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第14話 そもそも魔法や魔術とは?



 異世界ファンタジーでは、魔法や魔術は絶対的な存在です。

 これが無くては話が全く進みません。

 本エントリーでは、この魔法や魔術について、深く掘り下げてみようと思いますので、よろしくお付き合い下さいませ。



【1】魔法か魔術か、それとも魔導?


 さて皆様は、どの名称がお好みですか?

 作品中ではその名称が統一されている事が望ましいですね。

 書いているうちに、意外と混じってしまうのですよ。

 ちなみに筆者は、魔術に決めて使用しています。

『魔法的な現象は魔術・・術者・・が行使する』みたいなイメージです。

 まあこれは、作風や皆様のお好みで! といったところですね。

 今回のエントリーでは統一感を出すため、誠に勝手ながら『魔術』を使用し話を進めます。

 悪しからず。



【2】そもそも魔術や魔法とは何か?


「ねえねえ、そもそも魔術や魔法ってなんなのよ?」

 こう質問されて即答できる方って、意外と少ないのではないのでしょうか。

 筆者的には……。

『術者が魔力エレメンタル物質エレメントに作用させる事によって生じる物理的な現象』

と定義づけて、押し切っています(笑)



【3】魔力の正体はなんぞや?


 そして魔術のエネルギー源は魔力です。

 魔力が何たるかを説明できなければ、魔術は語れませんよね……。

 はい、今回のエントリーで一番書きたい事はここなのです。

 キーワードは『マナとオド』そして『四大元素』です。

 


■マナとオド

『マナ』と『オド』とは現在の魔力の説明として、有力な存在です。

 太平洋諸島地域で広く信仰されていた神聖な力の概念がルーツだそうです。

 原初の生命力であり、命そのものであると説明されています。

 自然界に満ち溢れる魔素が『マナ』であり、生命がそれぞれ持つ魔素を『オド』と分類しています。

 生命は死を迎えると『魔素』に分解され、それが循環して、地や海など自然に帰ると考えられています。

 ここで『マナ』=『魔素』ということになりましたが、どうも『魔素』という単語が筆者にはしっくりきません。

『転スラ』のイメージが強すぎるし……。

 そこで筆者はオリジナルで『魔素粒子』という造語に置き換えています。

 もし『魔素粒子』が気に入った方がいらっしゃいましたら、どうぞお役立て下さいネ。


 


【4】四大元素

 上記の『マナ』と『オド』に類似した概念が、『四大元素』です。 

 四元素しげんそと言った方が一般的なのですが、ファンタジー世界的には四大元素と表現した方がしっくりくるでしょう。


 四大元素とは、すでにご存じの通り、土、水、火、空気の四つの元素を指します。

 この世界はこれらの四つの元素から成り立っていると考えられていました。

 提唱者は古代ギリシャの自然哲学者たちです。

 この四元素説を最初に唱えたのはエンペドクレスだといわれ、プラトンやアリストテレスといった超メジャーである自然哲学者たちが『万物の根源』を解き明かそうとしました。


 この世界の根源は『アルケー:元素』であり、エンペドクレスはそれを、土、水、火、空気であると考えました。

 これらが結合・分離を繰り返すことで、世界は果てることなく存在し続けるのだと説明しています。

『アルケー:元素』とは、はじめ・始源・原初・根源・原理 等の事であり、哲学用語としては『万物の根源』また『宇宙の根源的原理』を指すものです。


 古代から中世においては、『万物の根源』は時間と共に仮説を積み上げる手段で考えられ、その源にある不可分なものを『元素』と捉えていました。

 近代科学の成立以降、物質の基礎単位は『原子』であり、この理論が構築されてからは、『原子』は『物質を構成する具体的・・・要素』、元素は『性質を包括する抽象的・・・概念』という様に変わっています。



■そして精霊属性へ!

