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〜6色の花束〜  作者: 米粉
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第1.5章 強く儚い花々

ꕤ第1.5章 第1節 慈愛の桜の木の下でꕤ









1.《金茶の花》

Point of view:orange




幼い頃の私は、誰にでもどんな時でも親切にすることが全てだと思っていた。


博愛主義、とでも言うべきだろうか。








その親切心か裏目に出るとも知らずに。









6歳の頃、薄暗くなってきた繁華街で足が悪いという男性を助けようとした時だった。


地面に落ちたものを取って欲しい、という単純な頼み事だったので、私は馬鹿正直に取ろうと屈んだ。



その時、勢いよく上半身を掴まれて、近くにあった車へと押し込まれたのだ。


そしてさっきまで困っていると思っていた顔を鬼のような顔に変えて『騒ぐな』と脅され、私は声を出すことはおろかまともに動くことも出来なかった。


あっという間に知らない場所へと連れられ、車から出されたと思えば今度は窓のない部屋へと入れられた。


それから警察や他の人に見つけてもらうまで何日かかかった。


本当に地獄の数日間だった。





それが私の心に深い深い傷をつくり、今もこれからも癒える気配がない。

もう私は、1人で繁華街を歩くことが出来なくなった。




『莉々華には悩みなんてなさそうだよね』


『本当…莉々華が羨ましいよ』



…そんなことないよ。





『お姉ちゃん、私そろそろ1人で美時に行けるよ?』


『お姉ちゃんの寂しがり屋、直した方がいいよ』



…違うの。本当は……………ううん、なんでもない。






こんなこと、親以外に知られたくない。でも、知って欲しい。気づいてほしい。


そんなちぐはぐな感情を抱いたまま、私は学生生活を過ごしていた。










2.《たくさんの言葉の中に》

Point of view:orange




今の私には、たくさんの友達がいる。


ファッションについて話す友達。コスメについて話す友達。好きなアーティストについて話す友達。


でも、その中に親友と呼べる人はいない。


私はどこか心細さを覚えていた。



「やっほー。あたしは上風 水葵。よろしくな」


「うん!私は桜庭 莉々華。よろしくね」



今年、新しく同じクラスになった子に話しかけられる。


私はいつも通りにこやかに返した。






そんな中で、とある体育の授業の時のこと。

私は上風さんと同じバスケのチームになった。



「あの、私運動あんま得意じゃないんだけど…」


「大丈夫だって!あたしがフォローするから」



上風さんはそう言って、眩しいばかりの笑顔でピースサインをする。


なんだかお姉さんのようで頼もしいな、と思った。



上風さんのアドバイスとフォローもあり、私は少しずつ上達していった。




「…!すごい!できたよ!上風さん!」


「水葵でいいよ。すごいな、莉々華」




私よりもずっと背の高い上風さん―――――水葵に、がしがしと頭を撫でられる。


もしかしたら水葵は、他の友達とは違うかもしれない。



なんの根拠もないが、何故かそう思った。






「莉々華ー!今日の放課後美時に遊びに行かない?」



友達の真由香の誘いを聞いて、自然と背筋が強張る。



「いいけど、どこに行くの?」


「うーんとね、まだ全然決めてないんだけど…この前新しくできたクレープ屋さんに行きたいなーって」



となると、食べ歩き…つまり、長い時間繁華街を歩くことになる。


でも、今日は予定も無いし、何より友達の誘いは断れない。



「そっかー…今日はちょうど暇だったし、いいよ!」


「やったー!それじゃあ、放課後桜木駅で待ち合わせね!」



真由香がぱっと笑顔になる。


…そうだよね。私ももっと明るくならなきゃ。






***






桜木駅に着くと、そこには真由香の他に数人の友達が集まっていた。


これだけ大人数なら、大丈夫かもしれない。



「あっ、莉々華来たー!」


「やっほー、お待たせ」


「これでみんな揃ったね、行こっか」



美時に着くと、今日は私達が午前授業だったからか人は割と少なかった。



美味しいクレープを堪能した後、時間が余ったので私達はカラオケに行くことになった。



その時間はとても楽しかったのだが。




「じゃーねー、みんな」


