魔導書から救出されたのは良いが、ヨーロッパで魔女狩りが横行したのは何百年も昔のこと、今からヨーロッパへ帰っても仕方が無いし、しばらくの間は古本屋や商店街で生活していくこととしました。

 商店街でのお困りごとやちょっとした事件、事故を解決するのに五人それぞれが得意の魔法を駆使するとか、そういう感じで商店街の皆さんからも頼られて毎日を忙しく過ごします。

 商店街にあるアーケードの下を箒にまたがった魔法使いがもの凄い勢いで飛行したら結構格好良いのでは無いか、その様に感じましたし、無駄に脳内で場面が再生できてしまうんですよね。

 今頃、病気だと気が付いた今日この頃です。

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