裏技0 震災に見舞われて意識を失ったら、見知らぬ地にいたってどういう事?
また、新たな物語を思いついたので、暇な時に書いていたら出来たので、投稿する事にしました。
良ければ、この物語にお付き合いください。
最近では異世界転生とか異世界転移モノが流行しているが、まさか、俺、神永幸介がその体験をするとは夢にも思わなかった。
と言うか俺、もう24歳よ。異世界転生とか異世界転移を望む年齢じゃないんよ。
いや、それは俺だけの考えで、もっと上の年齢の人でも望んでいる人は望んでいるか・・・。
意識を失う前、久々の休みで、自宅である築が古い賃貸マンションで学生時代から好きだったPCゲームをプレイしている最中に、地震が起きて天井が崩れてきて意識を失い、次に目を覚ましたら森の中だなんて予想外にも程がある。
某鬱系魔法少女モノに出てくる白いナマモノの言葉を真似るなら「わけがわからないよ」と言う奴である。
一体、ここは何処なのかと周りを見渡したら、直ぐ近くに亜麻色の長い髪の女性が倒れていた。いや、女性と言うよりも見た目まだ10代後半なので、少女と言った方がいいだろう。そしてその少女は俺が良く見知った人物だった。
「おい大丈夫か!?有紗!!」
この有紗と呼んだ少女は、俺の家に下宿している血縁上、はとこ(またいとこ)になる星見有紗と言う少女で、北欧系人種の血を1/4引く、クォーターで、親類になるい俺から見ても美少女の部類になるだろう。
今現在18歳で俺の家の近くの共学の学園に通っている女子高生なのだが、クォーター故の純日本人らしくない容姿に加え、コミュニケーションが苦手で奥手、引っ込み思案な性格もあってクラスでは若干孤立気味らしい。
俺は幼少の頃から有紗と交流があったので、有紗の容姿には何とも思わないのだが、クラスの生徒はそうでもないらしい。
まぁ、そんな幼少の頃から交流があったから、彼女の両親は俺のマンションに預けたのだが・・・。
しかし、どうして有紗がここに・・・?他の人間もいるのか・・・?
俺は周りを見渡してみると、有紗以外、倒れている人間はいない・・・。
どうやら俺と有紗以外はいない様である。
俺が見知らぬ土地にいる事も訳が分からないが、有紗だけいるのも理解できない。
地震に遭った時、有紗も自室にいたよな・・・。それが関係しているのか・・・?
ふと、そんな考えがよぎったが、そんな訳ないわなと思い、考えてもさっぱり分からないので、この事については考えるのを止めた。
倒れている有紗に駆け寄って、状態を調べてみると意識を失っているだけの様だ。
「おい!有紗、大丈夫か!!」
有紗の上半身を軽く抱えて持ち上げ、声を掛けながら彼女の顔を軽く叩くと、「ん、うん」と反応した。
どうやら意識が戻った様で程なくして目を開けた。
「あ、あれ、お兄さん?」
有紗は幼少の頃から付き合いがあるためか、俺の事をそう呼ぶ。どうやらまだ頭が働いていない様だ。
だけど見た所、怪我をしている様子もなさそうだし、取り敢えずは安心した。
そうしている間に、有紗も意識がはっきりと覚醒した様で、
「あ、あれ?私、どうして生きてるの!?自室で本を読んでいたら地震が起きて天井が崩れてきて圧し潰された感触があるのに?!」
どうやら、有紗も俺と同じく天井の崩壊で死んだ可能性が大の様である。
「まずは有紗、立てるか?」
「え?あ、うん、立てる。」
俺の質問に肯定したので、有紗の上半身を支えるのを止め、まず先に俺が立ち上がって、有紗に手を貸して立たせた。
「えっ?ここどこ!?何で私、こんな場所にいるの!?お兄さんどうなってるの?!!」
周りを見渡し混乱のあまり焦燥した表情で問うてくるはとこの少女に俺も「分からない。気づいたら有紗の近くで倒れていた。」と返すしかなかった。
そんな俺の様子に有紗は不安な表情で見つめてくる。
どうするべきかと悩んでいると、いきなり俺達の足元に何かが飛び降りてきた。
何事かと思わず構えたら、「にゃ~」と鳴き声が聞こえてきたので、足元に飛び降りてきた何かを直視すると一匹の三毛猫がそこにいた。
「・・・あなた、マンデー?」
有紗が尋ねると、三毛猫は”そうよ”と肯定する様にニャーと鳴いた。
マンデーは俺が大学生の時から俺が飼っているメスの三毛猫である。元々は野良の小猫だったが、ある時、俺の部屋のベランダにぶらりと訪れたのが出会いの始まりである。
ちなみにマンデーと言う名前は月曜日に出会ったから”マンデー”と付けた。
マンデーも地震が起きた時、俺の部屋の丸くなって寝ていたな・・・、それがここにいる理由なのか・・・?