「うん!また明日ねー!」



解散の時間ともなると、やはり少し薄暗い。


電車には帰宅ラッシュで煩いほど人がいるのに、街は人通りが疎らだ。








一気に恐怖心が込み上げてくる。



「…っ……」



あの時の記憶が喉につかえて、上手く息ができなくなる。



「…はっ……」



胸が苦しい。



1人にしないで………怖い……嫌だ…止めて…




『騒ぐな』






「………っ!」



私はぎゅっと力づくで耳を塞ぎ、頭の中に響く声を振り払おうとしたが、ダメだった。


キリキリと頭痛がする。


やがて、恐怖で足が動かなくなった。




通り過ぎていく人達は知らん顔をしているが、1人だけ、立ち止まってくれる人がいた。


しかし今の私にその人に気を配る余裕なんてあるはずもなく。








「…か………!……莉々華!!」


「……っ!?」



薄れかけていた理性を使ってなんとか顔をあげると、そこには見慣れた姿があった。



「……水葵…」


「莉々華、大丈夫か!?すごい汗だぞ…?」


「お願い…1人にしないで…」



気がつくと水葵に縋るようにして、そんなことを言っていた。



「…わかった」



水葵は嫌がる素振りも見せずに、私の隣にいてくれた。


同じクラスってだけなのに、どうして。






***





次の日。

学校ではいつも通り水葵が話しかけてきた。



「おはよ、莉々華」


「水葵おはよー」



みんなにはトラウマのことは秘密にしてあるので、ここでお礼を言えないのがもどかしい。



放課後、水葵はどうやら水泳部に所属しているようで、帰宅部で特に予定のない私はふらっと見学してみることにした。


見学、といってもプールのフェンス越しに見るだけなのだが。




彼女の泳ぎは、素人の私でも綺麗だと分かるものだった。

すらっと伸びた長い手足を思う存分に使って、他の人をどんどん追い抜いていく。

彼女の小麦色の肌が水飛沫を浴びてきらきらと輝いていた。


水葵は優しくて、姉みたいに頼もしくて、強い。

それが私の目には完璧なものとして映っていた。



なのに、何の取り柄もなくて、トラウマをいつまでも引きずっている私は何なんだろう。


目に映るものはとても綺麗なはずなのに、私の内側では不安が渦巻いていた。



私は逃げるようにその場を後にした。









3.《どうして》

Point of view:purplish red



大会やら合宿やらで死ぬほど忙しかった夏がようやく終わり、9月の中頃になったときのこと。


定期テストが終わったのでテスト休みにどこか行こう、と莉々華と話していた。

私は、彼女のことがいろんな意味で気になっていた。



この前美時に行った時、普段の彼女とは似ても似つかない姿の莉々華を見かけた。

あれは何だったのだろうか。


なんとなく人に言っていいことではないと思い、みんなの前で以前の話をするのはやめておいた。

でも、やっぱり無視はできないことだと思う。


もっと、彼女のことを知りたい。

莉々華とは、ほかの友達よりも親しくなれる気がした。




「ねぇ、水葵」



莉々華と2人で並んで駅を歩いていると、彼女が呼び止めてきた。



「あの時、なんで助けてくれたの?」



あたしの顔色を伺うようにしながら、彼女が尋ねてきた。



「そりゃ、友達だからだろ」


「…そっか」



あたしの返事に、莉々華は妙に嬉しそうな顔をした。



「それより、なんであんな道のど真ん中で倒れそうになってたんだ?何かあったのか?」



試しに聞いてみると、莉々華はびくりと背筋を強張らせた。


そして少し考える素振りをした後、あたしの方に寄って小声で答えた。



「ちょっと、ここでは言えないから…私の家、来て」


「…わかった」



彼女の声はどこか震えていた。

もしかしたら、あたしは莉々華の秘密に触れてしまっているのかもしれない。



***




莉々華の部屋はアクセサリーやビーズなどの小物で溢れていて、それでもきちんと整理されているといういかにも彼女らしい部屋だった。


莉々華とあたしはクッションの上に座る。


しばらくの沈黙のあと、おずおずと口を開いたのは莉々華だった。



「ごめんね、急にこんなこと…」


「いや。他の人の前じゃ言えないことなんだろ?あたしに話そうとしてくれるだけでも嬉しいよ」


「…そっか」



莉々華は深呼吸をする。



「あの…私から言っといてあれなんだけど…すごい重い話だから、聞きたくなかったら言ってくれていいからね」


「…うん」