 後に十六世紀の錬金術の大家であるパラケルススにより、これらの元素を象徴する精霊の存在が提唱され、土はノーム、水はウンディーネ、火はサラマンドル、空気はシルベストルであると位置づけられました。


 この『四大精霊』は、地・水・火・空気の四大元素の中に住まう目に見えない自然の生き物、あるいは四大元素のそれぞれを司る霊体であるとしています。

『四大精霊』は『エレメンタル』(英語)とも言い換えられます。

『エーテル』のみで構成された身体を有する擬人的な自然霊で、パラケルススの論じるところでは、霊でも人間でもなく、そのどちらにも似た存在であるとしています。


 このパラケルススという人物、錬金術師としてはとても優秀でしたが、人間的には最低と伝わっています(苦笑)

 しかし無機質な四元素に精霊を結びつけるとは、素晴らしいロマンチストではありませんか!


 はい、ここまでは古代ギリシャの偉大なる自然哲学者から中世ヨーロッパの錬金術師達のお話。

 ファンタジー世界の魔術とは全く関係のない真剣な学問でありました。

 近年になってこれを、現代の魔力原理に応用した事は、実に見事であると筆者は思っています。



■光属性・闇属性

 四大属性に加え、光属性と闇属性が加わるケースもあります。

 さらに『無』の属性が加わり、七属性なんて考え方もあるようです。




【5】魔術の発動者

 

 次はその世界に魔術が存在するとすれば、その行使者はいったい誰なのでしょうか?

 作品によって全員が魔術を使える世界であったり、一部の魔術士のみが使える世界であったり。

 圧倒的に後者が多い気がします。

 まあ、これは人間フューマンの場合であって、例えばエルフ族や竜人族などは、ほとんどが魔術を使える事でしょう。



【6】魔術の系統


■生活魔法

 ここはあえて生活魔術ではなく、生活魔法で……。

 人々のいとなみに役立つ魔法です。

 ろうそくに火を着けたり、炊事の熱源として利用したり。

 お風呂が無い場合は身体を綺麗にする魔法もあったりします。

 また生活水を確保する水魔法も便利です。

 リアル世界の中世ヨーロッパは、水に大変苦労していました。

 悲惨なほどに……。

 この辺りの世界観の相違が、ナーロッパワールドの弱点でもあります。



■攻撃系魔術

 攻撃系は魔術士の花形。

 四大属性の特徴を生かした攻撃魔術が敵をなぎ倒します。

 今更解説は必要ありませんので、定番は尊重しつつ、オリジナリティーの見せどころでしょう。



■圧縮弾・打撃系魔術

 筆者がよく使うのがこの系統。

 炎や水といった物質を具現化するのではなく、魔素粒子自体を圧縮して魔弾を作り上げます。

 エレメンタルバレット、エレメンタルバースト、エレメンタルハンマーみたいな感じです。



■範囲攻撃魔術

 エクスプロージョン(爆発)、ヘルファイア(業火)、ブリザード(雪嵐)など、敵単体ではなく、複数敵や敵範囲を攻撃する魔術。

 威力増大に比例して魔力を消耗します。



■防御系魔術

 術者本人もしくはその領域を防御するために結界を張る事が多いです。

 物理的な結界と魔力的な結界に大別できます。

 大規模になればなるほど難易度は高く、魔力も消費します。



■回復系魔法

 ポピュラーながらとっても都合がいい魔術。

 白魔術、光魔術、神聖魔術など。

 治癒、癒しといった表現が一般的です。

 まあ作風にもよりますが、一瞬の光と共に欠損部位まで安易に再生してしまうのは、如何なモノでしょうか……。

 ゲームならともかく、小説では安っぽく感じられます。



■解毒魔術

 解毒とは物理的・化学的方法で、体の中の毒物の作用を無くす事ですが、それを魔術に置き換えて治癒します。



■浮遊・飛行魔術

 魔女といえば、ほうきに乗って空を飛ぶモノですが、この界隈ではあまり見かけないのはなぜなんでしょうかね?

