裏技1 転移した世界はゲームの世界?
随分と遅くなりました。
まさか次の投稿が1か月以上も掛かるとは・・・。
アドベンチャーロード、ファンの間では”冒険者道”とも呼ばれたRPGの18禁PCゲームで、発売されてある理由で話題となり、発売されてから数年経つが、未だに18禁PCゲームでは根強い人気がある作品である。
ゲーム自体はドラ〇エのようなシンプルなRPGで、プレイヤーの分身となる主人公が、冒険者となるべく舞台となる国の一番大きい街である王都にやって来き、冒険者になるところからゲームが始まる。
プレイヤーの行動によって勇者と共に魔王や邪神を倒して世界を救う英雄となって10人いるヒロインの一人と結ばれるもしくはハーレムエンドや、魔王の一番の側近として勇者を倒し、世界を支配する最高権力者になる支配者エンド、どちらにも属さず一冒険者として富と名誉を求めるプレイも出来る。一応、戦闘での敗北以外で、何物にもなれず冒険者を辞めると言うバッドエンドも含めてマルチエンド式となっている。
18禁PCゲームとしてみればRPGとしても出来ている方だと言えるが、それだけならば、ここまで根強い人気のでる作品にはならなかっただろう。
この作品が発売当時、話題となり未だに根強い人気がある理由は、このゲームがバグゲーだからである。
このゲーム、あちこちにバグがあるのだが、ゲームをプレイする上ではちゃんと最後までプレイする事が出来るのだが、所々、細かい所でバグがあるのである。しかし逆にそのバグを利用すればゲーム攻略がとても簡単になるのである。
寧ろ、バグを利用してゲームをプレイした場合、バッドエンドが一番難しいと言われる程である。
それ故、発売当時のプレイ感想は”テスターにちゃんとバグ取りさせたのか”と”わざとバグを残したんじゃないかwww”と言う意見が大半を占めたぐらいである。
アドベンチャーロードについての大まかな説明をし終えると、有紗は何とも言えない表情になった。
まぁ、そりゃあ、震災に遭って意識を失って目覚めたらゲームの世界に来ていたなんて言われても困惑しかないわな・・・。
俺だってまだ今の状況が半信半疑だし・・・。
「それでお兄さんは、さっきの怪物を見てこの世界が、そのアドベンチャーロードとか言うゲーム世界だと思ったの?」
「・・・ああ、まぁ、そうだと言ってもまだ半信半疑だが・・・。」
俺がそう返すとお互い無言となり、何とも言えない沈黙が訪れた。
それを破ったのはマンデーだった。
ニャーニャーと強く鳴くので何事かと思い、有紗と揃ってマンデーを見ると、マンデーは先程倒した”目つきの悪いスライム”のいた場所に落ちている銅貨を前足で弄っている。
まるで、この銅貨の事を忘れるなと言わんばかりである。
「これは何なんだろ?やっぱりこの世界がゲームの世界ならば、お金になるのかな?」
有紗が銅貨を手に取って観察しながら、そう言うといきなり銅貨が消えた。
「え!?何これ!?どういう事!?」
またもや、混乱した様子となる有紗だったが、それを見ながら、そういえば先程、俺が銅貨を取った時も同じだった事に気付いた。
ひょっとして俺達がゲームの世界に転移して来たとして、プレイヤーキャラと同じ事が出来る、もしくは異世界転生やゲームの世界に転移と言うジャンルの作品によくあるステータス表示やアイテムボックスが使えるのだとしたら、俺はその可能性にドギマギしながら試しにステータスオープンと念じてみると、次の瞬間、俺の脳裏に俺のステータスが表示された。
「!?」
この事に思わず驚き、そんな俺の様子に
「どうしたんですかお兄さん?」
と有紗が尋ねてきたので、ステータスオープンの事を教えると、驚きの表情と共に彼女もステータスオープンをすぐさましたのだろう、信じられないと目を見開いた。
ステータスをオープンすると俺の今のパラメーターの他にも所持金として2セシル所持している事が解った。アイテムボックスの欄もあり、アイテムボックス提示と念じてみるとアイテムボックス内を見る事も出来た。
だが、このステータス表と言い、通貨名と言い、この世界が”アドベンチャーロード”の世界である事が証明された瞬間でもあった。
この世界が”アドベンチャーロード”の世界である事が判明したのならば、俺としてはもう1つ確認しなければならない事があった。
それは”アドベンチャーロード”内にあるバグによる”裏技”が、この世界でも使えるかと言う事でもある。
これが使えるかどうかでこれからの方針が全く変わってくる。使える”裏技”は何でも良いので、最優先で”裏技”を確認しなければならない。
とは言え、今この場で出来るような”裏技”はないので、まずはこの場から移動するしかない。
「有紗、腕は大丈夫か?」
「あ、うん、触ったら痛いけど、それだけだから。」
「じゃあ、何時までもここにいても仕方が無いから、取り合えず移動するぞ。」
「移動って何処に?」
「村でも良いから人のいる場所だな。」
幸い、俺も有紗も靴は履いていたので、移動するには問題ないのは助かったな・・・。
「や、やっと道がある道がある場所まで来れたな・・・。」
歩き始めて大体、一時間程で俺達は森を出て道がある場所へと辿り着いた。距離的にはそんなにあるとは感じなかったが、途中で何度もモンスターと遭遇し、それを撃退するのに時間と労力が掛かった。
しかし、そのおかげで俺も有紗も、そして何とマンデーもレベルが3に上がった。
それにしてもまさかマンデー、めちゃ強いじゃん。”目つきが悪いスライム”の他、アドベンチャーロードでは定番の雑魚モンスターであるねずみのモンスター”ビッグマウス”、草型のモンスター”体当たり草”などが襲撃して来たが、その1/3ぐらいはマンデーが一人で倒している。
更に俺達だけでなく、どうやらマンデーもアイテムボックスがある様である。
マンデー、こんなに凄い猫だったのか・・・。まじでびっくりしたぜ・・・。
「・・・どっちに行くのお兄さん?」
有紗が北と南に続いている道を見ながら尋ねてきたが来たが、俺自身もどちらに行くべきか、正直判断がつかないと言うのが本音であり、ゲームで似たような場面が無かったかと思案しようとしたところで、マンデーが「ニャー」と一鳴きすると、いきなり北へと続く道を走り始めた。
「お、おい、どこ行くんだマンデー!?」
「マンデー!」
俺達もマンデーを追いかけて走り、少し走ったところで、マンデーが止まり俺達を見て「ニャー」と鳴いた。
「一体、急にどうしたんだマンデー?」
俺はマンデーによってそう訊ねたところで、側にいる有紗が「お兄さん!!」と大きな声を出すので、何事かと有紗を見ると、彼女は前方を指さし、
「あれ!道表示らしき物が建ってる!」
と返した。
俺は「何!?」と声を出しながら指さした方を見ると、道が左にも分かれており、そのすぐ側に左と北を指し示す矢印が連なって設置されている。
間違いなく道表示で、近づいて見てみると、矢印にそれぞれの到着先と思われる場所が記載されている。
「これで、この世界で”裏技”が使えるかどうか確かめる事が出来るな・・・」
左の矢印に記されている行き先を見て、俺は思わず呟いた。
それにしてもマンデーに導かれるとは・・・マンデー、実はこの世界に来る時にチートでも授かったんじゃないだろうな・・・。
大活躍するマンデーを見て、そんな事を思う俺だった・・・。
裏技と謡っておきながら、まだ裏技が出てこない・・・汗
次で最初の裏技を出します。
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