そして、莉々華は過去にあったことをゆっくりと話してくれた。


あたしは彼女の言葉を一つ一つ噛み締めるように聞いていた。

途中で莉々華の顔色が青ざめていくのを見て、あたしが一旦止めるように言ったほどに、それは彼女に深いトラウマだったのだ。



「…だから、私は1人で美時みたいな町は歩けないの」


「…なるほど、な」



たしかに、そんな体験をしていたなら繁華街で倒れそうになるのも仕方がない。

でも、彼女はどうしてあんなになるまで1人で無理をしていたのだろうか。




「でも、なんで他の人に言わなかったんだ?」


「だって…みんな、私には悩みがなさそう、って言うし…相談しづらかったんだよね」


「そう、か…」



莉々華に悩みがなさそう、という印象は他の人から聞いたことがあったが、それがここまで彼女に影響を与えていたとは。



「…ありがとな、あたしに話してくれて」


「うん…なんか、水葵には話せそうな気がしたから」



莉々華はふわりと笑った。



「もしかして、莉々華が妹に過保護だっていうのも…?」


「うん。可愛いっていうのが1番なんだけど、やっぱり心配だから妹たちに着いて行くって言ってるんだけど…そろそろ嫌がられる時期になっちゃって」


「お前、妹にも言ってないのかよ…」


「だって、妹に言ったら心配して変な態度になりそうだし…」


「妹くらいには言ったらどうだ?家族なんだし」


「ううん…今は親と水葵が知ってるだけで、いい」



そんな安心した顔で言われると、返す言葉がなくなってしまった。


あたしはそっか、とだけ返して、気まずくも少しだけ居心地の良い沈黙の時間を過ごしていた。









ꕤ第1.5章 第2節 揺蕩う鬼灯ꕤ









1.《烏羽色の花》

Point of view:black



私は、物心ついた頃から真面目だった。


親や先生から教わったことをきちんと守って、間違ったことを嫌っていた。


私はずっと、それが全てだと思っていた。







しかし、現実は全然違った。

規則を破って何もしない人ばかりが注目されて、真面目な人は放置される。


どんなに不満に思っても、現実が変わることはなく。



先生には真面目になれと言われてきたのに、実際にそれを守っている人は変わり者扱いされる。

何もしない人を注意しても、煙たがられるだけ。



私は幼い頃からうるさいとからかわれ、つまらないと切り捨てられた。



みんなの言葉が細く頑丈な糸になって、私の胸をキリキリと締め付ける。



みんなに混ざりたい。

でも、私の内側にいるもう1人の私が、それを許してくれない。



私は、何もできない。




ただ、胸が、痛い―――――――――――










2.《蚊帳の外》

Point of view:black




『お前、グチグチうるさいんだよ!』


『希菜ちゃんって、ほんと真面目だよね』



そんな言葉はもう聞き飽きた。

一緒にいてもつまらないから、という理由で仲間にいれてもらえないのも、いつものこと。



いつしか1人でいるのが当たり前になって、私は自然と喧騒から離れるようになっていた。


私は幼稚園の時協調性がないとよく怒られたが、私は黙ってその注意を受けるだけだった。







しかし、みんなから顔を背ける人がもう1人。




その子の名前は、白川日華。




「希菜ちゃん、だよね?あたしと遊ぼうよ!」


「…日華ちゃんもみんなのところに行った方がいいよ。私、うるさいって言われるし…」


「あたしもだよ!みんなから変だって言われるもん」



彼女も、みんなと好みが違うことから仲間はずれにされているらしかった。



「そっか。…一緒だね」


「うん!だから、遊んでくれそうなのは希菜ちゃんしかいないの!お願い!」


「いいよ。何して遊ぶ?」



明るい笑顔で悲しいことを言うものだから、私は年齢にそぐわない複雑な感情を抱いた。


きっとこれを切ない、というのだろう。



性格も趣味も正反対の私たちだったが、どこか通じるものを感じて一緒にいるようになった。











数年後、小学生になっても性格を変える方法はわからず、結局私は煙たがられるばかりだった。


それは日華も同じだったらしく、私達はお互いに蚊帳の外にされた者同士で、良き理解者となった。


私達は惹かれ合うようにいつも2人でいた。




***



Point of view:white




何年経っても、希菜が最初で最後の親友だった。


中学生になって、腐れ縁だったあたし達もついにクラスが離れてしまった。