 魔術で反重力が説明できれば良いのですが、

 著作権の問題で、ラピュタのあの石を使ってはいけない……。



■契約魔術

 契約書に血が必要な場合が多いです。

 服従を強制するような契約魔術も存在します。

 奴隷商人とかが、よく使っていますよね。



■状態異常魔術

『バフ』

 自分や味方キャラにプラスの効果を付与する魔術。


『デバフ』

 敵キャラにマイナスの効果を付与する魔術。


 身体強化、麻痺、睡眠、忘却、盲目、幻覚、魅了、沈黙、混乱、石化、硬化、凍結、毒、狂戦士、獣化、祝福、浄化、即死、腐食、速度上昇、速度低下、ヘイト上昇、ヘイト低下などなど。



■状態異常回復魔術

 通常のHPやMP回復とは区別される魔術。

 上記の状態異常を解除また回復するための魔術。 

 


■光・聖魔術

 光属性の魔力に適正がある者しか使えない特別な魔術。

 アンデッド系に無類の強さを発揮します。

 使い手の代表は、なんといっても聖女様!



■闇魔術

 光あるところに闇・影あり。

 どちらかといえば、敵対勢力が仕掛けてくる魔術であることが多いです。

 単に光属性の反対としての性質であるといった設定もあります。



■召喚魔術

 精霊や幻獣や魔獣や悪魔などのクリーチャーを召喚し味方になって頂く魔術。



■植物操作魔術

 エルフ族やドライアド、妖精系の得意技。



遮音魔術サイレント

 酒場などで密談する時によく使われる地味だが便利な魔術。

 相手の声を出なくして、詠唱不能にするパターンもアリ。



開錠魔術アンロック

 ダンジョン系で登場頻度が高いこの魔術。

 単に技術である場合も多いです。

 盗賊シーフ斥候スカウトには必須でしょう。

 部屋の扉や宝箱を開けたり罠を解除するなど、パーティーの安全と稼ぎに直結します。



透明化魔術インビジブル

 見えない、気づかれない、目につかない。

 魔術では光学的に見えなくする場合が多いでしょう。

 自らに発動した場合、衣服を脱がなくてはいけないというサービスは好ましい!

 透明マントなどのアイテムによる効果の方が、一般的か。

 


■探知、探索魔術

 魔力探知、気配探知、罠探知などのスキルも、魔術で実行されるケースもあるでしょう。

 マッピングなどの探索スキルも同様です。



付与魔術エンチャート

 付与魔術士はエンチャンター。

 アイテムに魔力を付与して、効果を増強させるスキルを持つ魔術士。

 これが現在の定着した認識ですが、今後付与魔術士とエンチャンターは一致しなくなるかもしれません。

『エンチャント』は英語の動詞で、『~を魅了する』『~を魔法で虜にする』であります。

 なんか『チャーム』に似ていますよね。

 この魔術を創造したといわれる本家本元の『D&D』にも修正する動きがあるようです。



■鑑定魔術

 鑑定スキルと呼ばれる事が多いので魔術と言えるかどうかは微妙。

 物品の鑑定と、人物の能力を鑑定する力に大別できます。



■古代魔術、先代魔術

『アーティーファクトアイテム』や『レリック』を使うためにも古代魔術、先代魔術が必要になってくるケースがあります。

 総じて現代の魔術より、強力に設定されている事が多いです。



■複合・合体・合成魔術、同時発動魔術

 いずれにしても、高等魔術で間違いないでしょう。

 筆者はポップが放つ『メドローア』が好きだな~。

 ちなみにネーミングは「メラのメ」+「ヒャドのド」+「アローをひっくり返し」だって知っていました?

