初めに このエントリーの内容と目的
皆さん、ファンタジー小説、楽しんでいますか!
ただ読むだけでなく、自分も『一つの世界を構築して、ファンタジー小説を書いてみたい!』と思っている方、たくさんいらっしゃると思います。
また『既に執筆しているよ』という方、大いに結構。
小説を書いていく時、その物語が展開していく重要な基礎となるのが世界観の設定です。
その物語の舞台がいつの時代のどの様な場所なのかをしっかりと定めて、キャラクターを動かし、ストーリーを展開して行きましょう。
しばしキャラクターやストーリーを重視するあまり、世界観の設定がないがしろにされてしまう事もあるようです。
反対に世界観の設定に振り回され過ぎるのも注意したいところ。
こだわりを持って、細かく作り上げた世界観を読者に伝いたい!
その思いが強いと、ついつい多くの設定を書き連ねてしまいがちです。
『小説の冒頭で世界観を長々と綴るのはいけませんよ!』
よく言われている事です。
読者の即ブラバを招いてしまいます。
あくまでも物語の世界観は『キャラクターとストーリーのための下地』という事は、忘れないようにしたいモノです。
さて、ネットファンタジー小説の世界観のド定番と言えば、『ナーロッパ』と呼ばれる広大なシェアワールドです。
私達はある程度の認識を持って、世界観を共有しています。
■ナーロッパとは?
そもそもナーロッパ とは、どの様な世界観なのでしょうか。
【ピクシブ百科事典】によりますと……。
“ナーロッパとは、ファンタジー創作、特に『小説家になろう』界隈で用いられる『中世欧州風』ではあるが似て非なる世界の俗称である。”
この『中世ヨーロッパ風』という例えはナーロッパをよく表せていますが、『小説家になろう』よりも遙か以前からある世界観です。
また『剣と魔法の世界』と共通する部分も多く、欧米では、このような世界観がハイ・ファンタジーとして古くから盛んに創作されています。
日本にはTRPG(テーブルトーク・ロールプレイング・ゲーム)またそのリプレイとして広まり、さらに1980年代以降、ドラクエやF・FなどのコンピュータRPG作品やライトノベル作品で一気に定着しました。
その後『小説家になろう』の歴史と共に異世界転生・転移が大流行し、その異世界がナーロッパと呼ばれ、広大なシェアワールドを形成していきます。
■ナーロッパ世界の問題点
残念ながらナーロッパとは揶揄されてしまう造語でもあります。
なぜか中世ヨーロッパ風という枠にはめられ、時代考証に合わないモノが登場すると、『そんなものは史実では有り得ない!』とリアルと比べられ叩かれます。
さらにそれは『どんな起源があって、どんな原理なんだ!』と説明を要求されたりもします。
この繰り返される悲劇はなぜ起こるのでしょうか。
筆者は大きく二つの原因があると考えなす。
一つ目はリアリティーの欠如にあるのではないでしょうか。
世界観設定がゆるい。デタラメ過ぎる。ご都合主義。
たしかに主人公のチート能力で便利な道具があっと言う間に出来てしまったり、ドラえもんの四次元ポケットから卒業出来ていなかったり、現代から便利なアイテムと共にいっしょに転移してしまったり……。
正直なところ『なろう界隈』では通用しても、それが外の世界でも容認されるとは、筆者も思いません。
上記に共通する事は「読者を納得させるだけの仕掛け」が無いのです。
そして二つ目はナーロッパワールドを『中世ヨーロッパ風世界』と表現するのは致命的な矛盾があるのです。
こちらは次回のテーマとして繰り越します。
■ナーロッパワールドの可能性
筆者は思うのですよ。
近い将来、上質なナーロッパファンタジーは世界を席巻する可能性があると。
ナーロッパとは類まれなるシェアワールドです。
SF小説で、『ワープ航法なんてありえない』なんて今さら突っ込みを入れる人はいませんよね。
近い未来にナーロッパは世界中で受け入れられる世界観になるのではないでしょうか。
あなたの作品が世界中で大ヒットするかもしれませんよ。
そうなるための必須の条件はリアルの追及ではなくリアリティーの追求だと思います。
SFの世界もナーロッパワールドも、仮想世界であり幻想世界なのですから。
この後、このエントリーは各話に渡ってナーロッパ小説を書く上で、役立ちそうな小ネタを綴って行きます。
「異世界恋愛モノを書きたいけど、世界史はちょっと苦手」
「貴族の爵位や敬称が解りづらい……」
「魔術や剣や防具を詳しく書きたい!」
そんな疑問のあれこれにお答え出来るような内容にしたいと思っています。
あなたが描くナーロッパワールドに、より深いリアリティーを加える。
そしてその労力の軽減を目指す事が、このエントリーの目的です。
不定期ですが、徐々に内容を厚くして行きたいと思っています。
本作をどうぞよろしくお願い致します。