しかし、希菜は前とは違って変わったと思う。



以前よりも明るくなったし、道端で校則違反の人達を見かけても無視ができるようになっていた。






――――――だから、私は親友が酷い目に遭っていることに気づけなかった。








ある日の放課後、希菜と昇降口で待ち合わせをしていると、いつもとは違う様子の彼女が現れた。


彼女の髪は湿っていて、眼鏡もかけていなかった。


私は違和感を堪えきれずに、希菜に尋ねてみた。



「希菜、今日は眼鏡かけてないの?髪も濡れてない?」


「あー、これね。今日の掃除中にバケツ持った子と派手にぶつかっちゃって…」


「うそー、大丈夫?風邪ひかないでね?」


「そんなに心配しなくても大丈夫よ」



ここまでは他愛のない会話だった。

彼女があまりにも自然に笑うものだから、あたしは彼女の言葉を信じていた。








しかしさらに数日後、あたしは暇つぶしにと休み時間に希菜の教室を訪れた。


すると、そこには目を疑うような光景があった。




教室の中で、私は幼馴染が何人かの女子に言い寄られているところを見てしまった。


それは楽しく雑談している、という感じではなく、希菜は明らかに厄介そうな、端的に言えば嫌そうな顔をしていた。


会話の内容までは聞こえなかったが、私は希菜が虐められているのではないかととても不安になった。


そして、私は決定的な瞬間を見てしまう。


希菜が何か反論をすると、パンッ、と乾いた音が聞こえた。しかしその音は昼休みの喧騒に埋もれ、近くにいた生徒は見て見ぬふりである。



あたしは怒り半分、心配半分で叫ぶように幼馴染の名前を呼んだ。



「希菜!!!!!」










3.《かわりもの》

Point of view:black



日華のよく通る声が響き渡って、教室の中が一瞬静かになる。



「日華…」


「へぇ、 黒島さんにも友達いたんだね。じゃあ私達はこれで」



ついさっきまで言い寄ってきた生徒たちが、何事も無かったかのように立ち去る。


私は頬の痛みを悟られないようにして、日華の声がした方向へと駆けていった。



「日華、どうしたの?」


「それよりこっち来て」




日華は珍しく少し強引に、私の腕を引いて教室から出ていった。









連れられるがままにしていると、校舎裏にたどり着いた。




「ちょっと日華、本当にどうしたの?」


「どうしたのじゃないよ!…なんで今まで隠してたの?」



日華は大きな瞳をわずかに吊り上げて、心配に満ちた表情で訊いてくる。


やっぱり、日華に見られてしまっては言い逃れはできない。



「さっきの人達に、何かされてるんでしょ?…1人でなんとかしようとしないで、あたしのことも頼ってよ…」



しゅん、と日華が肩を落とす。



「…ごめんね、日華」



私はそう前置きをして、今までの出来事を話した。



「さっきの子たちに…単刀直入にいうと虐められている、のかしら。さっきみたいに言い寄られたり、体操着とかペンケースを隠されたりしたわ」



「そう、なんだ…今どきそんなことする人、いるんだ」


「それで、この前の話も…嘘なの。本当は、掃除中に水をかけられて、眼鏡は体育の時間に壊されちゃって」



できるだけ平静を装いながら、淡々と事実を話した。



「だから、もう私と一緒にいるのはやめておいた方がいいわ。…日華まで、あの子たちに目をつけられたりしたら…」


「…やだよ!!あたしはずっと希菜の友達でいたい!」


「…日華に迷惑はかけたくないもの。だから、お願い」


「いくら希菜のお願いでも、今日はダメ!希菜のこと放っておけないもん」



どんなに頼んでもいつまでも平行線のままで、『お願い』『嫌だ』のやりとりを何度も繰り返すだけだった。



「…どうして、そんなに私のことを気にかけてくれるのよ…」



やがて私の方が折れたが、ずっと気になっていたことを尋ねてみる。


どうして、私が虐められている、つまりクラスで必要とされていない私を、彼女は必要としてくれるのか。



「何でって…友達だからに決まってるじゃん!!希菜は、私のこと友達だと思ってないの…?」


「そんな訳ないじゃない!日華は大切な友達よ…だからこそ、迷惑をかけたくないの」


「迷惑じゃないよ!!…むしろあたしの方がいつも迷惑をかけてるのに…」


「…私は日華のこと迷惑だなんて思わないわ」


「あたしも同じなの!!上手く言えないけど、あたしも友達として頼ってもらいたいの!だから、1人で全部なんとかしようとしないでよ…」



日華は今にも泣きそうだった。