 呪文まで見事な複合技でした。

 そして『メドローア』は単なる魔術の同時発動による『対消滅エネルギーを作り出す呪文』ではなく、あくまで同調が要求されるモノらしい。



■対魔術

 敵方からの魔術に対抗するための魔術。

 炎や氷といった物理的な攻撃からの防御や、魔力的な攻撃からの防御に大別できます。

 前者は土塁などを構築したり、後者は魔力結界を張ったりします。


 その他に敵魔力に干渉する方法もあります。

*ドレイン系

 ドレインとは『抜き取る』とか『消耗させる』の意。

 HPドレイン、MPドレイン、エナジードレインなどがあります。

*リフレク系

 敵方からの攻撃魔術をそのまま反射します。

*魔術無効化

 究極の対魔術。ズル過ぎます……。



■精霊魔術

 四大属性魔術を使う時点で、すでに精霊魔術であると筆者は思うのですが、常識的には別物として扱われているような感じです。

 精霊魔術とは四大属性を擬人化した、シルフやニンフやイフリートといった精霊の力を借りる事が出来る魔術でしょう。



■転移魔術

 座標Aから座標Bへ、時間を消費することなく物質を移動させる魔術。

 いろいろな制約がある事が多いです。

*あらかじめ場所を登録していないと転移出来ない。

*生物を生きたまま転送するのは難しい。

*質量、範囲に応じて使用魔力が増大する。――などなど。

 異世界転移モノでは、冒頭で大規模転移魔術が行われます。

 教室からクラス全員が転移させられるのは定番。

 昔の架空ワープ理論などでは、分子レベルまで分解して転送し、転送先で再構築するなんて説明もありました。

 失敗すると手と足がテレコで付いちゃったりします。



■アイテムボックス系

 最近、滅茶苦茶に使われているのが、このアイテムボックス系。

 マジックバックなどのアイテムで、誰でも使えるケースも多いですね。

 亜空間に収納する理屈がほとんどでしょう。

 さて問題なのは、ほぼ容量無制限で何でも入っちゃうパターン。

 討伐した巨大魔獣もごっそり入って、冒険者ギルドで「なんじゃこりゃ~!」と驚かれたりするのは実に見飽きたケース。

 オフロードバイクやハイエースやバックホウまで入っちゃう。

 とどめは家まで収納しちゃうのよ。

 この手はドラえもんの四次元ポケットから卒業出来ていないな~と。

 しかし『これが面白い!』と一定層に支持されているのもまた事実……。




【7】魔術の発動方法

 多様な魔術を紹介してきましたが、魔術の発動には何等かのアクションが必要です。


■呪文詠唱

 もっともオーソドックスなのはやはり呪文の詠唱でしょう。

 魔術を発動させるために呪文を唱える事を『詠唱』といいます。

 高度で複雑な魔術ほど、長い詠唱を求められます。

 反対に上級者は詠唱を端折って短絡する事が出来ます。

 またルーデウス・グレイラットの影響で、超上級者の無詠唱による発動も流行りました。



■魔法陣

 もはやアニメの定番。

 単なる魔術の発動でも、空間に派手なエフェクトが浮かんだりしてやりたい放題です。

 元々は、転移魔術では必須の描写でした。

 巨大な魔法陣を構築し、多人数で発動するモノや、地下神殿、都市構造そのものが魔法陣の機能を持たせている描写も存在します。

 失敗するとグチャグチャな物体が具現化します……。



■儀式

 儀式によって魔法を発動するケースもあります。

 大規模で高レベルな。

 魔法陣が描かれる事が多いです。

 怪しげな儀式には、生贄とか供物が必要な場合が多いです。



■魔導書・魔法書グリモワール

 悪魔や精霊、天使などを呼び出して、願い事を叶えさせる手順、そのために必要な魔法陣などが記された書物を指すが、悪魔学書、魔術や呪術などに関する知識が綴られた書も含まれます。

 ファンタジー世界では、術者が魔導書を片手に魔術を発動するシーンがよく見られます。



■その他、魔道具、アイテム系

 たとえば指輪やネックレスといった、アイテムそのものに魔術が込められている事が多いです。

 攻撃系の現象を発動するモノや、防御に役立つモノに分かれるでしょう。

 発動回数は、無制限、回数制限などはお好みで。





<おわりに>

 自分でも、よく架空の魔術についてズラズラと書くものだ……。と思いました。

 独断と偏見が随所にみられる事はお許し下さいませ!

 しかしこれらが、もはや定着した常識であることに感動すら覚えます。


 皆様のキャラがカッコよく魔術を発動し、躍動できると良いですね!









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