考えても分からんからどうしようかと思った時、急にマンデーが全身の毛を逆立たせ、ある方向を向いて威嚇する様に鳴くので、俺達もそちらの方を見ると、薄青いグミのような形をした生物が2体いた。
口らしきものはないが、目つきの悪い目で俺達を睨みつけている。
「な、何ッ?!あの化け物!?」
有紗は突然現れた怪物に驚き、怯えた表情になるが、俺はこの二匹の怪物を見て別の意味で驚いた。
目の前の怪物は、俺が地震で意識を失う直前までプレイしてたPCゲーム、”アドベンチャーロード”に出てくる雑魚モンスター、その名も”目つきの悪いスライム”と言う安直な名前のモンスターなのである。
俺達がそれぞれの理由で驚いていると、目つきの悪いスライムは自分の身体の一部を射出し、それが有紗に直撃した。
「きゃあっ!!攻撃して来た!?」
幸い、目つきの悪いスライムの攻撃は有紗が咄嗟に腕で防御したので、大怪我にはなっていないが、攻撃を受けた部分は内出血して蒼くなっている。
それを見て俺は思わず怒りが湧き、
「このクソ雑魚が!!ぶっ殺してやる!!」
そう叫びと同時に側に落ちていた太い木の枝を拾って、目つきの悪いスライムに突撃した。
そんな俺の右横をマンデーが駆け抜け、そのまま二匹のうち右側の目つきの悪いスライムに襲い掛かった。
俺もそのままの勢いで左側にいた眼前の目つきの悪いスライムに木の枝を振り下ろし、続けて2~3回、木の枝を打ち付けると、目つきの悪いスライムは水たまりの様に地面に広がった後、消滅し、その場に銅貨らしき物が2つ落ちていた。
それが気にならない訳ではないが、まずはマンデーに加勢しようと、マンデーの方を見ると、マンデーの直ぐ近くにも同じく銅貨らしき物が2つ落ちていた。
どうやら、マンデーも目つきの悪いスライムを倒した様である。
マンデー強いじゃんと思いながら、銅貨らしき物を手に取り、裏表と返しながら見ていると銅貨らしき物が消えた。
「え?!どういう事!?」
思わず叫んでしまったが、有紗もびっくりしている。驚きもあるがまずは有紗の怪我の具合を確かめる事にした。
「有紗、腕は大丈夫か?」
「あ、うん、打ち身したところは痛いけど、それだけだから。」
腕の内出血して蒼くなっている箇所を見せながら答える有紗。
「だ、だけど、何なのあの化け物!?こ、この世界、あんな化け物がいるの?!」
青ざめた表情で叫ぶ様に言う有紗。声も心なしか震えている。
俺はそんな有紗にこの世界がゲームの世界かもしれない事を伝える事にした。
「・・・もしも、この世界が俺が推測した通りの世界ならば、モンスターがいるのは当然だろうな・・・。」
「え?それどういう事?」
「・・・俺もまだ推測の段階でしかないんだが、この世界はゲームの世界の可能性がある。」
「は?」
俺の言葉に有紗はポカンとした表情になった。
まぁ、俺だっていきなりそんな事を言われたら何言ってんだこいつ?となるのは確かだよぁ~
何はともあれ、重要な事なので説明は続けよう。有紗が納得できるかどうかは別だけど・・・。
まぁ、俺も納得出来ては、いないんだけどさ・・・。
という訳で、これがこの物語の最初の第一話です。
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