「…………ありがとう、日華」



その必死な気持ちが嬉しくて、私まで目頭が熱くなる。


今までは私が耐えればいい、と思っていた。

でも、そんな私を心配してくれる友達がいることを知った。


――――――本当は、助けて欲しかったんだ。



「それじゃあ…お願いしてもいい、かしら」


「…!もちろんだよ!!」



日華はいつもの明るい笑顔で、そう答えた。




***



教室に戻ろうとすると、またあの子が話かけてきた。


今回は中心にいた子1人だった。



「あれ、黒島さんの友達って白川さんだったんだー。クラスの中で変人って言われてるっていう、あの」



その子は日華のことを見るなり、乾いた笑みを浮かべた。



「それよりさー、黒島さん借りてもいい?ちょっと話したいことがあるの」



私が答えるよりも先に、日華がぱっと飛び出した。



「やーだね。どうせろくなことじゃないでしょ」


「なに急に、ひどいなー。ちょっとお話するだけだってば」


「あんた、希菜のこと虐めてるんでしょ?」


「ほんとに何なの?私は黒島さんと仲良くしてるだけなの。ねー、黒島さん」



すると、急に肩を組まれた。



「…あなたと友達になった覚えはないわ」



私がそう答えると、彼女は私に耳打ちをした。



『うるせぇな、私の言う通りにしろよ』



いつもなら私は言われるままだったが、今日は違う。



「あれー?友達だったら急に叩いたりしないよね?やっぱり虐めなんじゃないの?」


「私そんなことしてないよ?白川さんの見間違いだよ」



肩に組まれた腕がわずかに震えた。



「ふーん。それじゃあ、希菜の眼鏡の話は?あんた達が壊したって聞いたけど」


「そんなこと知らないよ!さっきから何なの、本当に」



彼女が明らかに焦りだした。



「あたしは希菜を助けようとしてるだけだよー。友達として、ね」



日華はニヤリと笑った。



「それじゃあ、希菜の体操着は?あんた達が隠したって聞いたんだけど」


「…っ……知らないわよ」



日華の余裕な表情に勇気を貰い、私も負けじと反論した。



「確か、貴女のロッカー、だったわよね。見せてもらえるかしら?」


「…なんであなた達に私のロッカーを見せないといけないの」


「あれ?隠すってことは疚しいことがあるの?」



日華が悪戯に笑った。



「…あぁ、もう。わかったよ」



彼女がロッカーを開けると、そこには確かに私の体操着があった。



「これでもう、言い逃れできないよね?」



日華がずいっと彼女に迫った。



「……もう!悪かったわね!」



彼女が観念したように言い捨てて、走り去っていった。



「よーし、やったね!希菜!」


「うん。…本当にありがとう、日華」



私1人では手も足も出なかったことが、日華とならできる。


やっぱり、私の親友は日華しかいないな。


そう、確信した。




変わり者同士、私たちは惹かれるように出会って、今もこうして一緒にいる。
















でも、私は日華の笑顔の裏にあった出来事を、知らなかった。









ꕤ第1.5章 第3節 待雪草は冬を越せるかꕤ










1.《暁鼠の花》

Point of view:white




あたしはずっと、執着を嫌っていた。


ものを好きになっても、それを認められることはない。

執着しても、報われない。


あたしはみんなが嫌いなものが好きで、みんなに合わせなければ生きていけない。



それは痛いほど経験してきた。






あたしはカエルやトカゲが好きなのに、みんなはそれを煙たがって排除しようとする。


あたしがどんなにやめてと伝えても、変わり者扱いされるだけ。





あたしはお父さんのことが大好きだったのに、お母さんは彼のことが嫌いだった。

だから、お父さんは家を出ていった。


あたしがどんなに泣き叫んで止めても、認められることはなかった。





だから、あたしは執着することをやめようとした。


それなのに。




――――大切だと思う人が、できてしまった。












2.《みんなとは違う》

Point of view:white




あたしは、小さな頃からみんなから変わり者だと言われ、距離を置かれていた。


小さい子供の時の頭ではその理由は全くわからず、ただ離れていく姿を見ることしかできなかった。



そして、そんなあたしを支えるはずだった両親は毎日喧嘩ばかりで。


あたしにはずっと居場所がなかったのだ。







しかしある日、希菜に出会ってから、あたしの見る景色は変わった。


希菜のあたしに対する態度を見て、彼女は他の子とは違う、とすぐにわかった。


こんなに風変わりなあたしに対しても嫌な顔ひとつせずに、一緒に遊んでくれた。


あたしは希菜のことが大好きになってしまった。







***





小学生のとき、ついに父親が家を出ていってしまった。


あたしは泣きわめいて引き留めようとしたが、無駄だった。



その噂は瞬く間に周囲に広がって、ますますあたしはみんなから距離を置かれる羽目になった。


でもあたしは、平気なふりをした。

自分でも気持ち悪いと思うくらいにニコニコ笑っていた。



何があっても、笑っていなきゃ。

笑っていないと、自然と涙が溢れてきてしまうから。




みんなはあたしの表情を信じている様子だった。

幼馴染の希菜でさえも。


だからあたしは安心しきって、上辺だけの笑顔を浮かべ続けた。

父がいないという現実が続いている間、ずっと。


その分、家で1人になったときは涙が枯れるほど泣いていたのだけど。









「日華、最近無理してない?」



希菜が何気なく質問してきて、あたしは内心ドキッとしていた。

焦りを悟られないように、できるだけいつも通りの声で返す。



「え、なんで?」


「なんかずっと一緒にいて分かってきたんだけど…前の日華と今の日華で笑い方が変わった、っていうのかしら」


「希菜って本当に小学生なの?」



本当に、希菜はどこまで大人な目を持っているのだろうか。



「そーれーよーり!日華、いろいろ気にしてんでしょ?いつまでもくよくよしてるなんて日華らしくないわよ?」



希菜はあたしの顔をしっかりと見て言った。



「……そうだね」



あたしは精一杯笑顔を作った。






3.《かわりもの》

Point of view:white



数年後。


母と2人だけの生活には漸く慣れてきたものの、あたしの悩みが晴れることはなかった。


希菜に頼って貰えたのは本当に、本当に嬉しかった。

でも、その感情があたしの胸を締め付ける。


あたしが好きになったものは、やがて離れていく。

父の件があって、それを痛いほど思い知らされた。




しかし、希菜は何年もあたしと一緒にいてくれている。


あたしは希菜のことが大好きなのは、今もこれからもきっと変わらない。



―――――――結局、希菜に執着しているではないか。




いつしか希菜があたしから離れていくのが怖くて、彼女に対する接し方がわからなくなっていった。



学校から帰る度に、あたしはぐるぐると悩み続けていた。





***



Point of view:black



日華と出会ってから、私は強くなれたと思う。

虐めの件の後も何度か嫌な噂を聞いてしまったことはあったものの、スルーすることができるようになっていた。


だって私は、1人じゃないから。


そう思うことで、私は自分の気持ちを落ち着けることができたのだ。







ある日の放課後。

日も短くなってきた季節に日華に『今日は夕焼けが綺麗だよ!』呼び出され、私達は屋上に来ていた。



すっかり冷たくなった風に吹かれて、遠くまで澄み切った美しい夕焼けを眺めた。


青春だなぁ、とのんびり考えていると、日華がいつになく暗い雰囲気で、夕焼けに目を向けたまま口を開いた。



「…希菜はさ、あたしの事友達だと思ってる?」



以前も同じ質問をされた気がするが、あの時のような必死な感じではなく、静かだった。



「…今更何言ってるのよ。日華は大切な親友で、幼馴染に決まってるじゃない」


「…そっか」



日華は安心したように呟いた。



「どうしたのよ、そんなにしょんぼりしちゃって。何かあったの?」



私が尋ねてみると、日華は変わらず夕焼けを見たままぽつりと言った。



「あたし、やっぱり大切なものを決めちゃダメなのかな?…あたしが好きになったものはすぐに離れていっちゃうし」



この時、ようやく私は日華のことを知ることができた気がした。

彼女は今の今までずっと、悩んでいたのだ。

眩しいくらいの笑顔の裏で、彼女はずっと暗く深い悩みの中をもがいていた。



「…そんなことないわよ」


「…ごめんね、希菜。あたしがこんな性格で、こんな家になっちゃって」



日華の声は震えていた。



「日華のせいじゃないわよ…どれも残酷だけど、仕方ないことだと思うの。…でも、私は日華から離れるつもりはないわ。それに、私は日華のその明るい性格に、確かに救われたの。私こそ、こんな性格だし…」



私の言葉を聞いた日華は、ようやく私の方を向いた。

その瞳は夕日の光を受けて輝いていた。




「…!あたしこそ、希菜に救われたよ!希菜が真面目だから、あたしは自由に動けるっていうか……あと、あたしのことちゃんと見てくれるのも希菜だけだし、それから…」


「ふふ、…私達、同じだったみたいね」



お互い、全く同じことを思っていたなんて。



「うん。………なんか安心した!…ありがと、希菜」



日華は照れくさそうに、でもあの時と変わらない姿で笑った。






ꕤ第1.5章 第4節 水泡に揺らぐ立葵ꕤ







1.《浅蘇芳の花》

Point of view:purplish red




あたしには、生まれた時から才能がなかった。



いつもいつも兄と比べられては否定されて。

『お前には才能がない』なんて、父親から何回言われたかわからない。


だからあたしは、人一倍努力した。


みんなが談笑している間、あたしは泳ぎ続けた。

みんなが勉強している間、あたしは泳ぎ続けた。



でも、結局最後まで父が認めてくれることはなかった。




あたしは、泳げなくなった。

あたしが人生をかけてやってきたことも、医師の一言で簡単に崩れ去ってしまうものであった。


一気にどん底へと墜ちて、生きる目的を無くしてしまったような気さえしてくるほど、あたしには水泳しかなかったのだ。



これから先、あたしはどう生きていけばいいのだろうか。


プール以外に、あたしに居場所はどこにあるのか――――









2.《濁った笑顔と深い青》

Point of view:purplish red




「水葵、怪我したんだって?!大丈夫!?」


「泳げなくなっちゃったってほんと?!」



風の噂であたしの話は友達に知れ渡り、みんなはとても心配してくれた。


あたしはみんなをこれ以上心配させるような真似はしたくなかったので、精一杯の笑顔で応えた。


もう、上手く笑えているのかわからないくらいの心情ではあったが。



本当は、みんなの気遣いの言葉ですら心に刺さるほど、あたしの心は弱く脆くなっていた。


そんな中、いつもと変わらずに話しかけてくれたのは莉々華だった。



「水葵ー!おはよ!今日の放課後って空いてる?」


「…おう、空いてるぞ。どっか行くのか?」


「うん!実は、今日からこのカフェで新しいスイーツが出るらしくて…」



あたしと莉々華は、この数年の間で気の置けない仲になっていた。

まるで幼い頃からの付き合いだったかように、あたし達は自然と気を許すようになった。


そんな莉々華に他の人は眉をひそめている様子だったが、あたしは彼女の態度にどこか安心していた。




***




どんなに日が経ってもあたしの悩みが晴れることはなく、漠然と考え続けていた。


あたしに相談相手なんているはずがない。

もとよりあたしの悩みの原因は自分自身、その次に父と兄であり、母は父の味方である。


友達に対しても、こんな弱音を吐くわけにはいかないという子供のような意地が邪魔をして話せなかった。



ある日の昼休み、莉々華に誘われて昼食を摂りに校舎内の中庭に来ていた。

誰かの話し声で満たされた中庭で、莉々華はあたしに顔を寄せて言った。



「ねぇ水葵、最近本当に大丈夫?」


「…何がだ?」


「いろいろと、だよ。顔色も悪いし、テンションだって前までよりめっちゃ低いし。…やっぱり水泳のことで悩んでんの?」


「……まぁ、な」


「…これ以上拗れる前に、相談してよ?私もみんなも本当に心配してるんだから」


「わかった。ありがとな」



あたしは頷いたが、実際の心は揺れていた。

心配してくれている、というのはわかるし、それはとても嬉しい。

でも、あたしの中で渦巻いているこの暗く重い気持ちを受け入れてくれる人は、果たしているのだろうか。










Point of view:orange



最近、水葵の様子がおかしい。


前まではあんなに溌剌として、爽やかで、歯を見せて笑っていたのに。

水泳ができなくなったという話を聞いてから、明らかに暗くなった。

きっと、私が思っているよりも彼女は大きな影響を受けているのだろう。


でも、一つだけ許し難いことがある。

それは、みんなの言葉に対する表情。


水葵は眉を下げて、今にも泣きそうな顔で笑うようになった。


私は水葵のことは好きだけど、その中途半端な表情だけは嫌いだった。


そんな悲しい顔、しないでよ。




放課後、雲の多い夕焼け空に照らされながら家路についていると、水葵は相変わらずその表情を浮かべていて。


私はついに堪えきれなくなった。




「…水葵」


「…?なんだ?」


「やっぱり無理してるでしょ」


「…どうしたんだ?いきなり」


「ほら、また!……もうそんな辛そうに笑う水葵なんて見たくないよ!!…お願いだから、いつもの水葵に戻ってよ…!」


「…莉々華……」


「どうして、そんなに一人で溜め込むの…?私にでもいいから、話してよ。…それ以上我慢したら、水葵の体がもたないよ…」


「…気持ちは嬉しい、けど…きっと莉々華が思っているよりも暗いし、重いぞ?…受け入れてもらえるか、わからないのが怖いんだ」


「私の方は大丈夫だから!…もう、他人の心配よりも自分の心配してよ…」


「……わかった。ありがとな」



全く、この人はどこまで自分に鈍感なんだか。







3.《泣きごとと思いつき》

Point of view:purplish red



結局、莉々華の押しに負けて弱音をぶちまけてしまった。

莉々華は親身になって聞いてくれて、正直安心した。



「…という訳で、今のあたしには居場所がないってことだ」


「そっか……なるほどね。話してくれてありがと、水葵」



莉々華はあたしの言葉を噛み締めるようにそう言った。





「…私さ、水葵が羨ましかったんだ」


「…なんでだ?」


「私ってすっごい中途半端だから、今まで特技とか全然なかった。…だから、水葵の泳ぎを見て、いいなぁって思った。なんていうか、全てを懸けられる特技があっていいなぁって」


「そう、だったのか」


「うん。…だから、もっと自分に自信持っていいんじゃないかな」



莉々華はふわりと微笑んだ。

彼女の言葉が胸の傷に染みていくような気がして、目頭が熱くなる。



「……あたし、これからどうすればいいんだろうな」



あたしはため息混じりに呟いた。


あたしは水泳以外本当に取り柄がない。

頭だって良くないし、他に取り立てて得意なことがある訳でもない。

この先どうしていけばいいのか、視界は真っ暗だった。



「…あっ、そうだ」



すると、今まで黙っていた莉々華がふっ、と顔を上げた。



「…ん?なんだ?」


「水葵、うちの部活に来たらいいんじゃない?」


「え?」



予想外の言葉に、あたしは間抜けな声を出してしまった。



「たしか、莉々華の部活って…」


「情報研究部だよ。…うちの部活少し変わってて、過去に何かあった人しかいないの。…だから、もしかしたらいい居場所になるんじゃないかなって。あ、もちろん水葵が嫌だったらいいけど」


「そう、なのか…」


「ね、ちょっと考えてみてよ」


「…気持ちは嬉しいけど…あたしが途中から割り込む感じになるけど、いいのか?なんか悪いよ」


「先輩も後輩も優しいから大丈夫だよ。…今度、1回でいいから仮入部来てくれると嬉しいな」



なんだか少し強引になっていた気もするが、あたしは情報研究部の仮入部に行くことになっていた。


過去に何かあった人しかいない、というのが気になるところではあるが、とりあえず試しに行ってみることにした。




***




数日後。

あたしは莉々華に連れられて、視聴覚室に来ていた。


部活時間の真っ最中ということもあり、部員の先輩や後輩が集まって何かを話しているところだった。


そんな真剣な空気の中あたしが入って大丈夫なのか、という不安もあったが、莉々華を信じて教室に足を踏み入れた。



「やっほー、仮入部の子連れてきたよー」


「…上風水葵です。よろしくな」


「おー!よろしくねー!」


「情報研究部にようこそ!よろしくね」


「よ、よろしくお願いします」



先輩や後輩が口々に挨拶をしてくれるので、あたしは会釈をして返した。



「それじゃあ、今日はちょうど定期相談会の日だから、みんなここに集まって」



先輩の言葉に、部員のみんなが椅子を持って集まってきた。



「あの、定期相談会って?」


「莉々華ちゃんからも聞いてると思うけど、ここには過去に何かあった人しかいないのよ。だから、悩みとかがあったら言える範囲でみんなに相談するの。もちろん、個人的に相談してくれてもいいんだけどね」


「そう、ですか」



どうやらここは、ただの部活動ではないらしい。



「ねー、今日はせっかく水葵ちゃんもいることだし、自己紹介も兼ねてお話しようよー」


「そうね。それじゃあ、私から時計回りにお願いするわ。私は部長の黒島希菜よ。クラスは3年2組よ」


「はいはーい、あたしは白川日華。同じく3年2組で、ここの副部長だよー」


「え、私もするの?」


「莉々華ちゃんは大丈夫じゃない?」


「だよね、わかった」


「それじゃあ日向ちゃん、お願い」


「あ、はい…盞野日向です。クラスは1年4組です」


「えっと…盞野日陰、です。クラスは1年3組」


「1年3組の星河茉莉花です~。よろしくお願いします」


「…鈴未累、です。クラスは1年5組です」


「白草夢美です!クラスは1年4組よ」


「あっ、1年5組の蒲吹晴空です」


「えっと、最後にあたしだな。上風水葵です!クラスは莉々華と同じ2年1組。元水泳部ですが、訳あって莉々華に勧められてここに来ました。よろしくお願いします!」


「元水泳部かー。今までにはいないタイプですなぁ」


「そうね。賑やかになりそうで良かったわ」



すると、黒島先輩は徐にカーテンを閉め始めた。



「さて、と。ここからは過去についての話になるから、ドアとカーテンを閉めて」


「えっと、なんでカーテンまで閉めるんだ?」


「くらげ先輩…っていう希菜先輩達の一個上の先輩がいるんだけど、その先輩のこだわり。やっぱり過去の話は外に漏れたら大変だからなんだって」



莉々華がこそっと教えてくれる。

こうして、あたしにとって初めての『定期相談会』が始まった。





4.《定期相談会》

Point of view:purplish red



薄暗くなった視聴覚室の中で、あたし達は椅子を寄せて座っていた。



「それじゃあまず、みんなの過去について軽く説明してちょうだい。もちろん、言える範囲でいいわ。あ、ちなみにこれは他の人には絶対に言わないこと」


「「「「「はい」」」」」



全員、とても神妙な面持ちになっていた。あたしもそれにつられるようにして、気が引き締まる。


先輩たちと後輩たちの話を聞いて、あたしは純粋に驚いていた。


いじめ経験者や亜人、ましてや忌み子だった人までいるのに、普通の人と同じように生活している。

ここにいる人達は全員強い人なんだな、と感じた。


そして、みんなあたしの話もよく聞いてくれた。

状況を知らない人が聞いてくれる方が、あたしは楽になれるタイプだったらしい。



「なるほど、そんなことが…話してくれてありがとう、水葵ちゃん」


「いえ…あたしも、話したら少し楽になりました」



なんだか、不思議と安心できる場所だった。



「えっと…それじゃあ定期相談会はここまでなんだけど…少し配信について話してもいいかしら」


「「「「いいですよ/大丈夫です」」」」


「ねーねー、水葵ちゃんはどうすんの?配信、参加してみる?」


「あ、顔出しとかはしなくて、声だけだよ」



配信、か。

今までそういうことには全く触れてきていなかったので、少し興味がある。

それに、あたしは喋ることが大好きだ。



「参加、してみます!」


「おー、今までにないタイプの人が入ってきてくれましたなー。よーこそー!」


「よろしくお願いします!水葵先輩!」


「あ、よろしくお願いします…」



みんなは快く歓迎してくれた。


――――――ここが、新しい居場所になったらいいな。




そんな願いを胸に、あたしは新しい1歩を踏み出した。






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